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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第五章 Over World
  来訪者



ショウたちを送り出してきた蒔風。
彼は「EARTH」に帰ってきた後、なのはに引っ張られて時空管理局へと赴いていた。


今いるのはそこの応接室だ。


目の前には広報部部長だという男が座っている。



「なー、忘れてたのは悪かったって。そろそろ教えて?お願いお願い」

「んもう・・・・」


「今回はテスタロッサ執務官にもお話を通したかったのですが、ご多忙だそうですので、とりあえずお二人にだけでも、と思いまして」

「知り合いだから話とけるし大丈夫だよ。で、なになに?」


男の話に興味津々で聞く蒔風。
本当に忘れているようで、なのははハァ、とため息をついていた。



「はい。今回はお二人の映画を作ろうと思いまして」

「映画ぁ!?」

「ええ。時空管理局きってのエースオブエース、高町なのは教導官。そして先の赤銅の戦いを勝ち抜いた「EARTH」局長、蒔風舜さんの活躍を映画にして、管理局や「EARTH」への関心を高め、また若き魔導師たちへの資料としても――――」


男の話はグングン進み、蒔風も思い出してきた。
今ではP・S事件と呼ばれた、あの事件を映画化する案があるという話だ。


その時は面白そうだな、程度だったのだが本当にここまで実現にこぎつけるとは。



「お二人の最初の出会いにして、最初の事件、そしてなのはさんの魔法との出会いなど、多くの盛り上がりを見せること間違いなし!!全世界で公開し、前売り券は段階的についてくる特典を変え、繰り返し見た人に抽選で―――――」



ふと我に返ると広報部部長は暴走していた。
目の色が変わっていた。

確かに話題性ばっちりだ。
盛り上がるし、儲かるだろう。



「あんた商業の才能あるよ」

「え?あ、はい。すみません。盛り上がりすぎてしまったようです」


いやぁお恥ずかしい、と頭を掻く部長さんだが、いろいろと遅い。

だがこの手の話は別段嫌いではない蒔風。
一応乗り気ではある。


「フェイトにも話を付けたいってのはそういうことか」

「はい。でもとりあえずはお二人にはお話を付けないと思いまして」

「まあな、自分で言うのもなんだが、一応主役だろうし」

「それに今回の映画の話はお二人の馴れ初めと聞いてます」

「ブッ!?」

「きゃー///ね、ね!!馴れ初めだって!!今の私たちってどう見えます!?」

「? 私はお二人はすでにおつきあいしている関係だとお聞きしましたが」

「~~~~~~!!!(バンバンバン!!!)」

「痛っ!!痛いって!!言いたいことはわかるが叩くな!!ってかそれ誰から聞いた話!?」


「八神はやて捜査官からですが」


「あんのタヌキィ!!!」


ヌフフ、と笑うはやての顔が見えた、気がする。

というか


「なのは体重掛けんなこのままだとソファーから落ちるってかほかに人いるしほら俺あれだしちょっと待て待て待て待て待て!?」

ゴロン、ズザザザザッ!!!


「あぁ!!逃げないで!!」

「タイム!!待て待て待て!!クソッ、胸が熱い。なんだ!?胸やけか。昼間っからカレー三杯も食ったからか!?」

「それが恋だよ!!」

「お前のは濃いんだよ!!」


「あ、うまいですね」


「あんたも傍観してないで助けてくれ!!」

「私はこれから各方面に話をつけに行きますので。さあ、忙しくナルゾー!!」


「こら!!逃げんな!!この状況何とか(ガチャリ)あーーっ!!アイツ鍵締めていきやがった!!」

「( ≧ω≦)b」

「言葉にしてくれ!まだこういう感情慣れてないんだ!!もう少し時間をくれ!!」

「待てません!!初心な舜君がたまらないの!!」


ドタンバタン




がんばれ蒔風。
君の青春はまだ終わってない。



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「覇王断空拳!!」


ミッド市内のスポーツジム。
そこで唯子とアインハルトのスパーリングが行われていた。

数分前からスパーリングの次元を超えてしまっているが。



アインハルトの断空拳が、唯子に向かって打ち下ろされていく。

が、それを唯子は左前腕を頭上に持ってきて受け止め、受けた衝撃を流して右掌底で打ち出した。


それがアインハルトの腹部に入り、身体が二メートルほどすっ飛んでいく。

しかしそれでへこたれる彼女ではない。
ゴホっ、と一回咳をきってから唯子に向かって拳を伸ばしていった。

唯子はそれをパシッ、と払い落とすが、アインハルトは腕を反転させて逆に唯子のその腕を掴み取った。

そして逃げられないようにしてから右足でミドル、ハイ、ローと三連蹴りを放ち左足で蹴り込んで引き離す。
唯子はというと、その三連蹴りを腕と脛とで受け切り、蹴り込みは食らったものの後ろ受け身で転がり起き、体制は崩さない。



