恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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436部分:第三十五話 守矢、雪を止めんとするのことその六
第三十五話 守矢、雪を止めんとするのことその六
「そこで話を聞いてだ。ここまで来た」
「そうなのね」
「そうだ、間違いなくこの辺りにいる」
「だからここにいるんだ」
馬岱もそれがわかった。
「成程ね」
「探している。ここでな」
「それだったらですね」
「私達も」
孔明と鳳統が言ってきた。
「私達も協力させて下さい」
「是非」
「それでいいのか」
守矢は二人の言葉に問い返した。
「私はこの世界の人間ではないのだが」
「私達だってそうよ」
「その通りよ」
こう話すのは神楽とミナだった。
「私達だってね」
「劉備さんのところにいるから」
「劉備。聞いたことがある」
ここで守矢の言葉が少し変わった。
「確か北にいる皇族の姫将軍だったな」
「あれっ、私将軍だったの?」
劉備は今の守矢の言葉にきょとんとした顔になった。
「そうだったの」
「そう聞いているが違うのか」
「だって私ただ桃家荘にいるだけだし」
劉備はありのままこのことを話した。
「そんなことは」
「ないか」
「全然。そんなのありませんよ」
こう守矢に話す。
「官位もありませんし」
「そうだったのか」
「はい。それでなんですけれど」
劉備も彼に言うのだった。
「その雪さんですよね」
「そうだ」
「この辺りにおられるんですよね」
またこの話になった。
「それだったら本当に」
「探すことに協力してくれるか」
「はい、それでよければ」
「よければ?」
「私達のところに来ませんか?」
無自覚のうちに勧誘もしている。無自覚なのが劉備らしい。
「桃家荘に」
「そこにか」
「ここからかなり離れていますけれど」
このことを話すことも忘れない。
「幽州ですし」
「幽州といえばかなり北だな」
「はい。そこにどうでしょうか」
笑顔で彼を誘う。
「宜しければ」
「そうだな」
守矢は一呼吸置いてから彼女の言葉に応えた。
「そちらさえよければ」
「はい、じゃあ御願いしますね」
「済まないな。人探しだけでなく宿まで貸してくれるとは」
「いえ、それはいいです」
それはだというのだ。
「それじゃあこのお話が済みましたら」
「北に行かせてもらう。既に地図は持っている」
地図のことは守矢から話してきた。
「だから自分で辿り着ける」
「随分としっかりとした御仁だな」
関羽はそんな彼に感心している。
「腕が立つだけではないか」
「中々切れ者なのだ」
張飛も言う。
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