世界をめぐる、銀白の翼
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第四章 RE:BIRTH
戦う君は 美しい
「唯子・・・・・来たのか」
「あんたが出てきたって聞いてね」
翼刀が目を逸らす。
唯子をまともに見ようとしない。
「お前と戦う気はない!!」
「今まで散々たくさんの人と戦ったのに、私だけ違うってどういうことよ?」
「―――――困るんだよ・・・・・!!!」
ダンッッ!!
翼刀がバックステップでそこから去り消えようとする。
しかし
「どこ行くのよ!!」
「くっ!!」
唯子が後ろから掴み掛かり、地面に向けて投げ落とす。
翼刀は両腕で地面に受け身を取り、跳ねるようにして着地、衝撃を殺して上を見る。
そこから視線が降りていき、その先に唯子が降り立った。
少女は構えて、名を名乗る。
「鉄流門下生、綺堂唯子」
そして、脚を踏み込み
「行くわよッッ!!!」
地面を軽く爆ぜさせ、翼刀に向かって突貫していった。
「ウォッっ!!」
それを翼刀は掌で受けていなし、唯子の拳を回避した。
だがそうされることを最初から知っていたのか、唯子は即座にブレーキをかけてそのまま翼刀に向かって回し蹴りをブチ当てた。
辛うじてガードした翼刀だが、そのガードごと身体が吹っ飛び、脚を踏ん張る。
跡には二本の平行線。地面に刻まれたそれが、彼に目の前の敵を認識させた。
「唯子・・・この力は・・・・!!」
「あんたに目を覚まさせる、私が手にした力よ!!」
「あの・・・あのお前が・・・・ッッ」
唖然としてしまっている翼刀に向かい、さらに唯子の攻撃は止まらない。
走り込みからのパンチ。
そのパンチを翼刀が受け止め、柔術の要領で手首を捻ってその場で投げる。
宙を回転し、翼刀の足元に落ちていく唯子。
しかし回転しながら翼刀の頭に向かって足を当てそれを回避。
その手が離れたと同時に踵を肩に落とし少し距離を取る。
「チッ・・・・」
「やっぱり強いね」
「・・・・・俺は・・・・」
「だけどまだ本気じゃない!!!」
「!?」
唯子が叫びと共に、脚を振り上げる。
それはサッカーのキックにも見える姿勢。
翼刀との距離は数メートル離れてしまっている。
届かない。
だが、彼女が蹴りつけるものは別だった。
「ダぁッッ!!!」
唯子の足が足首まで地面にめり込んで、コンクリートに舗装された街道を抉り取って翼刀に向け、散弾にして吹っ飛ばしていったのだ。
それには翼刀も面喰い、ヴァルクヴェインでそれをすべて弾き防ぐ。
だがあまりに多くの石飛礫だ。そのうちに翼刀は唯子の姿を見失う。
「どこだ!!」
「パニッシャぁぁぁーーーーー!!!」
「!!!」
「キィック!!!」
唯子の声がしたのは、真上から。
それを感じ取り、翼刀がその場から飛びのく。
するとコンマ一秒にも満たないタイミングで、さっきまで彼がいた位置に唯子の足が落ちてきた。
ダッゴンッッ!!
と凄まじい轟音と、地面を揺らす振動を放ち着地した唯子。
目の前には翼刀がいるが、しゃがみこんでしまった唯子は動けない。
その翼刀の手がこちらに伸びてくる。
回避できない。
だがまだ、終わってはいない。
「ただのキックなら叫ばないっての」
「!?」
地面に叩き込まれた衝撃。
それはまだ発散されきっていない。
ゴッ、バッッ!!ズンッッッッ!!!!
唯子を中心にして地面に亀裂が入り、半径五メートルが一瞬陥没、その後爆発したかのように跳ね上がったのだ。
その上にいた翼刀には、当然全身をとんでもない衝撃と瓦礫が叩きつけた。
腕をクロスさせてガードする翼刀だが、そうしていても衝撃には吹き飛ばされる。
そして、吹き飛んでいる間に唯子の体勢は整いきって―――――
「パニッシャァーーーーー!!!」
「それかッッ!!!」
「パァンチッッ!!!」
ス、ゴンッッッ!!!
よろける翼刀の頬に唯子の拳がピタリと当てられ、そこから衝撃がぶち込まれて後頭部から地面に衝突した。
それは殴りつけられる、とかいう表現よりも、地面に落ちたというのが正しい感覚だった。
両足が浮いた翼刀に、それを踏みとどまる事などできるはずもない。
「ごッ・・・・ッつ!!!」
しかし翼刀は後頭部にそのダメージを食らいながらも、後ろ受け身を取りそのまま後転して立ち上がる。
そこにさらなる唯子の追撃。
飛び掛かるかのようなパンチから始まる猛攻。
それを上腕や手刀で受けて反撃する翼刀。
反撃もするが、相手の攻撃の方が速い――――――
「こんなになるまで・・・・お前は一体何をしたんだ・・・・!!!!」
「強くなる道は一つよ!!ただ・・・・自分の目標に向かって!!!」
ギチッッ!!!
