恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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555部分:第四十四話 怪物達、北にも出るのことその二
第四十四話 怪物達、北にも出るのことその二
「それに裸の大男が二人」
「その三人だそうです」
「赤い髪の男といえば」
審配はそのことを聞いて察した顔になった。そうして話すのだった。
「あの華陀かしら」
「名医のですか」
「針を使うという」
「あの男ではないかしら」
こう予想を述べる彼女だった。
「赤い髪の若い男よね」
「はい、そうです」
「その通りです」
「それならそうかも知れないわ」
華陀ではと話し続ける。
「けれど。何かしら」
「ではここは」
「どうされますか」
「華陀だったら問題はないわ」
彼ならばというのだ。
「名医よ。誰かの病を癒してくれるから」
「だからですか」
「その者はいいのですね」
「ええ。けれど」
しかしなのだった。審配は怪訝な顔になってだ。それで話すのだった。
「問題はその後だけれど」
「裸の大男達ですか」
「その二人ですね」
「何なの、それは」
審配の怪訝な顔は変わらない。
「裸っていうのは」
「それがです」
「どうも妖術を使うそうで」
「妖術!?」
「はい、絡んだ悪党を忽ちのうちにです」
「その目だけで倒したとか」
そうだというのである。
「そうした恐ろしい術を使うそうです」
「そうした者達だとか」
「その者達が我々の勢力圏に来たので」
「それでどうされますか」
「ここは」
「そうね。ここはね」
考える顔になった。審配は参謀の一人でもあるのだ。それでだ。
「監視役をつけましょう」
「そうしてですか」
「今は」
「ええ、警戒にあたらせて」
こう話すのだった。
「とりあえずはね」
「はい、それでは」
「その様に」
こうしてだった。とりあえずの方針が決まったのだった。
早速二人青州に派遣された。それは夜血と灰人だった。
二人はぼやきながら道を歩いていた。
「何かかったるいな」
「そうだな」
それぞれの剣を手にぼやいている。
「わざわざ青州に行くなんてな」
「これも仕事かよ」
「っていうのが審配さんの話だけれどな」
「引き受けるのもどうなんだ?」
こんな話をしながら歩く二人だった。
「俺も丸くなったぜ」
「俺もだ」
「昔だったら絶対に引き受けない仕事だったな」
「言ってきた奴を斬ってたな」
それがかつての彼等だった。しかし今は違っていた。
仕事を引き受けてだ。そのうえで青州に向かっていたのだ。
そうしてだった。ある街に入るとだった。
大騒ぎになっていた。何か前にいるらしかった。二人はこのことにいぶかしんだ。
「何だ?」
「何があったんだ?」
「前に何かいるのか?」
「何かあるのかよ」
それぞれ首を傾げさせながら言う。そうしてだった。
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