恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
424部分:第三十四話 田豊、策を用いるのことその六
第三十四話 田豊、策を用いるのことその六
「私達の世界の将ですね」
「そんなところか?」
「将軍ではありませんよ」
ウィップは笑顔でこう彼女達に返した。
「軍人ではありますが」
「軍人?そちらの世界の兵でしたわね」
袁紹はこの呼び名は聞いていた。
「それはもう聞いてますわ」
「そうですか。それは何よりです」
「それと」
いるのはウィップだけではなかった。
「貴方達は何といいまして?」
「ああ、俺はラルフ」
「クラークだ」
ラフなジーンズ姿の二人だった。どちらもたくましい長身であり。一人は赤いバンダナを巻きもう一人は青い帽子だ。どちらも彫の深い顔だ。
「戦うのが仕事さ」
「そういうことだ」
「そうですわね。それでは」
袁紹は二人にも話した。
「その力見せてもらいますわよ」
「ああ、ちなみに好物はガムだ」
「俺はオートミールだ」
「ガム?オートミール?」
袁紹はこの二つの単語には眉を顰めさせた。
「何ですの、それは」
「ああ、知らないか」
「こっちの世界の食べ物だ」
二人はこう袁紹に話した。
「ガムってのはお菓子だ。噛んで楽しむものでな」
「噛んで」
「餅のしつこいやつだと思ってくれ」
ラルフの説明ではそうである。
「中々いいものだぜ」
「そうなのですの」
「それとオートミールはだ」
今度はクラークが説明する。
「大麦に牛乳を入れた粥だ」
「それならすぐにできますわね」
袁紹は大麦に牛乳と聞いてすぐに述べた。
「わたくしの国では山羊の乳の方がよく飲まれますけれど」
「ああ、それでもまあいける」
クラークは山羊の乳でもいいとした。
「とにかくだ。俺はそれが好きだな」
「成程、では後で料理人に作らせますわ」
「いや、それはいい」
クラークは袁紹のその申し出を断った。
「自分で作れる」
「そうですの」
「自炊も得意なんでな」
笑ってこう話す。
「二人だけで何度も何万も敵がいる場所で戦ってきたしな」
「ははは、あの時はいつも大変だったな」
笑って応えるラルフだった。
「死んでもおかしくないだけのな」
「そうだな。それでも楽しい戦いだったな」
「確かにな」
二人で話す。そうしてであった。
最後の青髪を後ろで束ねた半ズボンの軍服の少女だった。研ぎ澄まされた美貌をそこに見せている。
袁紹はその少女にも名前を問うた。
「貴女は」
「レオナ」
こう名乗った。
「宜しく」
「ええ、わかりましたわ」
右手で敬礼する彼女に応えた。
「それでは貴女も」
「戦う」
「まあこの世界に来たのもな」
「何かの縁だしな」
ラルフとクラークは笑いながらこう話した。
「しかしまああれだよな」
「俺達の他にも色々来てるんだな」
「ああ、かなりいるぜ」
文醜が笑ってラルフとクラークに述べた。
ページ上へ戻る