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白き竜の少年 リメイク前

作者:刃牙
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演習

さて、校庭に移動した第6班はリンに向かい合う形で腰を下ろし、彼女から見て左からレツ、カナ、ハルマで座る

「まずは自己紹介をしてもらおうかな?最初は私から」

「私は野原リンです。趣味は貝殻集めかな?少し前まで木の葉病院に勤めてました。それじゃあ、左の子からいいかな?」

「オレは猿飛レツ!趣味は修行で好きな物は焼き肉!嫌いなのは苦いもの。将来の夢は世界に俺の名前を轟かすこと‼︎」

自己紹介しているレツだが、ハルマとカナは知っている為に聞き流している様子を見せていた。班の自己紹介も上忍師であるリンに紹介する為だけにやっているようなものだった

「(目立ちたがり屋な子みたいだね)じゃあ、真ん中の子」

「日向カナです。趣味は読書。将来の夢はハルマ達を支えることです」

「千手ハルマ。趣味は色々。将来の夢は真の平和をつくること」

自身が里の大半の人間からバケモノとして見られて来たからこその夢。虐げられ、人間として扱って貰えない者がいるこの世界は仮初めの平和を得ているに過ぎない。それを無くすことこそが真の平和への一歩なのだとハルマは常々思っていた

「(ふふ。本当に面白そうなチームだね)じゃあ、明日はある任務をやるよ」

「「任務?」」

「サバイバル演習。これに合格すれば正式に下忍になれる。でも、反対に不合格ならアカデミーに逆戻りよ。ルールは明日説明するわ」

ハルマとレツは確かに分身の術なんかで忍になれたらおかしいなと納得していたが、カナは元から分かっていたのか反応する素ぶりを見せなかった

「忍具一式持ってきて。明日8時に第3演習場ね」






翌日の朝8時丁度。第3演習場に全員集まっていた。三人共準備は万端だ。リンが目覚し時計を木の柱に時間をセットして置く

「じゃあ、やりましょうか?ルールは簡単よ。私から11時までに鈴を取ればいいだけ。でも二つしかないから一人は逆戻りよ」

鈴を見せてそう話すリンにレツが手を挙げて質問する

「あのさ。本気でやっていいの?」

「むしろ本気で来れないと奪れないと思うよ」

三人がそれぞれ気配を消しながら隠れる。三人共気配の消し方が完璧とは言えないが、この歳でなら上出来だとリンは評価し始める

「まずは影分身で様子を見るか」

手を十字に交差してチャクラを練り上げる。現れたのはもう一人のハルマだ。リンとの力の差が分からない為、迂闊に手は出せない。更に相手の力も分からない以上、影分身で情報を引き出そうとする考えに辿り着くのは必然と言える。最も命をかけた戦いではそんなことは出来ないと思うが

「じゃあ、頼む」

手裏剣を飛ばし、リンに迫る。しかし、流石は上忍と言うべきか、全てを躱していく。リンと対峙するハルマはクナイを取り出し、左手に持って構える

「最初はハルマ君か。意外だなぁ」

「(上忍と言っても木の葉病院に勤める医療忍者だった人だ。取れる可能性は十分にある)」

ハルマは一気に接近し、クナイを振り上げるが、彼女の手で腕を掴まれ、当たらない。ハルマは右手を振るい、掴まれると同時にバク宙の要領で、リンの頭上に移動し、踵落としを繰り出す。リンはそれを防ぐ為に両手を離し、足を掴む

それでも既に両手は塞がっているが鈴を取れる可能性は低いだろう。そう考え、しかし癪なのか舌打ちをする

「ちっ。まあ、いいや」

リンの後ろから更に二体の分身が迫ると同時にリンが掴んでいたハルマは煙を立てて消え、二体の影分身が同じ印を同じスピードで結んでいく。それに気付いたリンは目を見開き、分身から術が放たれる

「「(火遁・豪華火球の術‼︎)」」

放たれた巨大な炎の球は一つとなり、リンに向かっていく

「やったか?」

術によって生じた煙が晴れるとそこには無傷のリンがいた。決まったと思っただけにハルマは驚きを隠せない

「危ないところだったけど、まだ甘いよ」

しかし、リンの足元の土は水で湿ったようになっており、一つの結論にたどり着くのに時間はかからなかったようだ

「(水・・・・水遁で防いだのか!)」

「 (とりあえずこれ以上は無理そう出し引くか)」

もうこれ以上戦っても手の内を明かしてはくれないだろう。そう結論付け、ハルマは引くことを選ぶ

「ここは一先ず退散」

影分身が消え、そこにはリン一人だけとなる

「(流石アスカさんの息子ってところかな?)」




本体のハルマはさして落胆した様子はない。しかし、次からは難しくなるというのは明らかだ。彼女は影分身であることに気付いていただろう。でなければあんなに手加減はしない筈だ。だが、どうするべきか。次はどうしようかと考えを巡らしていく

「・・・・無理だったか。手加減してくれてるからいけると思ったんだけどな」

すると後ろから返答が来る

「まあ、先生もこっからはあまり手加減してくれなさそうだけどね」

後ろを向くまでもなく、誰がいるのかは分かっている

「カナ、レツ。お前らは取りに行かないのか?」

「取りに行くぜ。だけどここで提案があんだよ」

レツの言葉にハルマが後ろを向く

「提案?」

「私達三人で鈴を取りに行かない?」
 
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