恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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644部分:第五十話 タムタム、子供を可愛がるのことその三
第五十話 タムタム、子供を可愛がるのことその三
「このヘンゲハンゲザンゲで」
「そうしよう。それじゃあね」
「まずは知らせる」
タムタムはまたチャムチャムに話した。
「そうしてそのうえで」
「うん、あの連中と会って話をしよう」
こう二人で話してだった。二人は一旦その場から姿を消した。劉備達は密林の中で休憩に入ってだ。食事をはじめるのだった。
「鰐の唐揚げね」
「油はどこにあったのかしら」
神楽とミナが今食べているその鰐の唐揚げを見てそれぞれ言う。
「美味しいけれど」
「油は何処に」
「はい、それはです」
「木の油を使いました」
ここでまた孔明と鳳統が話してきた。二人は果物を食べている。
「それで調達しました」
「木を切ってそれで」
「二人共凄いよね」
劉備はその唐揚げを食べながら二人に対して述べた。
「ちゃんと油が採れる木までわかるんだから」
「水鏡先生に教えてもらいました」
「だからです」
劉備にこう答える二人だった。
「南方にはそうした木があるって」
「その通りでした」
「そうなのね。それで」
「油を」
これで神楽とミナも納得した。そうしてだ。
神楽はその唐揚げを食べながらだ。こんな話をした。
「この鰐の唐揚げはね」
「うむ」
「何かあるのかよ」
趙雲と馬超が彼女の言葉に応える。
「この唐揚げに」
「思い出とかか?」
「違うわ。ほら、東君よ」
神楽はここで彼の名前を出すのだった。
「ジョー=東君ね」
「ああ、あの人」
馬岱が神楽のその言葉に応えた。
「ムエタイっていう蹴り技が多い格闘技使う人よね」
「彼が好きなのよ」
その鰐の唐揚げがだというのだ。
「その彼が食べているものなのよ」
「そうなんだ」
馬岱もその唐揚げを食べながら言う。
「あの人これが好きなんだ」
「ええ。確かにこの味はね」
「美味しいですね。鶏肉みたいな味で」
「それでいて癖もあってね」
「面白い味ですよね」
こう言う馬岱だった。
「とても」
「ええ、だからこれは」
「あの人が好きになるのもわかりますね」
「最初思ったわ」
ここで神楽の顔が苦笑いになった。
「そんなの美味しいのかしらって」
「けれど食べてみるとですね」
「美味しいのよね」
「それじゃあですけれど」
馬岱からの言葉である。
「大蛇の煮付けなんてのも」
「どうかしらね、それは」
「何かそういうお料理もあるんでしょうか」
「あると言えばあるじゃろ」
厳顔が話してきた。当然彼女もその唐揚げを食べている。
「ここでは蛇が多いからのう」
「それでなんですか」
「そうじゃ。ここでは蛇も多い」
そうだというのであった。
「それでは食べるのも道理じゃろうからな」
「ううん、それじゃあ大蛇の煮付けもですね」
「あるじゃろうな。まあそれでもじゃ」
「それでも?」
「蛇以外にも色々と食うものはあるぞ」
こう言ってだった。厳顔は馬岱にあるものを出してきた。それは。
「バナナですか」
「うむ、食うな」
「はい、是非」
「バナナはよいぞ」
厳顔は馬岱にそのバナナを一房与えながらそのえうで笑顔で話す。
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