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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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44部分:第四話 張飛、馬超と会うのことその八


第四話 張飛、馬超と会うのことその八

「張飛選手と馬超選手の強さは」
「はい、まさに快進撃でここまで来ました」
 その決勝にである。
「ここまで強い人間がいることも驚きです」
「我が陣営でもここまでは中々いませんね」
 審配も真剣な顔で呟く。
「これは」
「これは?」
「いえ、こちらの事情です」
 今はこう言うだけだった。
「ただ。袁紹様にお伝えしなければ」
「あれ、神代が解説者だったの」
「あっ、斗詩」
 たまたま傍に来た顔良に顔を向ける。
「丁度いいところに来てくれたわね」
「どうしたの?」
「あの二人のことを袁紹様のところに」
 真剣な顔で言うのである。
「お考えになられてと」
「わかったわ。それじゃあ」
 顔良も真剣な顔で頷く。これで彼女達の話は終わった。
 そしてだ。最後の勝負がはじまろうとしていた。張飛と馬超はもう対峙している。
 その対峙している張飛がだ。まず言ってきた。
「優勝は貰うのだ」
「おいおい、もう勝ったと思っているのか?」
「そうなのだ。鈴々は負けたことがないのだ」
 こう馬超にも言ってみせる。
「だから絶対に優勝するのだ」
「悪いがあたしもなんだよ」
「それはどういうことなのだ?」
「あたしも負けたことがないんだよ」
 にやりと笑って張飛に返すのだった。
「負けたことはね」
「じゃあ御前はここで今はじめて倒れるのだ」
「でははじめるのだ」
「ああ、どっちが倒れるかここで決まるな」
「はじめ!」
 こうしてだった。闘いがはじまった。両者は互いに突進してだ。そのうえでそれぞれの得物を繰り出し合う。激しい応酬が忽ちはじまった。
 馬超が槍を突き出せば張飛がそれを防ぐ。張飛が蛇矛を横薙ぎに振るえば馬超はそれを受け止めてみせる。両者の実力は互角だった。
「これは凄い勝負になりました!」
 解説者も言う。
「両者互いに譲らず、既に百合を超えていますがまだ決着はつきません!」
「予想以上ね」
 それを見た審配がまた言う。
「二人共」
「予想以上ですか」
「進言して正解だったわ」
 そしてこうも言うのだった。
「この二人、是非共」
「是非共」
「こちらのお話です」
 その内容までは言わないのだった。
「ですから」
「はあ。そうですか」
「さて、この闘いは」
 また言う解説者だった。審配をよそにだ。
「どうなるでしょうか」
 二人の闘いは続く。やがて二百合を超えた。
 だがそれでも決着はつかない。二人は業を煮やしそれぞれ跳んだ。そして空中でも激しく打ち合う。
「こんな奴は三人目なのだ、いや四人目なのだ!」
「四人目!?」
「鈴々と闘える奴は四人目なのだ」
 張飛は着地してから言う。
「御前、かなりやるのだ」
「そうだな。あたしもそう思うよ」
 馬超もだというのだ。
「あんたみたいな相手ははじめてさ」
「そうなのだ」
「そうさ。それでもこれで終わらせるか」
 あらためて構える馬超だった。
 
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