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この素晴らしい世界にポケモントレーナーを!

作者:GBT
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4.経緯と頭のおかしい魔女っ子と誤解

 
前書き
すいません、6日も掛かったわりにそんなに進んでません…。
 

 
レンガの家々が立ち並ぶ中世ヨーロッパを思わせる石造りの街、アクセル。
歩いてきたので時間が掛かってしまい夕方になってしまったが、俺は助けた3人と共にようやくアクセルの街へと辿り着いた。
そしてとりあえず、カエルに食われていた女子2人が粘液を洗い流したいと言うので、まずは銭湯に向かうことになった。
そして街を歩きながら互いに自己紹介し、何故女子2人があんな(カエルに捕食される)事になっていたのかを聞いていた。
名前はジャージの人がサトウ カズマさん、水色少女がアクアさん、そして俺が背負っている魔女っ子がめぐみんというそうだ。
めぐみんという名前を聞いてあだ名かと思ったが本名らしい。
アクアさんが教えてくれたのだが、めぐみんは紅魔族という種族でその種族はみんな変な名前を持っていてめぐみんのような名前の人が当たり前なんだそうだ。
まあ今はそんな話は置いといて、なんでも彼等は冒険者で、3人でパーティーを組んであのカエルを討伐するクエストを受けていたんだとか。
ちなみにそのクエストは昨日が初日で、最初はカズマさんとアクアさんだけだったのだが2人じゃ無理そうという事でメンバー募集をし、今日めぐみんを入れて再挑戦したらしい。
しかし女子2人、アクアさんの方は効き難いと言われてる打撃攻撃でカエルに立ち向かっていき返り討ちにあいカエルに捕食、めぐみんの方が使うと魔力切れになって動けなくなる1日1発しか撃てない爆裂魔法というのを使い動けなくなった所をカエルに捕食され、結果あのような状態になったとの事らしい。
なるほど、そこに俺がリザードンで飛んできて現在までに至ると。
ちなみに俺が聞いた爆発音はその魔法が放たれたときの音だったらしい。
しかしアクアさんの方はクエストを受注するときに受付から聞いていたそうなので自業自得だが、めぐみんの方はなんでそんな魔法を使ったのだろう?
聞いた所この魔女っ子、職業はアークウィザードという魔法使い職の上級職なんだとか。
それだったらその魔法じゃなくても他に使える魔法がありそうなものだが。

「聞こえた音だけで使った魔法がどんだけの凄い威力なのかわかったけど、あんなカエルぐらいだったらそんな高威力の魔法じゃなくてもっと威力の低い別の魔法でも倒せたんじゃないか?」
「そうだな、これからは緊急時のとき以外爆裂魔法は禁止な。これからは他の魔法で頑張ってくれよ。」

カズマさんが俺の考えに賛同し、今日使った魔法に禁止令を出す。
するとそれに対し、魔女っ子からとんでもない答えが返ってきた。

「使えません。」
「「は?」」

この魔女っ子は今何と言った?
使えません?
それはつまり、あの爆裂魔法という奴しか使えないということか?

「私は爆裂魔法しか使えないんです。他には一切魔法は使えません。」
「「マジでか?」」
「マジです。」

マジでそうみたいだ。
いやいやいやいや、おかしいだろ。
そんなポケモンで言う”はかいこうせん”みたいな(威力は高いが使ったら1ターン動けなくなる)魔法が使えるんだったらそれより下の魔法くらい使えるだろ?

「え?爆裂魔法が使えるレベルなら、他の魔法だって使えるでしょう?」

アクアさんも俺と同じ意見のようだ。

「私なんか、宴会芸スキルを習得してからアークプリーストの全魔法を習得したし。」

うん、それはそれでおかしくないか?
プリーストって僧侶だろ?
なんで宴会芸のスキルなんて取ったんだよ。
てかなんでプリーストのスキルより先にそっち覚えたんだよ。
するとそれを聞いためぐみんが急に熱弁しだした。

「私は、爆裂魔法をこよなく愛するアークウィザード。爆発系統の魔法が好きなんじゃないんです、爆裂魔法だけが好きなのです!たしかに他の魔法も覚えれば楽に冒険ができるでしょう。でもダメなのです!私は、爆裂魔法しか愛せない!たとえ1日1発が限度でも!魔法を撃った後に倒れるとしても!それでも私は、爆裂魔法しか愛せない!だって私は、爆裂魔法を使うためだけにアークウィザードの道を選んだのですから!」

うん、初対面の相手に心の中でとはいえこんな事を言ったら失礼だろうが言わせてもらおう。
この子頭おかしいんじゃないか?
爆裂魔法が好きでそれを極めたいというのはまだわかる。
でもだからって爆裂魔法だけしか使わないというのはおかしいだろ。

「素晴らしい、素晴らしいわ!非効率ながらも、ロマンを追い求める姿に私は感動したわ!」

いやアクアさん、非効率どころの話じゃないから。
1発撃ったら動けなくなるからそこを襲われでもしたら終わりだから。
あなたも少し頭おかしくないか?
ほら、カズマさんの顔見てみなよ。
もうなんか「こいつらもういろいろダメだわ。」みたいな顔してるもん。
すると今度はカズマさんが俺の方、というか俺の背中にいるめぐみんの方を見ながら笑顔を向けてきた。
そして

