世界をめぐる、銀白の翼
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第五章 Over World
影少女
「わ、ワルプルギスの夜・・・・・?」
「そう。最強の魔女。一説には絶望という怨念の塊という話もある」
「魔女?」
ショウは説明するが、フェイトたちはいまいち要点を掴めない。
というか、知ったところでこの状況を打破できる情報でないのだが・・・・・・
「魔女というのは呪いを振りまく存在だ。普通の魔女なら、結界に身を隠し、人間を迷いこませ、喰らう」
「そ、そんな存在が・・・・・」
「ま、普通のならな。あのワルプルギスの夜には、結界で身を隠す必要がない」
「え・・・・・」
「存在するだけで破壊を振りまく。その強さゆえに、結界張って隠れる必要なんかないんだ。結界を張って移動し、気まぐれのように出現してはこうしてスーパーセル級の災害を引き起こす」
「どうしてそんなものが今まで誰にも・・・・」
「世界が結合しか為にきたからな、こいつ。元の世界では、大災害と呼ばれるモノの大半はこいつの仕業だと言われている」
そう言いきって、ショウが頭上のそれを見上げる。
(そう、魔女は一般人には見えない・・・・が、それは"No name"の中で、"フォルス"に目覚めた魔法少女たちは例外だ。この世界は各属性が100%ずつとかいうおかしな構成になっちまってるからな・・・見えるのはその為か?それとも、魔力適性のある者しか見えないのか・・・・)
「ま、それはどうでもいいか・・・ったく、なんでこんな世界に・・・・・俺のせいか」
思考し、愚痴を垂れ、そして大本の原因が自分だと自覚して少し落ち込むショウ。
だが、今はそれどころではない。
「きゃあああああああああああああ!!!」
「な、なにこれウブッ!?」
「こ、来ないで・・・来ないで・・・・アァッ!!!」
周囲の選手たちが、影少女たちに憑りつかれていっている。
憑りつかれた少女は意識こそはっきりしているものの、身体の自由がきかない。
身体の一部に黒い綿毛のようなものが引っ付いており、それが憑りつかれた証としてはっきりと分かった。
そうはさせないと、翼刀や唯子が周囲の影少女を斬り裂いていくが、数が多すぎてカバーできない。
しかも、憑りつかれた少女たちが攻撃してくるので
「舜さん!!おっつかないです、手を貸してください!!!」
「よくもみんなを・・・せヤァッ!!ッ!!こっち・・・来ないの!!」
憑りつかれた少女たちを倒し、翼刀のヴァルクヴェインが癒しの力で憑りついた影少女を滅していくが、そうして助けた少女に影少女が憑りつこうとし、さらには憑りつかれた少女も翼刀たちに襲い掛かってくる。
結局、救い出してもまた憑りつかれてしまい、いたちごっこ状態だ。
だから翼刀は蒔風に声をかけた。
しかし、彼は動かなかった。
否、動けなかった。
リング上で一体の影少女とにらみ合って、拳を握りしめてその場から動くことが出来なくなっている。
「今それどころじゃねぇんだよ・・・・・」
蒔風の額に汗が流れる。
今動けば、確実に周囲への被害が甚大なものになる。
恐らくそれは、憑りつかれた少女たちを巻き添えにするだろう。
「グッ・・・に、逃げてください・・・・翼刀さん!!」
「唯子さんも!!このままだと私たち・・・・!!」
状況を理解し、だからと言ってどうすることもできない翼刀たちに、ヴィヴィオやアインハルトたちが叫びかける。
見ると彼女たちも憑りつかれており、必死に抵抗しているのだろうが無慈悲にも身体は勝手に動いてしまう。
それを肩越しに感じ取り、蒔風が短くこぼす。
「少し持ちこたえてろ・・・・すぐにこいつぶっちめてそっち行くから・・・・翼刀ォ!!それまで任せたぞ!!」
「りょ、了解!!」
蒔風が叫ぶ。
と、同時に影少女がユラリと動き、瞬時に蒔風が斬りかかって行った。
直後
ドゴォウァッッ!!
