生徒会”執行部”と”捜査部” ~舞い散る桜STKとの出会い~
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17.捜査会議
次の日の放課後、捜査部 部室生物実験室にて。
「ハーイ全員揃ったねー? 第二回蒼ちん謎の視線捜査会議はっじめるよー」
ホワイトボードの前に立った会長が意気揚々と声を荒げる。いつもの三倍くらいテンションが高い。
それに第二回目ということは。つまり畑先輩のところ行った話し合いは第一回目の捜査会議だったらしい…。
「ヘイッyou達の仕入れた情報はなんだ~い?」
「会長いつなくテンション高いですね…まぁ…いいですけど…。
えっと、私と餡子姉は蒼先輩と共に行動してもう一度水泳部の人たち話しを聞いてみました」
「アオちゃん水泳部の子たちと馴染めてないようで心配だわ~」
「それもそうだったけど! そうじゃなくて、蒼先輩以外に謎の視線を感じた人はいませんでした。
しいて言うなら、他の男子部員やプールの中を覗こうとする男子たちのキモい視線くらいだそうです」
「男の子だものね~しょうがないわよね~」
「なぜオレの方を見る?」
生暖かい視線を送る小林先輩と冷ややかな視線を送る茨音さん。
二人の話を聞いて会長は「うむう~む、そうかいそうなのかい」と腕を組んで大きく頷いている。なにがわかったの?
「じゃあ次はオレ達か。オレ達は河野先生の被害者、曳鬼谷 愛に会いに行った」
「でしたね、それでどうだったんです?」
「ロボットのネトゲが好きで【虎八郎】っていうHN(ハンドルネーム)やってるヨーン。
あとヒッキー(引きこもり)で部屋には男の人同士がチョメチョメしてる薄い本が沢山あったよ」
「いや誰もそんな情報知りたく…「なんですと! 虎八郎の正体が曳鬼谷さんだったですと!」キャッ」
突如畑先輩とが春たちの足元、もとい机の下から這い出て来た。
「おー畑」
「あっどうも皆さん」
「どっから出て来てるんですか! あとなんで会長、普通会話してるんですか!!?」
茨音さんが言っていることはごもっともだ、だがしかし……だ、畑先輩はいつから机の下に居たのだろう…。
春たちが入ってくる前? 後? でも入って来た瞬間はわからなかった…謎の多い人だ。
「それより虎八郎が曳鬼谷さんだと言うのは本当ですか!?」
「うん…本人がイッてたし…え? なに? 有名人なの?」
「当然じゃないですか! ネトゲ業界では虎八郎の名前を知らぬ者なんていません!
大会に出れば優勝は当たり前、ソロで神を倒せるほどの腕前、ネトゲ廃人達の神的存在!
ですがその素顔、本名、詳細は謎のベールに包まれたまま、私も何度か取材してみましたが門前払いされどこの誰かもわからなかったのにーー!!
こんなすぐ近くに居たとはーー!!」
うんうんと春も小さく頷く。
「あ…春もソッチ系の知識強いんだ。」
「少しかじっただけれすけど…」
「へーそんなすごかったんならサイン貰っとけばよかったー」
熱く語る畑さん、だけどそっち方向の話に興味がない人たちは冷めた視線を送る。会長もこう言ってるのに口調は棒読み。
少しかじったことがある程度の春では畑先輩の熱さには近づけない、ってか話している内容が全然わからない!
仕方がないので畑先輩の熱弁が終わるまで待つことにした。
【で】
「畑ーおまえ何しにここへ来たんだよ」
いくら待てど一向に終わらない畑先輩の話にしびれを切らせた古賀先輩が、話を遮る。
「おやそうでした。用があってきたのでした」
話しに夢中になりすぎててここに来た本来の目的を忘れていたようだ。
「これが頼まれていた物です」
と言いながら畑先輩は机の上にドサァと大量のカメラやその他諸々を並べ置いた。
「おーあんがと畑」
「いえいえ虎八郎の情報と引き換えならお安いご用意ですよ」
あ…物情報交換なんだ…これ。ガッチリ会長と握手を交わした後、畑先輩は部室を出て行った。今度はドアからちゃんと。
「会長ーそのカメラは?」
「部長ね、いばやん。むっふっふー」
「(あ……悪い顔してる。なにか善からぬこと考えている時の顔だこれ…)
で、なんなんですか?」
「じゃー教えてしんぜよう! これはー「わかったわ~、河野先生が盗撮している現場を逆に盗撮して証拠として突きつけるのね~」
溜めて溜めて~からの~って感じで言おうとしていたのを台無しにする形で小林先輩が先に答えてしまった。
「もーアンコのばかぁぁ!!」
会長…半泣きだよ。小林先輩は表情はニコニコ笑顔まま固まり体ぴくぴく小刻みに動いているからたぶん笑っている。
【で】
会長がたてた作戦はこうだ。
茨音さんがまず最初に先生の元へ行き注意を逸らす。
次に会長と小林先輩が隠れた所にカメラを設置&撮影。他の女子部員にのみんなにも協力を願う。
証拠映像/写真が撮れたら、それを先生に証拠として突き付けこれまでの罪、曳鬼谷さんにしたこと、蒼先輩にしたこと、公表はされていないけど他に被害にあった女子生徒達に謝罪の言葉を求める、重要な役割を果たすのが春。
これが一番危険を伴う。十中八九、河野先生は素直に聞き入れないだろう。もしかすると暴れて春に危害を加えるかもしれない。
茨音さんは「春にそんな危険なことさせられない! 私がやります!」と言ってくれたが
河野先生の好みはスレンダーボディの女の子、残念ながら茨音さんはタイプじゃないらいらしい。
万が一に備えて、古賀先輩がすぐ傍でスタンバイしてくれるので大丈夫だと言う。
「それでも心配だと」心配してくれる茨音さん。
「なにがあってもオレは守ってやるから安心しろ」と頭を撫でてくれる古賀先輩。
そして誰にも言っていないが、会長にはこの作戦が失敗した時ようのプランBも用意してあるらしい…。
だけどどうしてかそのことを誰にも伝えようとはしなかった。
――悪魔が堕りたち
笛を吹く
――子らよ
海に沈み
海藻に絡まれ
――子らよ
その魂
我におくれ
続く
後書き
愛ちゃんがネトゲ廃人だというネタ前回書けなかったので今回書かせていだだきました! てへぺろっ☆
次回が捜査パートでその次が解決パートになれば…イイナー(棒読み
たぶんあともう少しで完結する……と思いたい。これ一応短編にしようとしたら長くなったので中編の予定で書いてます。
なので色々ネタハショってまふ。どこか機会があれははっしょった部分を書きたいなーとは思ってます(/・ω・)/
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