ドリトル先生と悩める画家
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第十二幕その二
「今から見せてもらおうね」
「そうそう、是非ね」
「一体どんな感じなのか」
「見せてもらいましょう」
「これからね」
他の皆も言ってでした、そのうえで。
皆は先生にです、それぞれのお口でこうも言うのでした。
「それじゃあね」
「先生、今から行きましょう」
「太田さんの絵を観にね」
「そうしましょう」
「そうだね、果たしてどんな絵なのか」
先生も言います。
「見せてもらおうね」
「そう、これからね」
「一体どんな絵なのかね」
「美術部の部室にお邪魔して」
「そうしてね」
皆も言ってでした、そのうえで。
美術部の部室の前に来ました、先生は美術部の部室の扉をノックしました。するとすぐにでした。
扉が開いて中から太田さんが来ました、太田さんは先生達ににこりと笑って言ってきました。
「来てくれて有り難うございます」
「うん、今からだね」
「はい、僕の今の絵を観て下さい」
スランプを脱出したそれをというのです。
「そうして下さい」
「それじゃあね」
「どうぞ中に」
美術部の部室の、というのです。
「今も丁度描いていました」
「そうなんだね」
「今部室は僕だけです」
「まだ朝だしね」
一限目もまだです。
「人もいないね」
「はい、実は今日は六時に起きてすぐにです」
「大学に来てだね」
「朝御飯も描きながら食べていました」
そうだったというのです。
「そうして描いてます」
「成程ね」
「じゃあ何はともあれ」
「うん、今からね」
「中に入って下さい」
太田さんは先生にあらためて言いました。
「そうして下さい」
「じゃあお言葉に甘えてね」
「どうぞ」
こうしてでした、先生達は太田さんに美術部の部室に入れてもらいました。美術部の部室は広く椅子が沢山あってあちこちにキャンバスや石膏があってです。
隅の方に描きかけと思われる絵がありました、太田さんはその絵の前に来て先生達に言いました。
「これがです」
「君が今描いている絵だね」
「そうです」
先生ににこりと笑って答えるのでした。
「それを観てもらいたくて」
「ふうん、この絵なんだ」
「相変わらず凄い勢いで描いてるみたいだね」
「そうね」
動物の皆はその絵を観て言いました、とはいっても彼等の言葉は動物の言葉を知らない太田さんにとっては意味不明なものです。
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