守りたいと思ったんだ
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2話
「キュウ……キュウ、フォウ……フー、フォーウ……」
「ん?何だフォウ、てかあの状態で寝てたのか……俺も図太くなったな」
目をごしごしと擦りその場を見るとカルデアの中央菅制室出はなく燃える街だった。
「良かった、目を覚ましましたね先輩、無事で何よりです」
「マシュも無事で良かった、ありがとうなフォウ起こしてくれて」
「フォーウ」
「マシュ、ここが何処かわかるか?」
「いえ……私も想定外のことばかりで混乱しています」
「そうか……それにしても、話し合いに付き合ってくれそうにないな奴(やっき)さん方は」
「Gi__GAAAA!」
「__敵性生物として判断します」
「マシュ、この状態切り抜けるぞ!」
「了解!この事態を切り抜けます!」
マシュは盾を構え立香の前に出ようとするが立香はスケルトンに向かって駆ける。
「先輩危険です!!」
スケルトンの一体が立香に向かって槍を突くのを横にずれて避けスケルトンの腕を蹴り上げる、するとスケルトンの腕が壊れ槍を手放す、それを立香キャッチして縦に半回転させそのままスケルトン貫くと消滅した。
「以外となんとかなるもんだな」
別のスケルトンが立香に斬りかかろうとするがマシュが盾を構え突撃し直撃したスケルトンは消滅する。
「油断しないでください先輩!」
「なに、マシュが助けてくれるって信じてたからな、さて残りもやるぞ」
「先輩は戦わないでください!」
「一人より二人の方が効率いいだろ!!」
立香は斬りかかるスケルトンの攻撃を避け槍を足に向け凪ぎ払い転ばせ頭部を踏み抜き、マシュは弓を持つスケルトンに向かって突撃する、それで最後だったようで場が静粛になる。
「あれで最後だったみたいだな」
「はい__不安でしたがなんとかなりました」
「マシュがあそこまで戦えるとは思ってなかったな」
「……いえ、戦闘訓練は何時も居残りでした、逆上がりもできない研究員、それが私です、私が今、あの様に戦えたのは__」
『ああ、やっと繋がった!もしもし、こちらカルデア菅制室だ、聞こえるかい!?』
マシュが言おうとしたときタイミングが良いのか悪いのかわからないロマニの通信が入る。
「こちらAチームメンバー、マシュ・キリエライトです、現在、特異点Fにシフト完了しました」
「こちら居残り組藤丸立香同じく」
「レイシフト適性、マスター適性、共に良好、藤丸立香を正式に調査員として登録してください」
『……やっぱり立香君もレイシフトに巻き込まれたか……コフィンなしでよく意味消失に耐えてくれた、それは素直に嬉しい』
ロマニが本当に嬉しそうなのがわかる、コフィン無しのレイシフトはそこまで危険なのだろう。
『それと、マシュ……君が無事なのも嬉しいんだけど、その格好はどういうことなんだい!?ハレンチすぎる!ボクはそんな子に育てた覚えはないぞ!?』
「なに!?お父さん娘さんを僕に下さい!!」
『君にお父さんと言われる覚えはない!!娘はやらん!!って何をやらせるんだい立香君!?いや人生で一度はやりたかったけど!?』
「……先輩」
顔を赤くしたマシュはゴホンと一度咳払いして話を戻そうとする。
「……これは、変身したんです、カルデアの制服では先輩を守れなかったので」
『変身……?変身って、なに言ってるんだマシュ?頭でも打ったのか?それともやっぱりさっきので……』
「ロマン、マシュは魔法使いだったんだ、使い魔のフォウ君と契約して……」
『なるほど、そうだったのか!』
「先輩!そこで乗らないで下さい!!Dr.ロマンは私の状態をチェックしてください、それで状況は理解していただけると思います」
『キミの身体状況を?お……おお、おおおぉぉおお!?』
ロマニは機材でマシュの身体状況をチェックして驚き始める。
『身体能力、魔力回路、全てが向上している!これじゃ人間というより__』
