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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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521部分:第四十一話 周喩、病が治るのことその十三


第四十一話 周喩、病が治るのことその十三

「実にな」
「そうだな。だが、だ」
 無限示も言うのだった。
「この二人は我を受け入れてくれた」
「私達誰でも受け入れるわよ」
「拒みはしないわ」
「この我をだ」
 無限示はそれがいいというのであった。
「だからだ。我はいさせてもらう」
「宜しくね」
「それじゃあね」
「醜い我を」
 無限示はここでこんなことも言った。
「受け入れてくれた。有り難いことだ」
「人の容姿なんて違っていて当然じゃないのか?」
 華陀もそうしたことにはこだわらなかった。それを言葉にも出す。
「そんなのであれこれ言う必要があるのか?」
「そう言うのだな」
「ああ。俺はそう思うがな」
 実際に彼は貂蝉と卑弥呼を見ても何とも思っていない。
「言う奴の方がおかしいだろう」
「かたじけない」
 無限示はここで華陀のその器の大きさを知ったのだった。そのうえでの言葉だった。
「それではだ」
「ああ、それでは?」
「御主名前は」
「華陀だ」
 無限示に対して己の名前を言ってみせた。
「覚えていてくれるか」
「是非。この世界では御主に全てを捧げよう」
「いや、捧げる必要はないさ」
「それはいいのか?」
「捧げるって言ったら家臣か何かだからな」
「それではないというのだな」
「俺達は仲間だ」
 華陀は闇のない笑みで言い切った。
「だからだ。俺達はそれでいいんだ」
「そういうことか」
「そうさ。仲間だからな」
 だからいいというのである。
「捧げるんじゃなくて一緒に頼むな」
「わかった」
 無限示もそれで納得したのだった。
「それではだ」
「それでな。それとだ」
 華陀は今度はグラントを見る。そしてであった。
「あんた」
「何だ」
「まずい状況にあるな」
 彼のその左の胸を見ながらの言葉だった。
「そうだな」
「わかるのか」
「ああ。このままだと死ぬぞ」
 華陀の言葉が強いものになった。
「間違いなくな」
「だがどうにもならない」
 グラントの言葉はまさに達観しているものだった。それを華陀に言うのだった。
「これはだ」
「いや、なる」
「なるだと」
「そうだ、なる」
 こう話す華陀だった。
「俺に任せてくれるか」
「いいのか」
「心臓に鉛が迫っているな」
 華陀はそこまで見抜いていたのだ。
「それならだ。すぐにそれを取り除く」
「できるのか」
「そうだ、できる」
 その通りだとだ。また話す華陀だった。
 
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