詩集「Variationen」
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
揺らぐ世界に生まれたのは罪?
ほんの小さな隙間に
風が吹き込んだ気がした
秋の始まり妙に淋しげで
なぜか涙が頬を伝ってゆく…
何も出来ない時間(トキ)数えながら
生きる喜びとうに喪っていた
愛することさえ今はもう
凍てついた魂(ココロ)に阻まれる
揺らぐ世界に生まれたのは罪?
どんなに手を伸ばしても
届かぬ星よ…答えておくれ…
僕の生まれた運命(サダメ)を
小さな声で耳許に…囁いておくれ…
無駄な足掻き笑い飛ばしてる
それを誰が諫めること出来る?
がんじがらめな運命の輪
救われたい思い朽ちて逝くだけ…
自分の傲慢さに怯えながら
手を差し伸べる人達…遠ざけた…
迫り来るリグレット…逃げられない
底の無い泥沼に飲まれてく…
揺らぐ世界に生まれたのは罪?
不確かな明日に不実な魂(ココロ)
ここにある僕は生きててもいいの?
この手を握ってくれる温もりが欲しい…
揺らぐ世界に生まれたのは罪?
満足された時は移ろいゆく幻のように
通り過ぎた風の向うへ静かに消えた…
せめて…
人を癒せるような人生(トキ)を築けるよう…
ページ上へ戻る