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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1750話

 バッタに掴まれて空を飛ぶという、恐らく……いや、間違いなくこの世界で初の体験をしただろうゼクスを見送り、ウイングゼロに戻りかけ……ふと気が付く。
 俺の正体が知られた状態であっても、ニーズヘッグを使わずにウイングゼロを使っていたのは、ニーズヘッグの性能を迂闊に人目に晒したくないというのが最大の理由だった。
 勿論俺への対抗心からエピオンで挑んでくるゼクスに対し、ニーズヘッグだとちょっと卑怯……というか、大人げないという思いがあったのも事実だが。
 ともあれ、そんな理由から俺はニーズヘッグではなくウイングゼロを主に使っていたのだが、ホワイトスターとW世界が繋がった事により、その辺りの心配はする必要がなくなった。
 そもそも視線を周囲に巡らせれば、メギロートの群れによって蹂躙されているトレーズ派の姿がある。
 連合軍の部隊もトレーズ派と戦ってはいたのだが、メギロートという異形の存在が大量に戦場に乱入してきた事により……そしてメギロートの正体がホワイトスターの方のシャドウミラーだというのを知らせた事もあり、何となく手出しが出来なくなっていた。
 メギロートが乱入してきた当初は、連合軍とシャドウミラーVSトレーズ派といった感じで戦況が推移していたのだが、メギロートの余りに余りなその数に、現在ではシャドウミラーに蹂躙されるトレーズ派、それを見ている連合軍……といった感じになっている。
 単体でもMSと戦えるだけの性能を持つメギロートだが、そのAIは長年の戦闘経験の蓄積か1機で1機に当たるのではなく、数機で1機に当たる戦い方を選択する。
 周囲を飛び回りながら、四方八方からサークル・レーザーを放ちまくる。
 リーオーは空を飛べない以上は反撃もままならない。
 ビームライフル、バズーカ、マシンガン、ライフル……色々と反撃はするのだが、空を自由に飛び回る機体にそう命中する事はなく、その殆どがあらぬ方に飛んでいく。
 そしてリーオーはサークル・レーザーにより次々とダメージを受けていき……やがて沈黙する。
 エアリーズの場合は、更に悲惨だった。
 同じく空を飛ぶ相手だからというのもあるのだろうが、メギロートはチェーンライフルの攻撃を回避しながら間合いを詰め、体当たりをし、口で噛み千切り、角で突き刺す。
 エアリーズにビームサーベルの類でもあれば……いや、そこまでいかなくてもナイフや何か、近接戦闘用の武装さえあれば、まだ多少は抵抗出来たのだろう。
 だが、高い戦闘経験を持っているメギロートのAIにチェーンライフルは殆ど効果がない。
 そもそも、チェーンライフルというのは一種のマシンガンに近い種類の武器だ。
 特にバリアの類がないメギロートであっても、1発や2発弾丸が当たった程度では致命傷にはなり得ない。
 結果として、エアリーズは四方八方から喰らいつくされる――喰ってはいないけど――事になる。
 何だか以前こういう光景を見た事があったな。
 そう、あれはSEED世界のオーブ沖で行われた戦いか。
 ストライクの量産型の簡易型……ストライクダガーを主戦力として攻め込んできた大西洋……いや、ブルーコスモスの部隊を相手に、メギロートがこれと同じような光景を繰り広げていた覚えがある。
 懐かしい……と言えば懐かしいんだろう。
 そう言えば、アズラエルとパトリックをホワイトスターに軟禁していたと思うが、どうなったんだろうな。
 暫く様子を見てないから、今回の件が片付いたら一度様子を見に行った方がいいかもしれない。

「あ」

 空中に巨大なビームが数本伸び、数機のメギロートが爆散して破壊された。
 何がこれを行ったのかというのは、考えるまでもない。
 現在のトレーズ派の中でも最新鋭の量産機、トーラスだ。
 ガンダニュウム合金すら破壊出来るだけの威力を持つトーラスカノンだけに、それこそメギロートでは命中すればどうしようもなく撃破される。
 ……まぁ、それでも1万機オーバーの内の数機なのだから、焼け石に水という言葉がこれ以上似合う光景もない。
 ましてや、メギロートの数は更に増えてきているし、バッタや……量産型Wが操縦しているシャドウの姿も見えてきている。
 これはもう、トレーズ派にはどうしようもないだろう。
 事実、トーラスカノンで数機のメギロートを撃破したトーラスも四方八方から攻撃してくるメギロートにはどうする事も出来ず一方的に撃破されていっているのだから。
 そこまでを確認すると、蹂躙と呼ぶに相応しい光景からそっと視線を逸らす。
 そして次に視線が向けられたのは、トールギスと緑のトーラス。
 そう、綾子とノインの機体だ。
 だが、ノインも既にこれ以上は抗うようなつもりもないらしく、本人がコックピットから出て両手を上げ、降伏の態度を示している。

