転生とらぶる
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ペルソナ3
1776話
荒垣から連絡が来たのは、丁度俺がお好み焼きを20枚食べたら賞金1万円という店から出てすぐだった。
……ちなみに、俺の所持金はこの店に入る前と比べて2万円増えている。
それが何を意味しているのか……ようは、1度お好み焼き20枚を食べきってから、すぐにまた同じチャレンジに挑んだ訳だ。
店長や店員も、まさか20枚を食い終わったばかりの俺が、もう20枚食える訳がないと思ったのだろう。
一度食べきられたリベンジ! と俺の挑戦を受け付けたが……まぁ、その結果がどうなったのかは所持金が2万円増えている事から容易に想像出来る筈だ。
「荒垣か、俺の住居の件はどうなった?」
『住居ってな……最初は宿って話だっただろ?』
「そのつもりだったけど、荒垣ならマンションとかアパートとか、そういうのをどうにか出来ると思ってな。出来れば月契約のマンションだとありがたいんだが」
『……マンションとは言わねえが、アパートなら見つけてやったよ。ただし、かなり古いぞ。築30年以上だ。それでも構わねえか?』
「ああ、それは別にいい。どこか1人でゆっくりと出来る場所があれば、それで俺は満足だからな」
住所があるのとないのとでは、色々と自由度も違ってくる。
……相変わらず、身分証がないというのは、色々と痛いが。
『ふん、なら早速契約を結ぶから、今から巌戸台駅前に来い』
そうして約束を取り付けると、携帯を切る。
……さて、どうするかね。
今俺がいるのは、ポロニアンモールだ。
巌戸台駅までは電車でも、影のゲートでもどっちでも行ける。
幸い2万円の臨時収入もあったし、金銭的に特に不都合はない。
……そんな訳で、影のゲートではなく電車で向かう事にする。
俺がポロニアンモールにいるのを、荒垣が知っているかどうかは分からない。
分からないが、もし知っていれば影のゲートを使った転移だと、移動速度で色々と向こうに怪しまれる可能性がある。
荒垣って、何気に鋭そうだしな。
出来ればそれは遠慮したいので、俺は普通に電車に乗って巌戸台駅まで向かうのだった。
「おう、来たか」
巌戸台駅の入り口に、荒垣の姿があった。
巌戸台駅に来いって言ってたんだから、そこまで不思議な事じゃないんだろうが……やっぱり電車で来て良かったな。
「待たせたか?」
「ああ」
「……普通、そういう時は今来たところだって言うんじゃないか?」
「お前、俺とそんなやり取りをして楽しいか? そんなのは、どこかの女とやってろ。それより、行くぞ」
不機嫌そうにそう言うと、そのまま俺に背を向けて歩き出す。
冗談が分からない奴だというのは大体予想していたけど、予想以上に堅物だな。
荒垣の後を追い、隣に並ぶ。
「それで、どんな場所なんだ? ここに呼び出したって事は、巌戸台にあるのか?」
「ああ。けど、電話でも言ったが築30年以上の建物だからな。かなり古い」
「分かってる。それは別にいいさ。取りあえず眠れるような場所なら問題はない」
「そうか。なら安心だな。……あそこの店だ」
そう告げた荒垣が視線を向けたのは、路地裏の方にあるかなり小さい建物。
……それこそ、築30年ってのはアパートじゃなくてあの建物じゃないかと思うくらいの場所だ。
「なぁ、一応聞いておくけど、あの建物がお前の言ってたアパートじゃないよな?」
「違う。あの建物の住人がアパートの大家なんだ。言っておくが、くれぐれも妙な真似はするなよ。俺達の中でも世話になってる人は結構多いんだからな」
俺達、ね。
だとすると、恐らくこれから会う奴も元不良でポートアイランド駅の裏側が出身地とか、そんな感じになってそうだな。
荒垣と共に、その店の扉を開けて中に入る。
「おう、来たか」
店の中に入ってきた俺と荒垣を迎えたのは、そんな声。
そこにいたのは、やはりというか俺の予想通りというか、40代程の強面の男だった。
強面という意味では荒垣も相当なものだが、店の中にいたのは、それこそヤクザ? と言いたくなるような男。
何しろ、顔には幾つもの傷跡がある。しかも、明らかに刃物によって出来た傷だと認識出来るような、そんな傷だ。
恐らく何も知らない子供がこの男を見れば、泣き出してしまうんじゃないだろうか。
