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レーヴァティン

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第十二話 港においてその六

「それにこうした時はまだるっこしく話すの得意じゃなくてな」
「率直にですね」
「言ったんだよ」
 真実をというのだ。
「こうしてな」
「そうですか」
「それでさらに率直に言うぜ」
 このまま続けるというのだ。
「その方が話も早いしな」
「そうですね、この場合は」
「じゃあいいな、俺はな」
 久志は実際に率直に青年に言っていた。
「あんたに用があって来たんだ」
「私に共に来て欲しい」
「この島の下に海が広がっているらしいな」
「相当な大海らしいですね」
「その中にとんでもなく広い大陸と人々が眠ってるって聞いてるんだよ」
「その大陸とそこにいる人達を救い出したい」
「そして世界をな、この話聞いてるだろ」
「この世界に来てすぐに」
 聞いて知っているとだ、青年は答えた。
「教えて頂きました」
「それでだよ、俺はこの世界を救い出すのが仕事みたいだからな」
 腰にかけてあるレーヴァティン、世界を救うというその剣を見つつ青年に対してさらに話した。
「この剣を抜いて決まったみたいだしな」
「その責務を果たされますか」
「正直気楽な性分だぜ」
 久志は笑みに戻って自分のその性格も話した。
「人生楽しくってな」
「そう考えておられますか」
「深刻に何かしようと思ってないさ」
「そうしたお考えでなくても」
「まあ成り行きってやつだ」
 それでというのだ。
「俺は戦うつもりだよ」
「戦われそして」
「ああ、この島を統一して魔神の軍勢とも讃える様になってな」
「魔神もですね」
「倒すさ」
 そうした考えだというのだ。
「今の俺はな」
「そうですか」
「それでまずは十二人を探そうって思ってな」
「貴方と同じくあちらの世界から来た」
「それでまずはあんたにこうして会えたんだよ
 そうなったというのだ。
「いきなり幸先よくな」
「運がいいと」
「だってよ、いきなり一人会えたんだぜ」
 英雄と別れてだが彼のことはまだ言わなかった。
「俺はかなりついてるぜ」
「そしてですね」
「あんたが一緒に来てくれたら余計にな」
 そうなればというのだ。
「俺はさらに運がいいな」
「確かに。そうなりますね」 
 青年も微笑み久志のその言葉に頷いた。
「私が是非と言えば」
「さて、俺の運はどうなのかな」
「貴方は運がいい人です」
 青年は微笑みのまま久志に答えた。 
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