「突き進む!!!」
ドンッッ!!!
唯子のことさら握りしめられた拳が翼刀の顔面に突撃する。
至近距離からの攻撃。
しかし、翼刀はそれを見切っていた。
ガシィ!!
「!!」
「・・・・あぁ・・・・お前はこんなに・・・・強くなっちまったんだな・・・・」
「・・・そうよ。人はこんなにも強くなれる」
「そう・・・だ・・・・」
「そう!!あんただっていつまでも泣いてんじゃない!!この私がここまで強くなれたんだから!!あんただって・・・」
「あんなに戦うことが苦手だったお前を、そこまで変えさせてしまった原因は!!!」
翼刀が掴んでいた唯子の拳を放るように投げる。
唯子は難なく着地するが、翼刀は泣きそうな顔に手をかぶせて唯子に向く。
「お前をそんなに変貌させてしまったのは俺だ!!俺のせいでお前をそんな体にした!!」
「違う!!」
「違うものか!!俺は街どころか、お前すらをも変えてしまった!!!」
そう、その変わり様は凄まじいもの。
道場では一、二を争う弱い女の子。
守ってあげなきゃいけなかった子。
何よりも守りたかった、大切なもの。
それすらもこんなに変わり果て、自分の前に現れて
それは、鉄翼刀の心に巣食う、罪罰の痛みを加速させる。
「止めてくれ!!お前はオレを苦しめるだけだ!!」
「じゃあ苦しみなさいよ!!」
「な・・・・」
泣き言を言う翼刀に、唯子が激昂する。
見ると、唯子の目には涙が溜まっている。
だがその顔は「泣き」に崩れるどころか、凛とした美しさを放っていた。
鋭い目つきが、翼刀を突き刺す。
「私だって辛かった!!苦しかった!!あの実験室で、私も確かに死ぬような思いをしたのよ!!」
「だからッ・・・・!!」
「だけどそれは貴方にやらされたわけじゃないッッッ!!!」
「っ!!」
「あんたのせいでこうなったって?うぬぼれないで翼刀!!そんなすべてを背負うなんて、私たちには無理に決まってるじゃない!!!」
「だが!!これは俺の罪だ!!」
「そうよ!!でも「今のこの私」を選択して掴み取ったのは、ここにいる綺堂唯子よ!!!」
そうだ
私は一度として仕方ないから、しょうがないからと思ってやったことはない。
口では何とでも言おう。
「しょうがないわね」「仕方ないわね」「そんなつもりじゃないんだから」
本音を言うのはいつだって恥ずかしい。
だけど、一番弱くても道場に行ったのも、翼刀のそばにいたいのも、あの「実験」を受け入れたのも―――――!!!
「今までの私を作り上げてきたのは間違いなくここにいる私自身!!そのすべての幸福、成功、そして失敗も、後悔も、惨劇も!!!全部私の歩んだ道だ!!いくら翼刀でも、そのすべてを取らせるわけにはいかないのよ!!!」
「じゃあ・・・おれは・・・・」
「確かにね、翼刀の罪は罪よ。でもね、逆に言えばあなたは貴方の罪だけ背負っていればいい!!」
言わんとすることはわかる。
だが、そんな言葉で簡単に流せるような罪なら、自分はここまで苦しみはしない!!!
「いまさらそんな簡単に受け入れられるか!!なんでお前はそんな風に考えられるんだよ!!」
翼刀の言葉。
確かにそうだ。
彼が背負った業は、自分の物だけで考えてもあまりにも深く、重い。
だが、それでも乗り越えなければならない。
人は、前進しなければならないのだから。
「―――――不動ヨリ始マル」
「・・・? それは・・・・・」
「覚えてる?道場にあった言葉」
「・・・・思い出させるな・・・あの頃のことを思い返すと・・・・!!」
「失ったのが辛くても、思い出しなさい!!あなたの、鉄流に流れる教えでしょ!!」
動クコト、不動ヨリ始マル
それが彼の家に伝わる、鉄流の極意。
始めに不動在りとしてきたその真意。
何かを始める時は、まず最初に「動くな」
「進むな」「歩みを止めるな」ではない。
つまり、立ち止まって考えてみるということ。
決して思考と止めるな。歩み続けろ。
眼を覚まし続けていろ。
それは唯子の攻撃にも見える。
彼女の決めには、打ちこむものはない。
不動拳、不動脚
全て不動から衝撃を叩き込むもの。
しかし、翼刀はどうだろうか。
立ち止まることを恐れ、考えることを拒絶してしまった。
動き続けて、すべてを忘れようとしている。
頭を覚ませ。
覚悟を決めろ。
歩み始めるのはそれからだ。
それすらせずに走り始めて、何が解決するというのか。
目的も何もなく動き始めて、一体何があるというのか。
たとえ曖昧な行き先であっても、自分の歩む足場くらいは思考せよ。
「それが基本よ。そして、その先に――――!!!」
綺堂唯子だって、どれだけ悩んだことだろう。
いつもは悩まぬ彼女が、どれだけの苦悩を経て、今の状態を作り出しているのか。
唯子が構える。
不動
そして、前進
「今から全力で行くわよ、翼刀」
「クッッ・・・・」
「あぁ、私相手だからって手を抜くと」
ドォッッ!!
