恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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530部分:第四十二話 于禁、事実を知るのことその六
第四十二話 于禁、事実を知るのことその六
「悪い人とは聞かないわ」
「かなりいい方だぞ」
「何か揚州に無茶苦茶な化け物が出たって聞いたんや」
「それも二匹も」
二人はあの怪物二匹の噂を聞いていたのだ。
「そんなのおるとこはな」
「ちょっと怖いの」
「何でもほぼ裸で筋肉モリモリの肉体を持つ怪しい大男達だとか」
楽進の言葉はまさにその通りだった。
「空を飛び素手で何もかもを粉砕するとか」
「それは完全に人間じゃないですね」
孔明も言い切る。
「また他の世界からの人達でしょうか」
「そんな奴等知らんっちゃよ」
ホンフゥが言う。
「確かに色々いる世界っちゃ。それでも」
「いませんか?」
「何処の世界に空飛ぶ人間がいるっちゃ」
ホンフゥはそもそもの大前提から放す。
「化け物っちゃよ、それは」
「そうとしか思えないぞ」
マルコも言う。
「そんな奴がいると聞いてな。それでだ」
「揚州には行かなかった」
柳生も言った。
「止めたのだ」
「何か世の中変な人が一杯いますね」
鳳統も今はこう言うしかなかった。
「本当に」
「それでなのです」
「孫策さんのとこも行かんことにしてや」
「曹操さんのところにしたの」
そうしたことからだったのだ。
「今から許昌に向かうところでしたが」
「それでもな。この村に立ち寄ったらや」
「大変なことになってたの」
三人は次に村のことを話すのだった。
「放っておけずにです」
「留まって賊と戦ってるんや」
「マルコさん達と一緒に」
「とんでもない奴等でな」
マルコがここでその賊について話す。
「この村を手に入れて自分達の根城にしようとしているのだ」
「そんな悪い奴等は許せないっちゃよ」
ホンフゥは本気で怒っている。
「俺のこの手で逮捕してやるっちゃ」
「逮捕っていうと」
神楽はホンフゥの今の言葉からあることがわかった。
「貴方は警官なのね」
「そうっちゃよ。香港警察の看板刑事っちゃよ」
「看板ね」
「そうっちゃよ」
自分で言う彼だった。胡坐をかいているが胸を張る。三人も話に参加してそれでそれぞれ胡坐をかいて座っているのである。
「俺が検挙した犯人の数は半端じゃないっちゃよ」
「そういえば何か」
ここでだ。神楽も思い出したのだった。
「香港にやけに威勢のいい刑事さんがいると聞いたけれど」
「誰に聞いたっちゃ?その話」
「チンさんに」
彼だというのだ。
「聞いた話だけれどね」
「ああ、あいつっちゃね」
「やっぱり知ってるのね」
「あいつとは腐れ縁っちゃよ」
ホンフゥは顔をいささか顰めさせてそうだと話す。
「何かっちゅうとお金っちゃ。それと食うことばかりっちゃ」
「そうそう。困った人よね」
「けれど根っからの悪人じゃないっちゃ」
そうではないというのである。
「だから付き合ってそれで悪い奴の話を聞いてるっちゃ」
「それはいいことね」
「自分でもそう思うっちゃよ」
「刑事さんだからそれでなのね」
「賊は一人残らず退治っちゃ」
「それでだ」
柳生も話す。
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