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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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451部分:第三十六話 親父達、新たに加わるのことその九


第三十六話 親父達、新たに加わるのことその九

「安心していい」
「ではここは」
「貴方達もですか」
「戦われるのですね」
「そうだ、戦う」
 ハイデルンははっきりと言い切った。
「私達もそうさせてくれ」
「しかし」
「それは」
「何、構うことはない」
 ハイデルンだけではなかった。タクマも言うのだった。
「わし等は格闘家だ。だからだ」
「本当にいいのですか?」
「貴方達の手をわずらわせる訳にはいきません」
「やはりここは」
「いや、退くのはよくないな」
 柴舟も話した。
「それはだ」
「何故ですか」
「敵の数は多いですが」
「いや、それでもだ」
 柴舟はあくまで放す。
「ここはよくない」
「ですが。本当に数がです」
「数が多過ぎますし」
「ですから」
「この者達尋常な者達ではないぞ」
 柴舟は剣呑な目で白装束の者達を見ていた。
「そう、妖かしに近い」
「人ではあるようだが」
 ハイデルンもその彼等を見ていた。
「だがそれでもだ。住んでいる世界が我等ともまた違う」
「では一体何者ですか?」
「この者達は」
「それはまだわからない」
 ハイデルンもこのことには答えられなかった。
「だが、だ」
「だがですか」
「それでは」
「一切不明だ」
 こう言えるだけだった。
「しかし。あの者達が逃がさないことは確かだ」
 それはだというのだった。そうしてだった。
 身構える。他の二人もだ。
「この者達を倒さなければな」
「わし等がやられる」
「ならば容赦はしない」
 こう言ってであった。戦いをはじめようとする。兵達もその彼等を見てだった。
「それでは我等も」
「共に戦いましょう」
「ここは」
「そうだ、それがいい」
 タクマはその彼等の言葉を受けてにやりと笑ってみせた。そうしてだった。
「ここは戦わなければ生きてはいけんぞ」
「そうですね、やはり」
「ここは」
 兵達はそれぞれ槍を握った。そうしてであった。
 ハイデルンが彼等に言った。
「貴殿等はだ」
「はい」
「何でしょうか」
「陣を組んでそのうえで動き弓を放つのだ」
 槍ではなく弓だというのである。
「いいな、弓だ」
「弓ですか」
「それをですか」
「そうだ、弓だ」
 また彼等に告げた。
「騎射はできるな」
「はい、それについては」
「お任せ下さい」
 自信のある言葉が返って来た。
 
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