リングが置いてあるコロシアムの外周で、何かが衝突して爆発した。
その土煙の中には、蒔風と影少女。
影少女の腕が蒔風の首を掴んでおり、そのまま外壁に叩きつけたのだ。
二人がいたのは、中央リング。
そこから一瞬にしてここまで移動し、蒔風が叩きつけられた、ということだ。
「ガッ・・は・・・・」
「――――」
叩きつけられ、呻く蒔風。
だが憎たらしそうな顔をして、直後にその腕を掴み取った。
「なめんじゃ・・・」
グォッ!!
「ねェよ!!!」
バガドゴゥッッ!!
首から強引に腕を外し、そのまま左右の外壁に叩きつけてから放り投げる蒔風。
そしてそれを追って飛び出し、剣を振るって攻撃していく。
が、影少女はそれを腕で受け止め、回転してからの裏拳で蒔風を弾き飛ばした。
ドォン!!という轟音とともに落下した蒔風が、瓦礫の中から立ち上がろうとするときにはすでに少女は目の前まで飛来しており、腕から煙を発していた。
その煙は鞭のようにしなり、ビュンビュンと蒔風に向かって振るわれてくる。
それを回避する蒔風だが、さっきまで自分のいた場所が一瞬で削り取られるところを見てゾッとした。
だが、目の前に再び鞭が飛来し、それを獅子と麒麟を振るって受けていく蒔風。
左右から迫る鞭を弾くように打ち付けていくのは、鞭が剣に絡まないようにするためだ。
受けながら蒔風は前進し、少女の元へと寄って行く。
このままいけば、少女を一刀のもとに切り伏せることも可能だろう。
だが、相手の攻撃法はそれだけではない。
「パパ逃げてッッ!!」
「!?」
背後からのヴィヴィオの声。
振り返ると、そこには襲い掛かるヴィヴィオ本人とアインハルトがいた。
その光景に一瞬腕が止まり、二人の拳を受けてしまい、更に背中を鞭で打ちつけられ、地面を転がる。
バチィ!!と蒔風の背中ら火花が散り、ガードのために展開した翼から羽根が少し散った。
ヴィヴィオとアインハルトは少女の左右に立ち、まるで親衛隊の様に、蒔風へと構えを向けていた。
「パパァ!!」
「パパ言うな・・・・」
「お父さん!!」
「お父さんでもねぇ・・・・俺のことは・・・オニーサンと呼べ!!」
バサァ!!と翼を翻しながら、蒔風が怒りの表情で立ち上がる。
その対象は、言うまでもなく少女に向けてだ。
「テメェ・・・・よくもこんな攻撃してくれたなぁ、おい!!!」
その表情を見て、ヴィヴィオもアインハルトも凍りついた。
自分たちに対してでないというのに、恐ろしいほどの殺気を感じ取った。
戦場に立つ戦士と、競技の範疇で戦う自分たちとの違いを見せつけられているかのよう。
「ヴィヴィオ、アインハルト。それにほかの子たちも」
しかし、一変して蒔風の声は穏やかになった。
そしてニコリと笑って、微笑みかける。
「少しだけ我慢してな。オニーサンがすぐに助け出してやるからよォ!!!」
そして、一気に顔を変えた。
親しみある顔から、一気に冷徹な戦士へと。
ギャォッ!!という凄まじい摩擦音がして、蒔風の姿がその場から消えた。
直後、少女の背後に回り込んだ蒔風がトンファー型の「天」で少女の首を切り落とそうと腕を回した。
だが、少女はそれを瞬時に察知し伏せ、ヴィヴィオとアインハルトの後ろ蹴りを蒔風に見舞わせた。
それを蒔風は畳返しで受け止め、さらにその畳返しは少女を上空へと打ち上げる。
それを追って蒔風が「風」「火」を投げ放ち、自身も後を追って飛んだ。
少女が剣を弾き飛ばし、その二本を蒔風がキャッチして両肩を貫く。
瞬間、まるで悲鳴のように甲高い声が響き渡り、蒔風の頭を振動で揺らした。
「グッ・・・う!?」
凄まじい嘔吐感に襲われながらも、蒔風が剣を捻って下に剣を振り切り、少女の脇がバックリと引き裂かれる。
そして少女を蹴り落とし、そこに向かって剣を突き出して落下して行く蒔風。
だが、少女は片腕を引きちぎって蒔風に投げつけ、それが蒔風の腹に命中した。
ボクゥ!!という重い音がして、蒔風が地面に落下。
腕は少女の元へと戻って行き、ガキボキと音を鳴らして元のようにつながっていた。
「ち・・・・なんだあれ・・・・」
「舜さん!!」
「!?」
少女を睨み文句を言う蒔風に、翼刀からの声が飛ぶ。
見上げると、そこでは凄まじい暴風にスタジアムの看板が倒れ、それが蒔風に向かって落下してきていた。
蒔風は今だ衝撃で動けない。
影が濃くなり、蒔風に向かって落ちるそれは・・・・!!
