恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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665部分:第五十二話 パヤパヤ、噛まれるのことその四
第五十二話 パヤパヤ、噛まれるのことその四
「ねえ、ミナ」
「どうしたのかしら」
「もうすぐ孟獲だけれど」
彼女のところだというのだ。
「特に何も思わない?」
「別に」
こう答えるミナだった。
「悪い人じゃないのね」
「うん、とてもいい奴だよ」
それは確かだというのである。
「ちょっと食いしん坊だけれどね」
「それは誰でもだから」
構わないというのである。
「いいわ」
「そうなの」
「それでその娘のところに行ったら」
「劉備さんの剣だよね」
「ええ。それを何とかしないと」
こう話すのだった。
「その為に来たのだから」
「問題はその剣の直し方よね」
「そうね。どうして直すのかしら」
ミナはここで首を傾げさせた。
「一体」
「僕にはわからないけれど」
チャムチャムはであった。しかし彼女は同時にこうも言うのだった。
「けれど孟獲は絶対に知ってるよ」
「彼女ならなのね」
「うん。とにかく劉備さんの剣」
チャムチャムもだ。劉備のことを真剣に気にかけていた。
「どうにかなればいいね」
「本当にね」
こんな話をする二人だった。そしてだ。
神楽と月はもう服を着ていた。髪はまだ少し濡れてはいる。
その二人がだ。周囲を見回して話をする。周りは密林だ。見渡すばかりの木々である。
「とりあえず虎や豹はいないみたいね」
「はい、蛇も」
「鰐がいてもおかしくはないけれど」
「そうしたのもいませんでしたね」
「まずは何よりね」
それを確かめながらだ。とりあえずは安心する二人だった。
「熱帯は何がいてもおかしくはないけれど」
「どんな猛獣がいても」
「ええ、けれどいなくて何よりよ」
また言う神楽だった。
「本当にね」
「はい。それじゃあ皆身体を洗い終えたら」
「いよいよね」
「はい、孟獲さんのところに」
行こうというのだった。そしてそこにだ。
何かが飛んで来た。それは。
「パヤーーーーーーーーーーーッ!」
「あれは」
神楽はそれを見てすぐに言った。
「象!?」
「えっ、あれがなのだ」
丁度今川から出た張飛が応える。
「あれが象なのだ」
「ええ、あれがね」
「何かあれみたいなのだ」
ここでこう言う張飛だった。
「身体の真ん中にある」
「そ、それはだ」
関羽は義妹のその言葉に顔を赤くさせた。
「言うな。私達にはないのだからな」
「そうなのだ」
「そうだ。それは言うな」
「よくわからないけれどわかったのだ」
「これが象さんなんですか」
劉備がその象を抱き止めていた。彼女のところに来たのだ。
「話に聞いていた」
「そうよ」
チャムチャムがその劉備に答える。
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