「むぅ、やっぱり強い・・・・」

「流石に負けんなよー?」

「む、大人気ないとか言ってたのは誰だっけー?」

「それとこれとは別だ。やるなら負けんな」

「注文が多い子だねぇ、翼刀は」



パンッ!!と唯子が両手を合わせ、目を閉じる。
そしてその指を祈るかのように組み、胸の前に持ってきた。


すると唯子の肩や背中、しいては全身からに気力によるオーラが噴き出し始め、それはだんだんと大きな炎のように立ち上って行った。


「唯子さんすごいキレーイ!!」

「あれは魔力・・・じゃないな。気力ってやつか?」

瞑想(メディテーション)!?」



充満していくオーラ。
そして唯子の目が開かれ、そのオーラを手に乗せて一気に放ってきた。

アインハルトはそれを事に転がって回避しようろするが、オーラの端に触れてしまってそこから絡みついて身体の自由が利かなくなる。


何とか振りほどこうともがくも、その束縛はあまりにも強い。


そして唯子がゆっくりと歩みより、拳をアインハルトにコツンと当てた。



「―――私の負けです。さすがですね、唯子さん」

「え?あぁ、うん」


どうしようもない状況で拳をあてられ、アインハルトは負けを認めた。
なんだか煮え切らない感じの唯子だが、それでも翼刀にイエーイ!とハイタッチして喜んでいく。




「なあ、なんか納得してないみたいだたけど何かあったのか?」

「そういやそうだな。どうした?」

「いや・・・あそこからパニッシャーブチ込もうかと思ってたから」

「「やめいや」」





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とある世界の高台
そこは何らかの儀式の場であるのか、平坦にならされたブロックで出来ており、さらには石碑のような物も立っている。


と、そこに魔法陣が現れ、光、風が渦巻いて四つの人影が現れてきた。



「とーうちゃァっく!!」


ショウたちである。

四人のいる高台の周囲は草原で、さらには森も広がった、まさに雄大な自然に満ちた世界である。



「それで、どこに向かうんだい?」

「クロスミラージュ、近くに町は確認できる?」

《いいえ。しかし、大地から不思議な力を感じ取れます》

「こっちもで観測できました。これ何でしょう?」

《測定不能。全くの未知の力です》



海東の質問にクロスミラージュが答え、さらには未知の力の存在を報告する。
ティアナたちは感じられていないが、デバイスはそれを観測していたのだ。

「ふーん。そんな力感じないけどね」

「地脈ってやつだろうな・・・・っと、街はわからないけど、人がたくさんいるところならわかるぞ」

「え?」



そう言ってショウが森の向こう側を指さして、その方にみんなの視線が向く。

その空では、パンパン!!と運動会で上がるようなピストルの音が聞こえ、小さな煙が空で破裂していた。


「なんでしょう?お祭りでもあるんでしょうか?」

「確かに人はいそうだけど」

「あー・・・どうやら祭りじゃないみたいだな。いや、意味合い的には祭りだが」



そこで、ショウが頭を掻きながら苦笑いする。
どういうこと?とこちらに振り向く一同に、ショウがその正体を言った。


「あれはな、この世界での「戦争」だそうだ」


「「「え?」」」





to be continued

 
 

 
後書き


蒔風舜、映画化決定(笑)。

蒔風
「1stか。なんとまあメタい・・・」


アインハルトVS唯子はまあ唯子の勝ちです。

正直、彼女に勝てるってなら、シグナムさん以上の強さはほしいところです。
でも唯子はムラのある子だから、ヒョッ!!とした拍子に負けることもありますけど。


蒔風
「というか完全にマスクマン化してるじゃねーか」

唯子
「戦う私は美しくてかわいい」

翼刀
「作者はどれだけそのフレーズ好きなんだよ」

というか付け足したろ。





そして降り立つショウたち!!
降り立つ土地はフロニャルド!!!

次回からはショウたちがメインになります。
とりあえずDOG DAYS編を終わらせますね。




ショウ
「次回、異元の地、フロニャルド。この世界とは?」

蒔風
「食うなよ?」

ショウ
「食うかッ!!」



ではまた次回











おいでませ、フロニャルド!!
 
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