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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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627部分:第四十八話 厳顔、主を見つけるのことその十三


第四十八話 厳顔、主を見つけるのことその十三

「全くな」
「それがああしてですか」
「劉備さんの傍にいるのは」
「あの人も」
「これは面白いのう」
 厳顔は楽しげに微笑んだ。
「ではわしもじゃ」
「厳顔さんもっていうと」
「まさか」
「ご一緒に」
「うむ、行かせてもらう」
 こう言うのであった。
「劉備殿と共にな」
「じゃあまたお一人ですね」
 月もまた微笑んで言う。
「私達と一緒に」66
「そういうことになるのう。さて」
「さて?」
「では飲むか」
 厳顔は三人の前にあるものを出してきた。それは。
「お酒?」
「お酒ですか」
「そうじゃ。飲むか?」
 巨大な徳利を三人の前に出してきたのである。
「益州の酒じゃ」
「益州のお酒というと」
 ミナがそれを聞いて言った。
「あれね。お米のお酒ね」
「左様、美味いぞ」 
 厳顔はにこりと笑って話す。
「しかも強い」
「そんなに強いのね」
「そのお酒って」
「そうじゃ。それでどうするのじゃ?」
 厳顔はまた三人に問うた。
「飲むか?どうする?」
「ええ、それじゃあ」
「喜んで」
 三人も笑顔で頷く。そうしてだった。
 彼女達はその酒を飲む。そこに劉備達も来る。
「あっ、お酒」
「何か美味そうだな」
「うむ、美味ぞ」
 厳顔はその劉備達に対しても話す。
「では皆でな」
「あっ、有り難うございます」
「それでは」
 こうしてだった。彼女達も飲むのだった。そうしてであった。
 厳顔はその一行の中に加わった。それでであった。
「太守様またね」
「縁があったら来てね」
「また会おうね」
「うむ、皆も達者でな」
 厳顔は郡を去る時に領民達に手を振って挨拶をするのだった。
「ではまたな」
「元気でね」
「じゃあね」
 こうしてだった。彼等とも別れる。そしてだった。
 劉備達の中に入る、するとだった。厳顔がここで魏延に声をかけられたのだった。
「あの、桔梗様もですか」
「そうじゃ。まあさしあたっては」
「さしあたっては」
「御主を見ねばのう」
 その魏延を楽しげに見ての言葉だった。
「全く。油断も隙もないからのう」
「あの、私がですか」
「誰でもわかるぞ」
 こう言うのであった。
「劉備殿じゃな」
「そ、それは」
「気持ちはわかるがもう少し目立たないようにせよ」
 そっと囁くのだった。
 
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