恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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588部分:第四十六話 馬岱、乳を羨むのことその二
第四十六話 馬岱、乳を羨むのことその二
「それはかなり」
「危ないです」
「いや、しかしだ」
魏延はかなり焦りながらだ。二人の軍師に対して言い返す。
「私はただ劉備殿のことを考えてだ」
「それにしては顔が赤いですし」
「あの、ただ」
「ただ。何だ?」
「ブラウスだけでなく羽織ってるのを脱げばいいんじゃないですか?」
「それでいいと思います」
上着を全て脱がそうとする魏延にだ。こう指摘するのだった。
「それで済むと思います」
「魏延さん若しかしてスカートまで狙ってません?」
見ればだった。魏延は劉備のスカートまで狙っていた。それもだった。鳳統はそれも見ていた。かなり怪しい光景であった。
「幾ら暑くても」
「そこまでは」
「だから違う」
まだこう言う魏延だった。
「私はただ。劉備殿の為にだ」
「そうですか?」
「だといいのですけれど」
二人も怪しむがさらにだった。張飛も魏延をかなり疑う目で見て呟いた。
「怪しいことこの上ないのだ」
「私もそう思うな」
そしてそれは関羽もだった。
「魏延、姉者に対してだ」
「普通の感情を持っていないのだ」
「面白いことだ」
趙雲は楽しそうに笑っている。
「もっとも劉備殿は気付いておられぬがな」
「あたしでも気付くけれどな」
馬超も今は腕を組んで考える顔になっている。槍を抱いてだ。
「劉備殿だけ何でなんだ?」
「そこがまた面白いわね」
黄忠は趙雲と同じ顔になっている。
「さて、どうなるかしらね」
「ううん、まあ魏延さんって最後までは突っ込めない人みたいですし」
「とりあえずは見ているだけでいいでしょうか」
軍師二人は的確に見抜いていた。
「それじゃあ今は」
「とりあえずは巴蜀に入りましょう」
一行はこんな話をしながらその巴蜀に向かう。そしてであった。
そこに入るとだ。すぐにであった。
「何かここは」
「そうね」
「活気のある街ですね」
神楽の言葉にミナと月が応える。
「結構人が多いし」
「色々なものもありますね」
「政治が上手くいってるのね」
神楽はこのことを察して述べた。
「だからここまで」
「益州は元々豊かな国です」
鳳統がこのことを話す。見れば一行が今通っている村は左右に水田が広がりそこで人々が明るい顔で働いている。その数も多いのである。
「それに人も多いんです」
「そうだったの」
「はい、ただ今この州にはです」
鳳統は劉備に応えながら話していく。
「牧がいません」
「誰もいないの」
「太守の方も少ないですし」
この問題もあるのだった。
「今治める方が求められています」
「そうなの」
「はい、そうです」
また劉備に話す鳳統だった。
「牧がいればいいんですけれど」
「袁術殿が妥当だがな」
ここで関羽が言った。
「この益州に近いしな」
「しかし袁術殿は自分の州で手が一杯ですから」
「とてもここまでは」
鳳統と孔明がこう話す。
「益州の牧になるとです」
「人が見当たりません」
「厄介な話なのだ」
張飛が困ったような顔で話す。
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