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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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510部分:第四十一話 周喩、病が治るのことその二


第四十一話 周喩、病が治るのことその二

「これは何があるのでしょうか」
「やはり」
「とりあえず人材は多くなってるけれど」
 孫策はこの面から話した。
「ただ。腑に落ちないことではあるわね」
「全くです」
「ここまで続くと」
「他の世界から人が来るだけではなくて」
 孫策はまた言った、
「国も時代も違うしね」
「そして数も」
「多いとなれば」
「何もないじゃ信じられないわ」
 強い顔になっての言葉だった。
「本当にね。それで今度の人材だけれど」
「ではどうぞ」
「そちらに」
「蓮華と小蓮を呼んで」
 その二人をだというのだ。
「あの娘達と一緒に会うことにするわ」
「あの方々とですか」
「会われるのですね」
「あの娘達にも経験を積ませないとね」
 くすりと笑っての言葉だった。
「やっぱりね」
「蓮華様はいいのですが」
「ただ」
 ここでだった。二人の言葉が孫策に対するそれに近いものになった。そのうえでだった。
「小蓮様は」
「どうにも」
「私に似てるっていうのかしら」
「いえ、それ以上にです」
「やんちゃと言うのでしょうか、あの方は」
「そうね、やんちゃね」
 そうだとだ。答える孫策だった。
「あの娘はね」
「そうね。あの娘はね」
「これからが心配です」
「全く」
「まあそれは大丈夫よ」
 しかし孫策は楽しげに笑ってこう返した。
「小蓮もね」
「大丈夫とは」
「何故そう言えるのですか」
「筋がいいからよ」
 だからだというのだった。
「だからよ。安心していいのよ」
「だといいのですが」
「本当に」
 孫家に仕える二人の長老達は不安な顔のままだった。だがそれは心から心配している顔であった。まるで母親のような、そんなものだった。
 孫策はその二人から別れてだ。そうしてある場所に向った。そこは謁見の部屋だった。
 そこにはもう孫権と孫尚香がいた。二人はすぐに長姉に挨拶をしてきた。
「こんにちは、姉様」
「じゃあ会おうよ」
「ええ、そうするわよ」
 孫策は気さくに二人に返した。その後でまずは孫権に言うのだった。
「蓮華はねえ」
「私は?」
「生真面目よね」
 妹のそうした気質はよくわかっていた。
「本当にね」
「それが何か?」
「誰に似たのかしら」
 少し困ったような笑顔になっての言葉だった。
「そこは」
「それは」
「菊と桜のせいかしら」
 孫策は張昭と張紘の真名を出して話す。
 
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