体格も荒垣より上なのは、こうして座っているのを見れば分かる。
「おう、荒垣。そいつがアクセル・アルマーか?」
「はい。……アルマー、こちらがお前が入るアパートのオーナー、伊達さんだ」
「よろしく頼む」
「はっ、俺を見てその態度を取れるってのは、中々腹が据わってるな。気に入った」
がっはっは、という表現が似合うような豪快な笑い声を発する男……伊達だが、俺にしてみれば顔が多少怖い程度でどうした? というのが正直なところだ。
今まで俺が戦ってきた相手は、それこそ顔が怖い相手も多くいる。
……先代の修羅王なんか、伊達とは比べものにならないだけの迫力だったし。
「気に入ったが、だからって贔屓をする訳にはいかねえ。家賃を滞納したら、すぐに叩き出すからな。それでもよければ、部屋を貸してやる。……どうする?」
「そうだな、なら、取りあえずこれは前金だ。これで足りなくなったら、また言ってくれ」
そう告げ、ポケットから出したように見せかけつつ、空間倉庫からルビーを取り出す。
そこまで大きくはないが、それでも決して安物という訳ではない。
少なくても数十万はするだろう代物。
出すところに出せば、それより金額が上になってもおかしくはないだろう。
だが、見た感じこの男は裏社会に繋がりがありそうに見える。
この男なら、それこそこのルビーを売り払うだけの伝に困るといった事はない筈だった。
「おいおい、何だよこれ。お前、こんな物をどこから持ってきた? 一応聞くが、盗品とかじゃないだろうな?」
「ああ、その心配はない。この宝石の出所が疑われても、盗まれたとかそういう騒ぎになったりはしないのは間違いない」
正確にはこの宝石も盗まれた物であるのは間違いないが、他の世界で盗まれた宝石の被害届がこの世界で出されている筈がない。
ましてや、この宝石の元々の持ち主はいわゆる反社会的な勢力であり、その辺りを公に出来る訳でもないのだから。
その辺りの事情は言えないが、それでも向こうは俺の自信満々の態度に何かを感じ取ったのだろう。やがてルビーを受けるとう。
「ま、いいだろ。取りあえずこの宝石が幾らになるのかは、実際に換金してみねえと分からねえ。……アクセルだったか? お前の自信満々の態度からそれはないと思うが、もしかしたら偽物だったりするかもしれねえからな」
「まぁ、その辺を疑うのは当然だろうな。勿論本物だが、疑うなら好きなように調べてみてくれ。……それで、アパートは?」
一応もしかしたら偽物かもしれないという思いは向こうにもあったのだろうが、俺があっさりと鑑定をしても構わないと言った事で、少しだけ驚きを露わにしていた。
いやまぁ、普通に考えればその辺は当然かもしれないが。
「ったく、こんな宝石をあっさり渡してくるような金があるんなら、それこそポロニアンモールにあるマンションでだって部屋を借りる事は出来るだろうに」
「そうだな。財力的な問題ってだけならそうかもしれない。けど、荒垣から話が通ってるかどうかは分からないが、俺は身分証の類がないんだよ」
「……ああ、聞いてるよ。最初はてっきり不法滞在の外国人かと思ったんだがな」
そう告げる男の言葉に、なるほどと納得する。
身分証を持っておらず、喧嘩の類には強い。そして出所の知れない宝石を持っている。
こうも怪しい条件が揃えば、俺を不法滞在の外国人だと思ってもおかしくはないだろう。
特に、俺の名前はアクセル・アルマーで、見た目もとても日本人とは言えない。
……もっとも、街中を色々と歩いてみたところ、とても日本人に見えない日本人といった連中もそれなりに多かったのだが。
日本人でも茶色の髪の持ち主とかはいるが、染めているんじゃないかってくらいに思えるような相手が結構いる。
そう考えれば、やっぱりここは何らかの原作の世界なのは間違いないのだろう。
「似たようなものだけどな」
不法滞在の外国人。
俺が外国人なのは間違いないし、同時にパスポートの類を持っている訳ではないのだから、不法にこの国にいるのも間違いのない事実だ。
「ま、どうでもいい。俺はきちんと家賃を貰えれば、それでいいしな。……このルビーを売った分の金で家賃を支払って、足りなくなったらまた連絡するって事でいいか?」
「ああ、それで構わない」
書類に携帯の番号を書いて、簡単な手続きは終わる。
「真次郎、お前が案内してやれ。ほら」