「そっかー、多分茨の道だろうが頑張れよー。ギルドに付いたら報酬は山分けで、機会があったらどこかで会おう。」

と言って背中を向けた。
うん、これたぶん報酬受け取ったらめぐみん捨てるつもりだな。
まあ今の話を聞いたらそうなるわ…。
するとそれを聞いためぐみんが俺の背中からカズマさんの背中に跳び移った。
あれ、動けないんじゃなかったの?
そしてカズマさんに跳び移っためぐみんがカズマさんの耳元で囁き出す。

「私の望みは、爆裂魔法を撃つ事のみ。なんなら、無報酬でも良いと考えています。そう、アークウィザードの強力な力が今なら食費と雑費だけで…。これはもう、長期契約を交わすしか無いのではないだろうか?」

どうやら捨てられそうなのを察して捨てられないように説得しているようだ。

「いやいやいや、その強力な力は俺達みたいな駆け出しの弱小パーティーには宝の持ち腐れだ!」
「いえいえいえ、弱小でも駆け出しでも大丈夫です!私も上級職ですけど、レベル6ですから!ねえ、私の手を引き剥がそうとしないでほしいです!」
「いやいやいやいや、1日1発しか魔法使えない魔法使いとかないわー!」

しかしカズマさんもどうにかパーティーから抜けてもらおうとめぐみんを説得し返しながら振り落とそうとする。
だがめぐみんはなんとしてもパーティーに残してもらおうと和真さんをホールドして振り落とされないよう抵抗する。
てかめぐみん、レベル6だったんだ。
そしてとうとうカズマさんは言葉遣いを荒くしてぶっちゃけだした。

「おい放せ!お前他のパーティーでも捨てられた口だろ!離せって!というか、ダンジョンにでも潜った時には爆裂魔法なんて狭い中じゃ使えないしいよいよ役立たずだろ!」

うん、たしかに他の魔法使えないんじゃダンジョン行っても役立たず以外の何者でもないな。
別に撃てないわけではないが撃ったらダンジョン崩壊して生き埋めになるのがオチだ。

「お前を入れるくらいなら、いろんな技の使えるポケモ…じゃなくて使い魔を使えるユウキを入れるわ!」

あれ?さりげなく勧誘されてる?
まあ別に構いませんけど、振りほどこうと暴れると粘液が飛び散ってくるので暴れないでもらえませんか?
あ、ミミッキュ。”まもる”で粘液防ぐなら俺も”まもる”の中に入れてくれない?

「もうどこのパーティーも拾ってくれないのです!荷物持ちでもなんでもしますから!お願いです!私を捨てないでください!」

じゃあ、他の魔法覚えろよ。そしたらまだパーティーに残しとく価値あるだろうし。
覚えても爆裂魔法しか使わないとか言ったら話は別だけど。
2人の言い合いを聞いてそんな事を考える。
すると後ろで通行人の女の子3人が俺達を見ていたようで、カズマさんを指さしながらあらぬ誤解を招くような事を言い出した。

「見て、あの男小さい子を捨てようとしてる!」
「え!?」
「隣には粘液まみれの女の子も連れてるわよ!」
「あんな小さい子を弄んで捨てるなんてとんだクズね!」
「見て、女の子は2人ともヌルヌルよ!いったいどんなプレイをしたのよあの変態!」
「ち、違----う!!」

いや、ヌルヌルなのはカエルに食われた2人の自業自得で別にカズマさんは変なプレイなんてしてませんからね。

「きっと一緒に歩いてるあの男もあいつの仲間よ!」
「え?」

一緒に歩いてる男って、もしかして俺のこと?

「きっとあの頭に乗ってるぬいぐるみを使って変なプレイをしたに違いないわ!」
「おいちょっと待てええええええええ!!!!」

なんか被害が俺とミミッキュにも飛んできたんですけど!?
するとめぐみんが何かを思いついたようでニヤリと笑みを浮かべる。
あれ?なんか嫌な予感が…。

「どんなプレイでも大丈夫ですから!!先ほどのぬいぐるみやカエルを使ったヌルヌルプレイだって耐えて…。」
「よーしわかった!!これからもよろしくな!!」
「だからこれ以上誤解を招く発言は止めようか!!」

俺とカズマさんはすぐさまこれ以上おかしな事を言わないようめぐみんの口を塞ぐ。
こうしてめぐみんのパーティー入りが正式に決定し、女子2人は銭湯へ、俺とカズマさんはギルドへと向かったのだった。


 
 

 
後書き
ユウキのセリフが皆に対してタメ口になっているように聞こえますが全てめぐみんに対してのセリフでカズマとアクアに対してはまだ敬語です。
めぐみんに対してタメ口なのはユウキから見てめぐみんが年下っぽい(実際年下)からです。

次回はユウキの職業が決まります。
 
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