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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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650部分:第五十話 タムタム、子供を可愛がるのことその九


第五十話 タムタム、子供を可愛がるのことその九

「これは二人共な」
「かなりできるわね」
「そう、タムタム強い」
「僕だってね」
 二人の言葉はここでは得意そうなものだった。
「戦うことは好きじゃない。けれど」
「戦うからには負けないから」
「ふむ。そうした考えなのか」
 趙雲が二人のその言葉に感心したような声で述べた。
「いい考えだな」
「だよな。無闇に争っても仕方ないしな」
 それは馬超も言うのだった。
「確かに仮面は怖いけれどいい奴等だよな」
「とにかく皆で食べよう」
「楽しくね」
 二人の言葉は変わらない。そうしてであった。
 実際にそのバナナを全員で食べる。一行は車座に座りそのうえでだ。バナナを一本一本手に取って食べていくのであった。
 その中でだ。タムタムはにこりとした声で言うのであった。
「楽しい」
「楽しいのだ?」
「そう、楽しい」
 こう黄忠にも話す。
「タムタム今とても楽しい」
「バナナを食べているからなのだ」
「それだけじゃない」
「それだけじゃないのだ?」
「そう、子供が楽しく食べている」
 見ればだ。仮面の奥の目は今は張飛達を見ていた。そのうえでの言葉だったのだ。
「それを見て。タムタム楽しい」
「子供達?というと」
 張飛は一行を見回してそのうえでだった。孔明達を見て言った。
「朱里達なのだ」
「あの、鈴々ちゃんもですよ」
 孔明は呆れた顔でその張飛ノ言葉に応える。
「子供なのは」
「何っ、鈴々もなのだ」
「だって。誰がどう見ても」
「鈴々は子供じゃないのだ」 
 自分ではこう言い張る。
「ただ小柄なだけなのだ」
「ですからそれが」
「ううむ、知らなかったのだ」
「それ本気ですか?」
 鳳統はそれが信じられないといった顔であった。
「あの、私達と全然変わらない背丈と胸で」
「胸はそのうち大きくなるのだ」
 かなり無茶な主張であった。
「だから子供ではないのだ」
「ううん、ですからそれは」
「無理がありますから」
「そうよ。認めるしかないじゃない」
 今度は馬岱が話す。
「それはね」
「うう、何ということなのだ」
 張飛も遂に膝を屈した。そうなるしかなかった。
 そうしてだった。その中でだった。タムタムはこうも言うのだった。
「五人もいる。チャムチャムも入れて」
「僕もまだ子供だからね」
「タムタム子供大好き。子供はとても大事なもの」
「大事なのね」
「そう、大事」
 こう主張するタムタムだった。
「タムタム子供好き。けれど」
「けれど?」
「けれどっていうと?」
「皆タムタム怖がる」
 その声が悲しげなものになってきた。
「タムタム優しいのに子供逃げる。これとても悲しいこと」
「それは間違っているのだ」
 張飛は強い声でそのことを否定した。
「タムタムを怖がるのは間違っているのだ」
「間違っている?」
「そうなのだ。タムタムはとてもいい奴なのだ」
 強い声での言葉だった。
 
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