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生徒会”執行部”と”捜査部”  ~舞い散る桜STKとの出会い~

作者:猫丸
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4.それでもボクはヤッてない!





【で】




「あのひとつ質問いいれすか?」

「どぞどぞ~」

「そもそも【生徒会捜査部】ってなにする部活なんれす?」

一週間前、茨音さんに勧誘されたときにさらっと聞いたけど具体的な活動内容は知らない。今一度なにをする部活なのか聞いてみよう。

「なにっつても、ただ学園の生徒や先生達からよせられた【依頼】をこなすだけだよん」

「依頼れすか?」

「そそ。落とし物をを探したり、学園行事を開催したり手伝ったり~」

「去年は氷水ガマン大会なんてやったわね~」

「あーヤッたヤッたー。あともう少しで優勝だったのに、畑のあんにゃろうめ…」

会長と小林先輩は楽しそうに話している隣で、春と茨音さんは顔を見合わせ苦笑い。

「あのっ会長!」

「部長ね。なにいばやん?」

「その活動内容だったら【生徒会執行部】と大差ないですよね?
 
 生徒会長なのになんで同じ部活作ってるんですか」

さすが茨音さん…私が聞きたかったこと代わりに全部聞いてくれた…。
チラリと中原会長を見ると…

「そ、そんなことないもんっ!! 生徒会なんかとは違って、ご町内のみなさまの依頼も受けてるもん!」

「でも今の副会長ちゃんも~依頼受けて回ってたわよ~」

「うぐっ!!?」

お腹を殴られた人/拳銃で撃たれた人みたいにその場に倒れ込んだ。

「だ、大丈夫…れすか…」

一応声をかけてみる。

「うーうぅー、生徒会なんてキライだぁーー!! わぁぁぁん」

駄々っ子みたいに暴れ出した。両腕両足をじたばたさせて、全身全霊で駄々をこねてる……なにこの人…。

「生徒会が嫌いって会長、生徒会長じゃないですか…」

呆れ気味に茨音さんが声をかけると

「会長じゃない! ここじゃ部長なの!」

まだまだ駄々をこねる高校二年生。

「…はいはい。…でなんで生徒会の人たちが嫌いなんですか?
 
 優秀でいい人ばかりだってクラスでも有名ですけど…「そうソレ!」は?」

「ちょっと頼み事したらすぐに解決! 少し無理な内容でも確実適切に対応! 早急の事件解決、信頼と安心が売りの諷焔学園【生徒会執行部】」

諷焔学園案内パンフレットの一番最初のページに載っていた内容を大きな声で言う会長に春と茨音さんはポカンと口をあんぐり開ける。

「ボクが付け入るスキがないんだよ! ボクがやる前に全部解決しちゃうんだよ! みんな優秀だから!!

 ボクだって仕事したいよ! 

 生徒会の顔? ボクはお荷物でもお飾りのお人形でもないよ!

 みんなに内緒で依頼を受けたこともあったよ? でもすぐにバレて叱られたよん!

 ボクだって…ボクだって…ぜぇぜぇ…はぁ…はぁ…」

一気にまくしたげて喋ったせいか、会長は虫の息だ。ただのおふざけ会長かと思ったけど、会長も会長なりに苦労しているようだ。

パチパチとひとつ拍手が鳴る。

音がした方をみると音のでどころは小林先輩だった。その拍手につられるように春と茨音さんも手を叩き拍手する。





【で】





一通り拍手してあげて、会長が満足したころ

「でも優秀な生徒会って去年までの話なんだけどね~」

「「は?」」

「ちょっアンコ!?」

小林先輩からまさかの暴露発言。

「…どうゆうこと餡子姉?」

「今の生徒会は【新・生徒会執行部】なのよ~」

「「新生徒会??」」

「アヤちゃんが抜けてから、ちょっと……大きな事件があったのね~」

ようはその大きな事件のせいで旧生徒会は解散・壊滅状態まで追い込まれ、今の副会長が一年生を集めて【新・生徒会執行部】を作り上げたらしい…のだ。
会長は旧生徒会が解散する前に抜けたつもりだったのだけど、副会長の心遣いで席はまだ残っているらしい。

「会長…」

「違う!! ボクはヤッてないっ!」

「犯人はみんなそういうんですよ。もうそのネタ使い古されてます」

「それでもボクはヤッてないんだァァァ!!」

旧生徒会を解散・壊滅状態にまで追い込んだ犯人はどうでもいいとして…だ。

「なんでこの部活を…」

作ったんだろう? 生徒会が無くなったから? でも復活したのだったらもいいんじゃ…?

「それはにゃだ…打倒生徒会! 優秀すぎてつまらにゃい、生徒会をクシャクシャとしてポイッとするために…「助けたかったのよね~」ふにゃ!?」

言い訳苦しい会長に代わり小林先輩が答えた。

「アヤちゃんは、自分が抜けたせいかもって責任を感じてね~。

 副会長ちゃんを陰ながら少しでもお助けしたいって~、この部活を作ったのよね~」

「……バカ」

「ふふふ…照れ屋さんなんだから~」

頬を赤く染めた会長は照れくさそうにそっぽを向きこっちを見ようとしない。

「へぇー。会長にも良心ってのがあったんですね~」

「どうゆう意味だよっいばやん!」

「あははっ「このこのっ!」

ポカポカッ。

茨音さんと中原会長がじゃれ合う姿はなんだか微笑ましくてみているとほっこりとした気持ちになる。




【で】





「それにしてもあの堅物には困ったものにゃも」

「かたぶつ?」

「ふくかいちょー」

「…がなんです?」

「この捜査部を作りたいって言ったらさ、なんて言ってきたと思う?」

「…なんてです?」

「部員を作るには最低でも五人集めてから言ってくださいダトヨー」

「「………」」

いや…それ普通じゃない…? と春と茨音さんは思ったが、そこをグッと堪え言わずに話を聞く。

「ボクにアンコにコガジュンにいばやん、四人じゃダメダーメ…そしてそこに現れたのが~~~」

キラキラとした純粋な目で春を見つめる会長に少しドン引き一歩二歩と後退り…

「チミが現れたんだよハルゥ!」

「……ハルゥ???」

「チミが我が捜査部に来てくれたおかげで、無事既定の五人到達! これでしおかなちゃんも文句なし、ぐぅのでも出ないッっとはこのことナリ」

ブイッと自慢げにピース。

「うふふ~あの時の副会長ちゃんの悔しそうな顔は可愛いかったわね~」

「うんうんっ余は満足じゃ」

「なんですかそれは」

…なるほど。茨音さんが『救世主』と言っていたのはこのことれすか…ふむふむ…はい?



この時の春はまだ知らなかった――

 
  捜査部の救世主になったせいで大変な目に合う事を――


                     …だけどそれはまだ先のお話――





でもまぁ…悪い人たちではないですし…居心地も悪くないですし…いいっか!









                              続く

 
 

 
後書き





次回は、捜査部の衝撃の依頼~~!!って言ってたのに全然依頼来ない~~~!! ><

自己紹介パートが長くなったせいだw むぅw

次回こそは、衝撃のはじめてのおしごとの巻き~☆ の予定です↓



 
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