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レーヴァティン

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第十二話 港においてその七

「私はこの世界では異邦人です」
「他の世界から来たから当然だな」
「はい、これまで一人であてもなく学問だけを続けてきました」
「ここでかい?」
「気付いたらこのサラミスにいまして」
 そしてというのだ。
「あてもなく歩き回っていますとこちらの神父様にお声をかけて頂き」
「迷える者に見えましたので」
 その神父の言葉だ。
「ですから」
「声をかけてか」
「はい」
 そうしてとだ、神父は久志に話した。
「事情を聞いてです」
「この教会に置いてか」
「そうでしたか」
「はい、そして」
 そのうえでというのだ。
「教会の手伝いをしてもらい」
「そして学問もか」
「そちらは自由にと答えましたが予想以上でした」
 その学問への造詣がというのだ。
「非常に素晴らしいものがあります」
「司祭としてもか」
「かなりの方です」
 久志にだ、神父は青年のことを確かな声で話した。
「まことに」
「何か俺達外の世界から来た奴は能力高いみたいだな」
「そうですね」
 青年も久志のその言葉に頷いて答えた。
「我々は」
「能力が高い、つまりな」
 久志はこのことからこう言った。
「やらないといけないことが多い」
「そうお考えですか」
「普通に能力高くて他の世界に来たらな」
「そう考えるというのですね」
「送り込むのが神様かどうかは知らないぜ」
 自分達の様な存在を他の世界にというのだ。
「けれど神様も何もなく送り込まないだろ」
「必然があってこそ」
「そうして送るだろ」 
 ただ何もなくそうはしないとだ、久志は青年に話した。
「それこそな」
「だからですか」
「俺達は高い能力を持ってるんだよ」
「やるべきことを果たしてもらう為に」
「この世界でな」
 そうだというのだ。
「だからな」
「それで、ですか」
「俺達はこの高い能力を使わないといけないんだろうな」
「この世界を救う為に」
「それがこの世界に俺達を送り込んだ」
「神のですか」
「考えだろうな」
「では、ですね」
 今度は青年から久志に言ってきた。 
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