恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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523部分:第四十一話 周喩、病が治るのことその十五
第四十一話 周喩、病が治るのことその十五
「そちらがよければな」
「勿論歓迎だ」
これが華陀の返答だった。
「宜しく頼むな」
「心を見た」
カインは三人を見ながらこうも言うのだった。
「君達のその心をな」
「だからなのね」
「私達と一緒に来てくれるのね」
「確かに戦いに敗れた」
またこのことも話す彼だった。
「だがそれ以上にだ」
「心か」
「そうだ、心が君達の方に完全に傾いた」
こうなってしまったとだ。華陀に言うのである。
「グラントを救ってくれたことによってな」
「そうなのか」
「それでだ」
カインはここでさらに言ってきた。
「君達の目的は何だ」
「目的か」
「そうだ。それは何だ」
「この世界を救う為だ」
そうだというのである。
「その為に今戦っている」
「そうなのか」
「今この国は危機的な状況にある」
「そうなのよ」
「実は色々とあってね」
貂蝉と卑弥呼も話すのだった。
「それでなのよ」
「私達は今動いてるのよ」
「世界を救うことには興味はない」
カインはこのことには前置きしてきた。
「そのこと自体はだ」
「そうなのね」
「それはなのね」
「そうだ、だが君達は私のかけがえのない友人を救ってくれた」
それが理由なのだった。
「だからだ。それに協力させてもらおう」
「それならだ。旅を続けるが」
華陀はそのカインだけでなくグラントと無限示にも話した。
「それでいいんだな」
「一人でいるよりはいい」
無限示の言葉だ。
「我は長い間一人だったからな」
「孤独だったのね」
「その中で沈んでいたのね」
「その苦しみは忘れられない」
だからだというのだ。それが彼の言葉だった。
「だからこそ」
「そう。それなら」
「一緒にいきましょう」
「無論俺もだ」
グラントもだった。
「命を救ってくれた恩人とだ。友人でありたい」
「そうだ、俺達は友だ」
華陀はまさにそれだというのだ。
「そのところは宜しくな」
「うむ」
「じゃあ行くわよ」
「次の場所にね」
また二人が声をかけてきた。
「皆宿屋に待ってるし」
「そこに入ってそれからよ」
出発するというのだった。そうしてだった。
彼等はまた新たな仲間を迎え入れた。彼等も動いていた。
劉備達は幽州に戻ろうとしていた。しかしそこで、だった。
ふと月がだ。こんなことを言ってきたのだ。
「聞いた話によるとです」
「んっ?」
「どうしたのだ?」
皆今は出店で饅頭を食べていた。その時にだった。
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