「そうだな、やっぱり一応向こうにも声を掛けておくか」

 呟き、ウイングゼロを空間倉庫に収納すると、次の瞬間には足下に影のゲートを作ってそこに身体を沈め……次の瞬間には、俺の姿はトールギスの足下にあった。

『アクセル!?』

 いきなりの俺の登場に、トールギスの外部スピーカーから驚きの声が聞こえてくる。
 影のゲートにはそれなりに慣れている筈なんだが。

「綾子、ノインは連合軍に送るぞ」
『え? あ、ああ。あたしも、どうしようかと思ってたから丁度いいけど……どうするんだ?』
「こうする」

 そう告げ、丁度近くを通ったバッタを呼んだ。
 するとバッタはそのまま真っ直ぐ地上に向かって降りてくる。
 別に何らかのシステムを使った訳でもないのに、こっちの思い通りに動くバッタを見て驚いたのだろう。
 普段はクールビューティーという言葉が似合うノインだったが、その目を驚愕に見開いている。

「アクセル代表……貴方は……」

 何とかそれだけを言葉に出したノインに、小さく肩を竦めて言葉を返す。

「俺がどういう存在なのかってのは、既に知ってる筈だろ? そしてこの機体は俺達シャドウミラー……このW世界ではなく、ホワイトスターの方で使われている機体だ。もっとも、見ての通り戦闘力はそう高くないんだけどな」

 視線の先でリーオーの撃ったライフルによって貫通され、地上に落下していくバッタを見ながら呟く。
 もっとも、この小ささで普通に空を飛ぶ事が可能という時点で性能は高いと表現してもいいんだが。

「さて、とにかく今は時間がない。お前にはこいつに連合軍まで運ばれて貰う」
「なっ!?」

 ノインにとっても、バッタ……機械仕掛けの虫にしか見えないような存在に持っていかれるというのは色々とごめんだったのだろう。
 不満を口にしようとするが……

「ゼクスは大人しくしてたんだけどな」

 その一言で、ノインの動きは止まる。
 ノインに対しては強力な……それこそ致命的と言ってもいいような効果を持つ言葉だな。
 そうして黙り込んだノインを一瞥すると、再びバッタに向かって命令する。

「この女を連合軍の……さっきゼクスが連れていかれた場所に連れていけ」

 命じると、バッタはすぐに足でノインを捕まえ……そのまま去っていくのだった。

『それで、アクセルはこれからどうするんだ?』
「ああ、この戦いを終わらせてくる。幸い、ホワイトスターと連絡がついたから、もうニーズヘッグを使っても問題なくなったしな。なら、この戦いを終わらせるのも、そう難しい話じゃない」
『……全員を殺すとか、そういうのじゃないよね?』
「当然だろ。俺を何だと思ってるんだよ」
『アークエネミー』

 そう言われれば、俺としてもそれ以上は何も言えなかった。
 大敵なんてクラスを持ってたんだから、そういう風に綾子が思っても仕方がない。

「安心しろって。なるべく人を殺さないようにはするからな」
『……分かった』

 まだ若干こっちを疑っているような感じはしたが、それでも一応はこっちを信じたのだろう。素直にそう頷く。
 それを確認し、空間倉庫から取り出したのはニーズヘッグ。
 エピオンとの決着がついた以上、無理にウイングゼロを使う必要はないからな。
 コックピットに乗り込むと機体を起動し、テスラ・ドライブを使って空中に浮き上がっていく。
 シャドウミラーのフラッグシップだけに、非常に目立つ外見をしたニーズヘッグがそんな真似をすれば、普通なら攻撃されてもおかしくはない。
 だが、空中に向かって攻撃をする相手の姿はどこにもなかった。
 ……まぁ、メギロートだけならともかく、バッタやシャドウといった他の機体まで攻撃に参加してるのだから、逃げ回るなり攻撃を防ぐなり、反撃をするなり……それどころじゃないんだろう。
 事実、地上ではシャドウのビームガトリング砲によってトーラス数機が纏めて撃破されている。
 メギロートだけでも圧倒的だったというのに、そこにシャドウが参戦してしまえば……トレーズ派にとっては、もうどうしようもないというのが正確なところだろう。
 で、その肝心のトレーズはどこにいるんだ?
 正面から正々堂々とした対決を挑んできたトレーズだったが、それでもMS数百機が戦える戦場である以上、相当の広さがある。
 トレーズがどこにいるのかは……

