オズのジュリア=ジャム
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第三幕その十一
「紛れもなく」
「そうよね」
「それが何か」
「貴方達の世界でもそうね」
「そうですが」
「他の国ではないわね」
何故かこのことが妙に気になったジュリアでした。
「忍者の起源がどうとか」
「日本起源ですよ」
「そうね、何か変な感じもしたから」
「変な感じ?」
「ええ、そんな気もしたわ」
「そうですか」
「まあ気のせいね」
ジュリアはこのことについてはこう考えることにしました、そのうえで。
忍者についてのお話を終えてでした、そうしてまた歩きはじめました。マンチキンの国での旅は普通に穏やかに進んでいましたが。
お昼になってです、皆で御飯を食べますが。
この時のメニューのハヤシライスを食べつつです、ジュリアは言いました。
「カレーと比べて食べる機会がないけれど」
「それでもですね」
「美味しいですよね」
「このハヤシライスにしても」
「お肉も玉葱も沢山入っていて」
「ソースの味もよくて」
「そう、普通にね」
そうだというのです。
「美味しいわ、だからこうして食べていても」
「満足出来ますね」
「カレーと同じ位」
「こちらはこちらで」
「満足出来ますね」
「そうですよね」
「ええ、じゃあこれを食べて」
そしてというのでした。
「また出発よ」
「ううん、何杯でも食べられるね」
モジャボロは実際にハヤシライスをおかわりしています、スプーンがどんどん動いていてそれがリズミカルでもあります。
「ハヤシライスも」
「これがカレーに比べて人気がないことはね」
「少し不思議だね」
「こんな美味しいのに」
「カレーが強過ぎるのかな」
モジャボロはこう考えました。
「やっぱり」
「そうなるのかしら」
「実際にカレーは強いね」
「何ていうか」
ジュリアも王宮でそのカレーをよく食べるので言います。
「もうね」
「別格位にだね」
「存在感があるわね」
「味にしても」
「そう、強くて」
「だからハヤシライスはね」
「こんなに美味しいのに」
カレーと比べるとです。
「存在感が出せないのね」
「そうだと思うよ」
「何ていうか」
「相手が強過ぎるんだよ」
ハヤシライスの悲しいところはです。
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