男が鍵を荒垣に投げると、それを受け取った荒垣は不満そうな表情を浮かべる。
「俺が?」
「ああ。お前のダチなんだろ? なら、俺が案内するよりお前が案内した方がいい。それに……俺はこの後、人と会う約束があるからな」
「ったく、分かったよ」
不承不承ながら荒垣が頷き、俺達は半ば追い出されるように店を出る。
「ほら、こっちだ。……この辺りは、あまりうろつきたくねえんだけどよ」
「悪いな」
「ふんっ、アルマーを紹介したのは俺なんだ。このくらいは、しょうがねえさ」
何だかんだと言いつつ、やっぱり荒垣は面倒見がいいよな。
……まぁ、これで『お前の為にやったんじゃないんだからなっ!』とか、ツンデレになったらちょっとどうかと思うが。
男のツンデレなんて、誰得だよって話だし。
そういう意味で言えば、ゆかりはツンデレっぽい感じがしないでもないんだよな。
ともあれ、俺は荒垣に案内されるままに移動する。
巌戸台駅から歩くこと、20分くらい。
到着したそこは、築30年以上と言われれば納得出来るだけの古い建物だった。
駅前までも歩いて20分と、それなりに遠いし、建物自体も古いだけじゃなくてそこまで大きくない。
そう考えれば、やっぱりこういうアパートに住むのは訳ありなんだろうな。
シャドウミラーの面々が、俺がこういうアパートに住むと知ったら、何て言うのやら。
ちょっと気にならないでもない。
ただ、レモン達と同棲するには、間違いなく狭いだろうが。
そもそも、寝室ですら巨大なベッドが必要になるのを考えると、このアパート全てを俺の部屋という事にでもしない限りは……ああ、いや。いっそ部屋にゲートシステムを備え付けて純粋に玄関代わりと考えれば……
「ま、どのみち今言ってもしょうがないけどな」
「うん? どうした?」
思わず声に出てしまった言葉に、荒垣が反応する。
「いや、何でもない。ただ、ちょっと予想以上に凄い建物だったから、驚いただけだよ」
「あー……まあな。それよりほら、行くぞ」
そう言った荒垣が俺を連れて向かったのは、アパートの1階の中間くらいにある部屋だった。
築30年以上でも一応鍵はあるらしく、荒垣がさっき受け取った鍵で扉を開ける。
「ほら入れ。……何だか、色々と凄い場所だな」
荒垣と共に部屋の中に入ると、俺もその言葉に頷く。
幸いにも……と言うべきか、前にこの部屋に住んでいた人物はこの部屋を引き払った時に中にあった荷物を全て持っていったのだろう。
もしくは、ここの管理人……さっきの人物が片付けるように手配をしたのか。
その理由はどうあれ、部屋の中に家具の1つもないというのは正直どうよ? と思わないでもない。
部屋は4畳くらいに部屋で、水道と小さいシンク、それとガスコンロが1つだけの台所。一応押し入れもあるな。
……一言で言えば、狭い。
いやまぁ、外見から想像はしてたけどな。
そもそも、俺が必要としていたのは夜に安心して時間を潰せる場所だから、こういう部屋でも特に問題はない。
いつまでこの世界にいる事になるのかは分からないが、それを考えると将来的にはもっと広い部屋に引っ越した方がいいのかも知れないが……少なくても今は、このアパートの部屋であっても十分だろう。
「家具とか買わないとな」
「……あっさりとそう言えるお前が凄いと思うよ」
何故か荒垣が俺の言葉を聞くと、感心したように視線を向けてくる。
「そうか?」
「ああ。……まぁ、いい。それでこれがここの住所だ」
いつの間に用意してあったのか、荒垣はこのアパートのある住所が書かれている紙を渡してくる。
「このアパート、富士コーポって言うのか。……別に富士山がある訳じゃないのに、何で富士?」
「さてな。俺に聞かれても知らねえよ。とにかく、用件はこれで済んだだろ。俺はそろそろ行くぞ」
「ああ、分かった。悪いな手間を掛けさせて」
「ふん、気にするな」
そう言うと、荒垣はそのまま部屋を出ていく。
本当に根っからの世話好きだよな。
そんな風に考えつつ、俺はとにかく色々と生活の為に必要な家具やら電化製品やら、何を買うのかに頭を悩ませるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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