「ああ、いたな」

 そう探すでもなく、見つける事に成功する。
 そもそもの話、トレーズの乗っている機体は、トールギスⅡだ。
 あれ程に目立つ機体は、そうそうない。
 ……機体のベース色が白って辺りで、OZのMSとして考えれば圧倒的に目立つんだよな。
 まぁ、そう考えればシャドウミラーの方が色々と目立つのは間違いないんだが。
 視線の先では、ドーバーガンを使って数機のバッタを纏めて破壊したり、ビームサーベルを使ってメギロートを斬り裂いているトールギスの姿があった。
 へぇ、なかなかにやるな。
 バッタはともかくとして、メギロートはそれなりに性能が高いし、AIの頭もいいんだが。
 それに仲間と連携して行動するという手段を取ってくる事もあり、中々に手強い。
 ……事実、トレーズ派の他の機体はメギロートによって多くが撃破されているのだから。
 いやまぁ、1機でもPTと互角に戦えるだけの性能を持つメギロートに数機掛かりで攻撃をされて持ち堪える事が出来るだけの技量を持つパイロットが、そう多い筈はないんだが。
 そもそも、トレーズ派のパイロットの能力はそれなりに高くても、あくまでもそれなりでしかない。
 OZから横滑りしてきた奴も、これまでの戦いで多くが死んでいる筈だし。
 ともあれ、俺はニーズヘッグをそちらに向ける。
 そうして近付いてきた俺に向かい、1機のリーオーが真っ直ぐに向かってくる。
 それは、ただの……いわゆるノーマルのリーオーではない。
 バックパックに空を飛べる専用の物を装備した機体だ。
 そのリーオーは、周囲から攻撃をしてくるメギロートを振り切って真っ直ぐに俺に向かってくる。
 へぇ……機体制御を見る限り、それなりの技量ではあるみたいだな。
 そんな俺の関心は、次の瞬間には霧散する。

『トレーズ様はやらせんっ!』

 ……そう、オープンチャンネルで聞こえてきたその声は、俺にも聞き覚えのある声だったからだ。
 それは、トレーズ教の狂信者として有名なレディ・アンの声。
 少しだけ高まった、相手パイロットへの期待感が一気になくなったのを感じ、こっちに向かって真っ直ぐに向かってくるリーオーを回避すべく真横に移動する。
 ウイングゼロでもこのような真似は出来ないが、ニーズヘッグの場合はヒュドラにスラスターと機能が限定されたテスラ・ドライブがあるので、フレキシブル・スラスターとしても使用が可能だった。
 勿論それが出来るのは俺が混沌精霊でGに対する強い抵抗力……というか、魔力の関係しない物理法則は無視出来る為だ。
 ともあれ、いきなり自分の目標だったニーズヘッグが消えたレディ・アンのリーオーは、そのまま真っ直ぐ、俺と入れ違いになるような形で後方に飛んでいく。
 恐らく決死の覚悟でこっちに向かって来たんだろうが……狂信者に構っていられる程、こっちは暇じゃない。
 そもそも、そういう奴には関わり合いたくないというのが大きいしな。
 レディ・アンをスルーして、そのまま真っ直ぐにトレーズの方に向かっていく。
 向こうの方でも、俺が近付いてきているのは分かっているのだろう。攻撃は一旦止めてこちらを待ち受けている。
 メギロートやバッタ、シャドウも、俺がこの機体に用事があるというのは分かっているのだろう。トールギスⅡに対する攻撃を止め、他の敵に対しての攻撃を開始した。

「トレーズ・クシュリナーダ。もう勝負はついた。この辺で降伏してはどうだ?」
『残念だが、それは出来ない。まだ戦争の悲惨さというものを世界に見せつけてはいないのだから』

 やっぱりそれが目的か。
 原作でも最終的にはそれが目的だったしな。

「一応、お前には貸しがあったと思うんだがな」
『貸し?』
「ああ。……そう言えば、俺が乗ってる機体の説明をしていなかったな。この機体はシャドウミラーのフラッグシップにして、象徴。……嘲笑する虐殺者の名を持つ、ニーズヘッグだ」

 そう、告げるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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