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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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497部分:第四十話 曹操、華陀に会うのことその二


第四十話 曹操、華陀に会うのことその二

「これが私の真名です」
「ええ。それなら歌」
「はい」
「貴女を迎えるわ」
 にこやかな笑みはそのままだった。
「これからは将軍として活躍してもらうわ」
「有り難き御言葉」
「おお、また人材が来たか」
「そうだな」
 それを見てだ。双角とフランコが話していた。
「それは何よりだ」
「俺達もどんどん賑やかになっていくな」
「あの、フランコさん」
 そのフランコにだ。典韋が声をかけた。
「この前ですけれど」
「ああ、何だ?」
「この前教えてもらったタバスコという調味料ですけれど」
 彼女が話すのは料理のことだった。
「あれって凄く辛いですね」
「だがその辛さがいいだろ」
「はい、とても」
 典韋はにこりと笑って答える。
「益州の料理を作るには」
「益州?ああ、あれか」
 フランコはそう聞いてすぐにわかった。
「四川のことか?」
「そちらの世界ではその呼び名なんですね」
「そうだよ。俺達の世界と国じゃな」
 そうだと話すフランコだった。
「まあこっちとそっちじゃ違うことが多いけれどな」
「呼び名でもですね」
「そうだよ。それでな」
「はい、それで」
「今日は何を作ってくれるんだ?」
「そうですね。このタバスコで」
「ああ」
「タコスでしたっけ」
 少女が出した料理はそれだった。
「それを作っていいですか?」
「おっ、タコスか」
「はい、それを」
「この前俺が言ったレシピを再現してくれるか」
「やってみますね」
 こんな話をしていた彼等だった。彼等は和気藹々とやっていた。
 しかしである。曹操はだ。徐晃との話が終わると不機嫌そうな顔になった。そうしてそのうえでこんなことを漏らすのだった。
「しかしな」
「しかし?」
「華琳様、まだですか」
「そうなのよ、まだなのよ」
 その顔で夏侯惇と夏侯淵に話す。二人はいつも通り彼女の左右に控えている。
「それがね」
「ううむ、深刻ですね」
「それはまた」
「参ったわね」
 顔が憂鬱なものになっている。
「何かいい解決法はないかしら」
「先日また加わった者達に聞いてはどうでしょうか」
「それは」
 こう話す二人だった。
「あちらの世界では何かいい解決法があるかも」
「それにつきましても」
「あちらの世界ね」
 曹操は二人の言葉を受けて考える顔になった。
「そうね。いい考えね」
「はい、それでは」
「呼びますか」
「わかったわ。じゃあ彼等を呼んで」
「はい、それでは」
「すぐに」
 こうしてだった。曹操の前に何人か集められた。その彼等はだ。
 大柄なスキンヘッドの男に飄々とした小柄な老人、それと辮髪の精悍な若者に筆を持った丸い眼鏡の着物の男、がっしりとした身体に黒と白の服の男に若々しくきりっとした顔の黒髪に赤いシャツの男、合わせて六人だった。
 
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