「キュロロロロロロロロロロロロロロロ!!!」
ショウの召喚した迦楼羅によって、つかまれて投げ捨てられていた。
「ショウ!!」
「手が足りん!!そっちも出せ!!」
「こっちはそれどころじゃない!!」
「じゃあ貸してやるから!!」
客席の方は避難が済んでいるものの、憑りつかれた選手が登ってきて彼らに襲い掛かっているのだ。
そんな中、ショウが迦楼羅にケルベロス、サラマンダーを召喚して事に当たり、蒔風がさらに青龍や獅子たち人型で顕現させる。
「事態の収拾!!」
『了解!!』
短く命令し、それを実行していく彼ら。
蒔風もそれと同時に影少女へと駆け出した。
握る剣は「天地陰陽・風斬車」
そしてショウが残った五本の魔導八天を蹴り飛ばし、それを組み上げ、もう片手に握りしめた。
「キャァァーーーーー――――――!!!」
「グッ!?っか、またかよ!!」
迫る蒔風。
その蒔風を迎撃するように、少女の口から再び高周波が発せられて蒔風に襲い掛かった。
周囲の空気が振動し、鼓膜を叩きて脳を揺らす。
だが、蒔風は魔導八天の面でガードしながら駆け抜け、風斬車で殴りつけて腕を斬り消し飛ばし、魔導八天での一撃で客席のど真ん中に叩きつけた。
ガラガラと崩れる客席の中では、ボロボロになった影少女が、立ち上がろうとしている。
だが、脚が砕かれているためかそうすぐには立ち上がれないようだ。
しかし、蒔風はそれを確認しには行かなかった。
手ごたえからわかっていたし、それよりもやるべきことがある。
「十五天帝!!「林火」!!!」
蒔風が魔導八天を地面に突き刺して置き、二本の刀を組み合わせて一本にする。
そして「林」の力を高め、それを「火」の斬撃を以って周囲に薙ぐ!!
「ゼェヤッッ!!!」
一回転して薙いだ刀からは、銀白の斬撃が飛び出していって、少女たちの身体をすり抜けて行った。
すると身体に取り付いた黒い塊は消滅し、次々にその場へ倒れ込んでいった。
だが、雑兵のように湧いてくる影少女はその少女たちに再び憑りつこうとじりじりと寄って行っていた。
「今だ!!!」
しかし、翼刀が上空へと跳躍し、そこからヴァルクヴェインを振り降ろした。
凄まじい数の刃幕が、猛烈な勢いで飛来して行き、それら影少女を一体残らず貫き消していった。
「残る敵は!?」
「いない!!」
「なのはたちはあの子たちつれて早く!!ここは危険だ。早々に離脱だ!!」
当面の脅威を消し去り、蒔風やショウがその場から撤退しようと少女たちをまとめて抱え、スタジアムから出て行こうとする。
翼刀や唯子、なのはたちもそのあとを追って走り出した。
しかし
ドロゥ!!