「はい、サーヴァントそのものです、経緯は覚えていませんが、私はサーヴァントと融合したことで一命を取り留めたようです、今回、特異点Fの調査・解決のため、カルデアでは事前にサーヴァントが用意されていました、そのサーヴァントも先ほどの爆破でマスターを失い、消滅する運命であった、ですがその直前、彼は私に契約をもちかけてきました、英霊としての能力と宝具を譲り渡す代わりに、この特異点の原因を排除してほしい、と」
『英霊と人間の融合……デミ・サーヴァント、カルデア六つ目の実験だ、そうか、ようやく成功したのか、ではキミの中の英霊の意識があるのか?』
「能力と宝具って奴を譲り渡してるってことは無いだろ、消滅するギリギリだからか、もしくは片方しか意識が表面化しないんじゃないか?」
「……先輩の言う通り彼は戦闘能力を託して消滅しました、最後まで真名を告げずに、ですので、私は自分がどの英霊なのか、自分が手にしたこの武器がどのような宝具なのか、現時点ではまるでわかりません」
『……そうなのか、だがまあ、不幸中の幸いだな、召喚したサーヴァントが協力的とは限らないからね、けどマシュがサーヴァントになったのなら話は早い、何しろ全面的に信頼できる』
「(盾の英雄ってだけで絞れるんだがいかせん、俺個人はギャラハッドしか浮かばねえは、てか俺ケルト神話は網羅してるけど他はある程度知ってるぐらいだからな~一応地方ケルトはケルト繋がりで少し詳しい位だし)」
マシュと融合した英霊について考えていた、だが立香はギャラハッドぐらいしかわからないため口に出さずにいることにした。
『立香君、そちらに無事レイシフト出来たのはキミだけのようだ、そしてすまない、何も事情を説明しないままこんなことになってしまって』
「別に気にしてないですよ、まあこういうこともよくあるこった気にすんなってことで良いでしょ」
『いや!?よくあっちゃ困るからね!?そこまで元気なら大丈夫そうだ』
「まあな、それに俺はそうそう死ぬつもりもないからな、マシュに誓い(ゲッシュ)も誓ったんだ」
『それは古代ケルトの習わしじゃないか、キミは日本人だろ』
「よくあるこった気にすんな!俺が個人的にケルトが好きなだけだ」
『まあいいや、立香君は話を聞いて冷静だがサーヴァントについて説明すらしていないはずだが』
「何となく聞いてて予測はたててた、サーヴァントって使い魔だろそんで英霊は過去現在未来の英雄の亡霊、例えばケルトの大英雄クー・フーリンとかの亡霊だろ、それを何らから方法で召喚して一緒に戦うのがサーヴァントだ、使い魔ってことは主が必要、その主が俺ってことそれがマスターって奴だ、そんでマシュはその英霊と融合したそんなところだろ」
『す、すごいな、厳密には違っている部分があるが今までの話でそこまで考察するなんて』
「ドクター、通信が乱れてます、通信途絶まで、あと十秒」
『予備電源に切り替えたばかりでシバの出力が安定していないのか、仕方ない、説明は後ほど、二人とも、そこから2キロほど移動した先に霊脈の強いポイントがある、何とかそこまで辿り着いてくれ、そうすればこちらからの通信も安定する、いいかな、くれぐれも無茶な行動は控えるように、こっちも出来る限りの電力を__』
そこまで言うと通信が途切れる。
「さて、2キロ先のポイントまで行くか、頑張ろうぜマシュ」
「そうですね、頑張りましょう先輩」
「キュ、フー、フォーウ!」
「フォウさんもいてくれたんですね、応援ありがとうございます、フォウさんも先輩と一緒にこちらにレイシフトしてしまったようです、……あ、でも、ドクターには報告し忘れてしまいました……」
「キュ、フォウ、キューウ!」
「ドクターは気にするなって言ってるのか?」
「フォウ!」
「そうですね、フォウさんの事はまた後で、タイミングを見て報告します」
「よし、んじゃ、行きますか!」
ロマニの言っていた霊脈に向けて進む立香達であった。
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