恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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557部分:第四十四話 怪物達、北にも出るのことその四
第四十四話 怪物達、北にも出るのことその四
不敵な笑みを浮かべて言うのだった。
「おいたは駄目よ」
「そんなことしたらよくないわ」
不敵というよりは不気味な笑みだった。そうしてであった。
彼等は構えを取らない。そのかわりにだった。
それぞれウィンクしてみせた。するとだった。
夜血と灰人のいたそこにも大爆発が起こった。それで吹き飛ばされたのだった。
「な、何っ!?」
「ここでも爆発が!?」
「私達の視線は何よりも凄いのよ」
「まさに百億ボルトの衝撃よ」
彼等だけがこう言うのだった。
「そのあまりもの美しさによってね」
「祝福の花火があがるんだから」
「くっ、こいつ等やっぱり」
「妖術を使うんだな」
二人は何とか立ち上がりながら言う。全身ボロボロである。
そのうえで戦おうとする。しかしなのだった。
怪物達はその彼等を見てだ。まだ言うのであった。
「私達の魅力があまりにも凄くて立つのね」
「もっと見たくて」
「どうしてそう言えるんだ、こいつ等」
「おかしいんじゃないのか?」
これが二人の反論だった。足元がふらふらになっている。
「だがこいつ等を放置したらな」
「ああ、洒落にならないことになるな」
「俺達どころか何もかもがな」
「破壊されちまう」
こう言ってだった。まだ戦おうとする。しかしここで、なのだった、
「ああ、そこにいたのか」
「あっ、ダーリン」
「戻って来たのね」
「また見つかったぞ」
何でもないといった調子で言う華陀だった。
「俺達の仲間がな」
「あら、そうなの」
「またなのね」
「ああ、見つかった」
笑顔で二人に話すのだった。
「そっちに行くか」
「ええ、それじゃあね」
「今からね」
怪物達も彼の言葉に頷く。そうしてだった。
華陀の左右を固める。そして何処かに行こうとする。しかし華陀はだ。
夜血と灰人に気付いた。そうして彼等に声をかけたのだった。
「あれっ、あんた達」
「何だ?」
「何だってんだ、手前は」
「そこの怪物達の仲間だな」
「そうだな」
「怪物?何処にそんなのがいるんだ?」
彼もまたわかっていなかった。
「そんなの何処にもいないぞ」
「こいつ、おかしいのかよ」
「自分達の左右が見えないのかよ」
「やっぱり何もいないぞ」
左右を見回してから答える彼だった。
「怪物なんてな。まあいい」
「いいって何がだ」
「まだか手前も」
「あんた達怪我をしてるな」
彼が言うのはこのことだった。
「特にそこのあんた」
「俺か」
「ああ、あんただ」
灰人に対しての言葉だった。
「あんた今薬を飲んでいるな」
「それが悪いのかよ」
「まずいな。止めた方がいい」
真剣な顔で彼に告げる。
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