「え、なんで!?・・・っ、翼刀!!!」
地面から湧くように煙が吹き出し、唯子を囲むように六人の影少女が出現した。
唯子は咄嗟に抱えた少女を翼刀へと投げ、そしてそのせいで影少女の煙に捉われてしまった。
「ッ!?メディテーショ・・・・」
ドプン
「唯子ォ!!テメェらぁ!!!」
その光景に翼刀が激昂し、ヴァルクヴェインを振るって影少女に向かって切り掛かって行った。
影少女から伸びる煙は唯子を飲みこみ、さらに影少女自体も煙へと変わって行ってしまっていた。
そして唯子を包んだ黒い球体は、その場から飛び立とうとしている。
ヴァルクヴェインの刃がぶつかり、バギィ!!という金属音が鳴るも、その球体は破れるどころか揺れもしなかった。
「な・・・・・(バキィ!!)グァッ!?」
驚愕する翼刀。
その眼前に、先ほど蒔風が吹っ飛ばしていた影少女が、身体を修復して戻ってきていた。
少女は翼刀を殴り飛ばし、地面に叩きつけて着地する。
そう、それはまるで黒い球体を護るかのような行動。
そして、翼刀たちを進ませまいとする意志が感じられた。
「クソ、唯子を取り込んだ!?」
「なのは、フェイト!!この子たち頼む!!なんで誘拐なんだよ、さっきまでと違うだろ!!」
それを見て蒔風とショウが悪態をつきながらまとめて抱えていた少女たちをなのはらに預け、宙をいく球体に向かって飛び出していった。
当然二人を止めるため、飛び出そうとする影少女。
だが、その行く先を翼刀の刃幕が邪魔をする。
翼刀もそのまま先に行こうとするが、影少女が邪魔で先に行かせられない。
「邪魔だ!!あいつは・・・あいつはオレが救う!!あの人たちばっかにやらせてたまるか!!」
「キキキキキキッッ!!」
「笑ってんじゃねぇ!!!」
ドゴゥ!!
なおも怒る翼刀を笑う影少女。
その影少女を叩き落として、着地した翼刀が向かおうと再び跳躍しようとする。
だが
「な・・・・」
目の前の光景は、それを一瞬止めさせた。
飛び出していった蒔風とショウの眼前に、黒い穴が開いたのだ。
唯子を取り込んだ球体もその中に入って行き、当然二人も後を追っていく。
そして、穴が一瞬で閉じた。
「そんな・・・・」
「舜君!!!」
穴が閉じ、追って行けないことに翼刀が膝を付き、なのはが蒔風の名前を叫ぶ。
と、その翼刀の背後でキャハハハ、と笑って立ち上がる影少女。
「だから・・・テメェは・・・・」
「キキッッ!!」
「笑ってんじゃ・・・ね・・・え・・・?」
その癪に障る笑い声に、翼刀が剣を振りあげて振り返った。
そのまま振り下ろして、そいつを真っ二つに切り裂く。
そのつもりだった。
だが、その手が止まる。
自らの前に立つ影少女がぼろぼろと崩れて行き、影が消えていく。
「崩壊してる・・・・」
「なんで・・・・」
そしてその影の中から白い物体が顔を出してきた。
否、この場合は「顔を」というよりは「頭蓋骨を」だが。
そう、出てきたのは骨だった。
完全に白骨化している。
影が晴れ、カラカラと骨が地面に転がって、影少女は消滅した。
「な、なんなんだ一体・・・・」
「「うぉォォォおおおおおアタァああああああ!!!!」」
ドォンッッ!!!
