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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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431部分:第三十五話 守矢、雪を止めんとするのことその一


第三十五話 守矢、雪を止めんとするのことその一

            第三十五話  守矢、雪を止めんとするのこと
 孫策は建業に帰るとだ。すぐに政務の日々に入った。
 己の席で木簡を見ながらだ。うんざりとした顔になっていた。
「あ~~~あ、いつもながら」
「何でしょうか」
「嫌になるわね」
 こう左右にいる張昭と張紘に対して言う。
「政務はね」
「雪蓮様、しかしです」
「政務こそはです」
「わかってるわよ」
 長老二人の言葉に今度は苦笑いになる。
「絶対にしないといけないのよね」
「戦も大事ですが政もです」
「怠ってはなりません」
「わかってるけれどどうもね」
 また言う彼女だった。
「私はこういうのが好きになれないのよ」
「我儘を言わずにです」
「しっかりとやって下さいませ」
「ええ。しかしこういうのってね」
 何だかんだで手を動かしながら話す。
「蓮華の方が好きみたいね」
「蓮華様は真面目な方ですから」
「それにどちらかというと政務の方がお好きです」
 それが孫権だというのだ。
「しかし雪蓮様も真剣にやられれば政務はお見事です」
「ですから頑張って下さい」
「ううん、わかってるけれどね」
 それでもだというのだった。
「こういう仕事はどうもね」
「あの、雪蓮様」
 ここで陸遜が来た。
「いいですか?」
「いいですかってまたなのね」
「はい、またなんですう」
 陸遜はおっとりとした声でにこにことして話す。
「お仕事が来ました」
「仕事ってのは減らないものね」
「だからです」
「怠ってはならないのです」
 ここでまた二人の長老が言う。
「遊んでいる暇はありませんから」
「今日の分は今日終わらせましょう」
「やれやれ。貴女達には適わないわね」
 孫策も揚州の二人の長老には頭が上がらなかった。
「それでこれが終わったらよね」
「はい、また人材が来ていますので」
「御会い下さい」
「今度は誰かしら」
 少し首を傾げさせて言う孫策だった。
「揚州もそれなりに集まりだしてるけれど」
「それは御会いしてからですね」
「見極められるといいかと」
「そうね。それにしても本当に」
 孫策は木簡を一つ処理し終えてから話す。
「これだけ色々な人材が来るのもね」
「凄いですよね」
 陸遜がここで言う。
「ユニークで楽しい人達ばかりだし」
「袁術のところはさらに壮絶らしいけれどね」
「その様ですね」
「董卓殿のところも」
「董卓のところには鬼が二人いるらしいけれど」
 その鬼達の噂も遠く揚州にまで聞こえてきていた。
「どんな連中なのかしら」
「何でも情け容赦が全くないとか」
「冷酷にして凶悪だとか」 
 張昭と張紘もこう聞いていた。
「規律に厳格なこと鬼の如し」
「しかも疲れを知らないとか」
「絶対に会いたくないわね」
 孫策は難しい顔になって述べた。
 
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