恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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655部分:第五十一話 孫尚香、立ち上がるのことその四
第五十一話 孫尚香、立ち上がるのことその四
「いるでしょ。張勲」
「あの者ですか」
「あの娘からの手紙よ。袁術からじゃなくてね」
「何の手紙でしょうか」
張勲と聞いてもだ。孫権はいぶかしむばかりであった。
そしてそのいぶかしむ顔でだ。姉に対して問うた。
「一体」
「胸ね」
まずはこう言う孫策だった。
「胸の大きい面々でね」
「胸の大きい面々で、ですか」
「一緒に仲良くしないかって言ってきてるのよ」
「何故でしょうか、それは」
話を聞いてだ。孫権はさらにいぶかしむ顔になった。
「胸が大きいということで、ですか」
「そういえばだけれど」
ここでだ。孫策の目が動いた。そのうえでの言葉だった。
「小蓮があれこれと動き回っていたわね」
「そういえば最近」
孫権も姉の言葉で気付いた。
「あの娘が大喬や小喬と会っていましたね」
「そこで辻褄が合うわよね」
孫策はまた妹に話す。
「これでね」
「それでは」
「そうよ。三人の共通点は何かしら」
孫策は楽しそうに話すのだった。
「それは一体何かしら」
「胸でしょうか」
孫権もふと考えて言った。
「それは」
「そうね。私や蓮華にはあって小蓮にはないものね」
「そうですね。胸ですね」
「それよ。胸のない面々が集まってね」
「謀叛でしょうか」
「やると思う?」
孫策は今の妹の言葉には楽しげな笑顔で返した。
「あの娘が」
「シャオがですか」
「あの娘がそういう風に見えるかしら」
「いえ、それは」
そのことについてはだ。孫権もよくわかることだった。
「全くです」
「そういうことよ。あの娘はそんなことは全く考えていないわ」
「では何が目的でしょうか」
「あれよ。胸がない娘達を集めて」
どうかというのだった。
「それで胸の大きい面々と張り合うつもりなのよ」
「そんなことを考えていたのですか」
「そうよ。それを考えているのよ」
「謀叛やそうしたことではありませんが」
「気になるのね」
「どうしてその様なことを」
孫権はいぶかしむままだった。
「あの娘は。胸が小さいことなぞ」
「どうでもいいわよね」
「私はそう思います」
「私もよ」
孫策もだった。今は首を捻っている。左手でその頭を支えてだ。そうしてそのうえで話すのだった。そのうえでの言葉であった。
「胸なんてね。本当にね」
「そうです。自然と大きくなりますし」
「あっても肩が凝るだけよ」
持っている者の言葉である。
「もう昨日だって」
「私はそれ程でもありませんが」
「貴女はあれよね」
孫権の胸を見ての姉の言葉だ。
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