恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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512部分:第四十一話 周喩、病が治るのことその四
第四十一話 周喩、病が治るのことその四
「それでこっちは個性派ばかり」
「そういう巡り合わせでしょうか」
「それを考えると」
「そうかもね。けれど面白いわね」
孫策は己の座で笑みを浮かべた。そしてであった。
「これも個性よね」
「我が陣営には我が陣営の個性ですか」
「そうなんだ」
「そうよ。それでだけれど」
孫策はふと話を変えてきた。今度の話はだ。
「冥琳はどうなのかしら」
「冥琳ですか」
「今日は体調が悪いのね」
こう孫権に対して問うた。
「そうなのね」
「はい、それで休んでいます」
「風邪でもひいたの?」
「そうらしいわね」
こう妹に答える孫権だった。
「どうやらね」
「冥琳が風邪をひくなんて珍しいわね」
「そうよね、それはね」
孫権もこのことには首を捻る。
「どうもね」
「まあそういうこともあるわ」
だが孫策はこう返した。
「たまにはね」
「たまにはですか」
「ええ、そういうこともあるわ」
「風邪なら休めばいいですね」
「そうね。後でお医者さんを送りましょう」
こんな話の後でその人材に会う。今度来たのはだ。
小柄で太った身体の僧侶だった。目は白くかなり独特な顔をしている。
そしてドレッドヘアに緑の袖のない上着と白いズボンの明るい顔立ちの黒い肌の青年に髭の中年の男だ。それとだった。
銀髪に剣を、ただし紫の輝きを持つ服を着た少女もいた。この四人だった。
彼等はそれぞれ名乗ってきた。
「陀流磨という」
「ボブ=ウィルソンといいます」
「リチャード=マイヤーだ」
まずは三人が名乗った。
「ここに来たのじゃが」
「何か凄い世界ですね」
「知った顔に会ったのが幸いだったが」
それは喜ぶリチャードだった。そうしてこう話すのだった。
「ダックやタンだが」
「あの二人を知ってるの」
「同じ街に住んでいる」
孫策にこう答えるリチャードだった。
「何度か拳を交えたこともある」
「サウスタウンね」
「あっ、御存知なんですか」
今度はボブが言った。明るい声でだ。
「サウスタウンのことを」
「ええ、知ってるわ」
その通りだと返す孫策だった。
「今は私のところにいるから」
「あっ、だからさっき会えたんですか」
だからだとだ。ボブは納得した。
「そういうことだったんですね」
「そういうことね。それにしてもね」
「それにしても?」
「面白い巡り合わせが続くわね」
孫策はくすりと笑ってこう述べたのだった。
「何かとね」
「世界は広いようで狭い」
陀流磨の言葉である。
「だからじゃ。こうしてわし等も巡り会った」
「それにしても最近凄いんだけれど」
孫尚香は姉の隣でふとしたように言った。
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