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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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508部分:第四十話 曹操、華陀に会うのことその十三


第四十話 曹操、華陀に会うのことその十三

「今マッハ三で飛んでるから」
「本当にすぐだからね」
「マッハ三?」
 華陀は二人の言葉にまずはいぶかしんだ。そのうえで問い返すのだった。
「それはどれ位の速さなんだ?」
「音の三倍よ」
「それ位よ」
「音の三倍か」
 そう聞いても全く動じない華陀だった。そしてこう言うのだった。
「じゃあかなり速いんだな」
「だからもうすぐよ」
「この国なんてひとっ飛びよ」
「それは凄いな」
 やはり動じないのだった。
「それならだ」
「ええ、すぐに戻ってね」
「また旅を続けましょう」
「俺達のやるべきことは多いからな」
 華陀はまた言った。
「この国を救う為にな」
「そしてこの世界を救うのよ」
「私達の力でね」
「俺達の旅はまだはじまったばかりだ」
 何処か打ち切られるような言葉だった。
「頑張らないとな」
「そうね。けれど」
「あのお嬢様は残念だったね」
「そうだな。だがそれも運命だ」
 曹操のことはこう言って諦めていた。
「また会ったその時にだ」
「病を治す」
「そうするのね」
「それが俺の務めだからな」
「偉いわ、流石私達のダーリン」
「本当にね」
 ここで二人同時に華陀に顔を向けてにこりと笑うのだった。その瞬間空が真っ二つに割れた。その向こうで超獣が悶絶して死んでいる。
「なら私達はそのダーリンの為に」
「一肌でも二肌でも脱ぐわよ」
「ははは、済まないな」
 彼だけは二人の笑顔を見ても平気だった。
「それではここはだ」
「ええ、任せて」
「それじゃあね」
「仲間達のところに戻ろう」
 こう話してだった。彼等は空を飛んでいくのであった。これは彼等にとっては至極当然の行動だった。何とも思ってはいなかった。


第四十話   完


                 2010・10・20
 
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