レーヴァティン
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第十六話 あらためてその十
「だから女子トイレだってあってな」
「汚いところは汚いか」
「それで男の目がないとな」
「余計に汚くなるか」
「そうだよ、男以上に汚いし臭いもきつい」
「だから油断したらか」
「男以上にきついんだよ」
智も久志と同じことを言うのだった。
「幻想抱いていたら痛い目見るぜ、しかも女の子同士のいざかいってな」
「きついって聞くな」
「いじめとか男の比じゃないぜ」
それこそというのだ。
「ずっと残酷で陰湿だぜ、先輩後輩だってな」
「そっちの関係もか」
「厳しくてな」
「酷いか」
「ああ、凄いんだよ」
そうだというのだ。
「男社会の体育会以上だよ」
「何かと怖いんだな」
「あまり下手に首を突っ込むとな」
男がだ、言うまでもなく。
「揉めてる両方からボコボコにされたりな」
「するか」
「だから怖いんだよ、本当に男がいないとな」
「何処までもそうなるか」
「男よりもな」
「そうか、その話覚えておくぜ」
「女の怖さをか」
「心からな」
久志は実際に心から言った、表情にそれが出ていた。そうした話をしつつだ、三人は砦を出てだった。
それから普通にだ、森の家の引継ぎをして冒険を再開した。順一はその冒険の再開の時に久志に言った。
「さて、これからですが」
「ああ、三人目のところに行くか」
「そうしますが」
「そいつの居場所は」
「どうもです、今その居場所を術でチェックしましたが」
しかしというのだ。
「場所を移っていました」
「そうなのか」
「ご自身の研究所の一つに入っています」74
そうだというのだ。
「ですからそこにです」
「向かうか」
「はい、ヨハネスブルグという街の研究室にです」
「そっちにか」
「移ってです」
「研究してるんだな」
「その様です」
こう久志そして智に話した。
「ですからこれからです」
「ヨハネスブルグに行くか」
「そうしましょう」
「ヨハネスブルグな」
「私達の世界にも同じ名前の街がありますね」
「宗教の話で有名だな」
新教と旧教の和議だ、だがこの和議は不十分なものであったと言われている。
「じゃあ宗教都市か」
「いえ、大きな大学がある学術都市です」
そうした街だというのだ。
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