目の前の光景に驚く翼刀たち。
すると、上の方から二人の声と爆発音が聞こえてきた。
飛び出してきた蒔風とショウは全身汗だくで、髪も服装もボロボロだ。
二人が着地し、膝をついて上空を見上げる。
荒い呼吸、上下する肩。
二人の疲弊は、明らかに異常だ。
「なのは!!あれからどうなった!?」
「あ、あれからって・・・・?」
「俺と蒔風があん中に突っ込んでからだ」
蒔風とショウの質問に、なのはが戸惑う。
何があったもなにも、そんなに時間は立ってないはずだ。
だが、二人に対して翼刀が返答した。
「影少女が崩壊して、中から白骨死体が出てきました・・・いったいあれはなんですか!?」
だが、二人は答えない。
むしろ、翼刀の言葉に目を丸くしていた。
「それだけか・・・・?」
「え、ええ」
「それしかないのか・・・・?おい、今何時何分だ!?」
「え?」
「俺たちが消えてからどれだけ経った!?」
「一分もなかったすけど」
「なんてこった・・・・」
「だったら、あの程度で出てこれて幸運だったってことか」
「ああ・・・・流石は舞台装置の魔女。作り出した舞台上は思いのままってか?」
二人が二人だけで会話を進めてしまう。
置いてけぼりのなのはや翼刀だが、はやてはなんとなく察しがついていた。
「どんだけいたん?」
「え?」
「あの中に、二人はどれだけの時間いたんやって聞いとるんや」
その質問に、蒔風とショウが苦々しい顔をする。
そして、蒔風が人差し指を上げた。
「い、一時間?」
「いや、一週間だ」
時間経過すら思いのまま。
先ほどの一分にも満たない時間で、彼らは一週間を過ごしていたのだ。
「あのやろう・・・やってくれたな・・・」
見上げる先には、ワルプルギスの夜。
その姿がうっすらと消え始めている。
「ゆ、唯子は!?唯子はどうだったんです!?」
「すまない。飛び込んだ時にはもう見失った」
「だが、恐らく唯子はメディテーションをしていた。気力でコーティングして、身体を護っているんだろう」
「そんな・・・・」
「すまない」
心底悔しそうに蒔風とショウがその言葉をひねり出す。
だが、ワルプルギスの夜を追おうとも、一週間もの時間をあの中の迷宮で戦っていた二人はもうこれ以上の力はない。
ドサリ、とその場に倒れ込んでしまう蒔風とショウ。
その見上げる先で、ワルプルギスの夜が空へと消えて行った。
「唯子・・・・・」
空の暗雲は、嘘だったかのように割れて行き、そして解けて消えて行っている。
朝に感じていた日差しが、街に降り注ぐ。
「何が起きているんだ・・・・・」
「原典にないことが多すぎる。しかも、オレらがこれだしな・・・・・」
蒔風とショウが、なのはとシグナムに抱えあげられて立ち上がる。
その二人に翼刀が声をかけた。
「ショウさん、舜さん」
「ん」
「アイツの行先、解りますか」
「追うのか?」
「当然です。唯子は・・・・俺が取り戻します」
「そうか・・・・だが俺もあいつがどっちにどう行ったかは知らない」
「だけど、この先どこに出現するかはわかっている」
「そこは・・・・どこですか?」
蒔風たちの言葉に、振り返ることなく聞く翼刀。
蒔風たちは動けない。
恐らく、この先その地に行けるのは数週間後だろう。
だが、それでも翼刀は、一人でも追うという。
ならば、教えないわけにはいかない。
「見滝原」
「その地に再び、ワルプルギスの夜は必ず現れる」
「み、見滝原?」
二人の言葉に、翼刀が振り返る。
その地名は、つい数日前に聞いたばかりだ。
だが、こんな偶然などあるのだろうか?
「あるもんはしょうがないな」
「全く・・・厄介な因果を引き込む世界だよ、ここは。誰のせいだ」
「お前」
さあ、舞台は整った。
役者がそろう。
因果渦巻く、見滝原へと。
to be continued
後書き
ワルプルギスの目標は誘拐でした。
何故唯子なのか、というのはあれですね。
該当する少女が唯子だったからです。
一体何に該当するのか。
ここからはちょっとワルプルギスの夜に独自解釈を織り交ぜていますので、ちょっとわからないかもです。
でも原作の設定は改変させていない(と思う)ので(多分)安心してください(だといいな)
ワルプルギスの夜、というか魔女にも通常兵器は効きます。
ほむらも重火器で戦ってましたし。
魔法コーティングシテタンダヨ!とかじゃなければ。
魔女が見えるかどうかは作中でショウが語ってくれた通りです。
だから翼刀とか火野にも見えます。
よかったね!!
怪我と疲労で、蒔風たちは戦線離脱。
これても多分最終決戦だけですね。
さて、ここからまどマギ篇が始まるわけです!!
お待たせいたしましたよ!!
翼刀
「次回、見滝原、魔法少女とは?」
ではまた次回をお楽しみに
ページ上へ戻る