「死ぬわよ」
「ッッ!?」
「命懸けで、全力で防ぎなさい!!翼刀!!」
―――――それが生きるってことでしょう!!!
唯子の全身から何かが噴き出す。
それは気力とも、オーラともいえるものだった。
鉄翼刀は感じ取る。
今の彼女から発せられるこれは、虚言の類では決してない。
避けるか?
いやダメだ。そんなことができる速度じゃないだろう。
捌くか?
いやダメだ。そんなことをしたら腕ごと上半身がえぐり取られる。
受け止めるか?
・・・出来るのだろうか。あの力を前にして。
前進する力。
踏み出す勇気。
どんな状況でも、彼女はあきらめなかった。
街が危機にさらされている時も
自分が洗脳され、取り戻せない時も
不必要だと言われて、処分されそうだった時も
洗脳され、街から救出された時も
そこから目覚め、絶望を知った時も
想い人が敵だと、再認識した時も
それを奪う相手が、最強最悪の翼人だと知った時も
そう、たとえ、どんな時も
万人が崩れて、立ち上がれないような絶望の淵で
たとえ自分の力が及ばない領域にそれがあろうとも、彼女は決して諦めなかった!!!
嗚呼、それの何と美しいこと。
見よ
彼女が歩むその跡に残る、気力の粒子を
星のように煌めき、闇夜に映るそれは立ち向かう光
それを見て、翼刀も拳を構える。
「・・・・こいよ・・・お前が終わらせてくれるなら、それが一番いい・・・!!」
「バカ言わないでよ」
唯子の声には――――
なぜだろうか、煌めきがあった。
まるで光っているかのような声。
透き通る、音。
五体のすべてが呼びさまされるかのような感覚。
「終わらせるんじゃ・・・ない。過去から今に、そして未来に、全部続いている!!終わりなんてどこにもない!!!」
ではなにか
それの問いに、唯子は答える。
「こういうのはね、始まりでも終わりでもなくて」
――――――区切り、っていうのよ
ドウッッッ!!!
綺堂唯子が駆ける。
拳を握り、振りかぶる。
(唯子が放つのはパニッシャーパンチ!!不動からの拳なら俺の方が歴は長い!!)
だから、翼刀は動かない。
拳を前にし、触れた瞬間に衝撃を叩きこむつもりだ。
翼刀はこう思った。
唯子が振りかぶるのはあいつが「そういうもの」だと思っているからだ。
あいつは何かとすぐに動くやつだった。
まず行動、という人間だ。
だからうちの流派にも馴染まなかった。
あれだけ言われていたのに、いまだ突きのモーションを振りかぶる。
不動拳は構えていればいいどころか、熟練した者は触れていさえすれば打てるのが優位点なのに。
あれではタイミングを合わせてくれと言っているようなものじゃないか
「ッ・・・・」
いや、これ以上はやめよう。
昔の思い出は毒にしかならない。
だが、彼は気づいているのだろうか?
この思考そのものが、すでに前進への第一歩であることに。
止まり、思考する
初歩の初歩である「不動」の段階だということに。
そして目の前の少女は、すでにその段階を越えていることに
「ハァあああああああああああ!!!」
唯子が拳を振り下ろす。
それが触れるタイミングに合わせ、翼刀が全身を内から捻り上げて衝撃を腕に込める。
そして、不動拳の為に、唯子が拳を
「ダァッっ!!」
ドォッッッ!!!
――――――――――――止めなかった。
「なっ!?グォォオッッッ!!!!!」
「言ったでしょ!!手を抜いたら」
―――――命はないわよ!!!
ゴッッッ!!!
さらなる衝撃。
すべては唯子の拳からそれが送り込まれる。
無論、翼刀も己の持つ力すべてを送り込んでいるつもりだ。
渡航力から来る歪みの力も、全部拳に載せている。
にもかかわらず、唯子の拳は止まらない!!!
「この技は――――!!!」
「そう!!不動から至り、そして動と共に打ち出す拳!!」
単純な話
これは不動から打ち出す拳に、振りかぶりからの勢いも付けたらどうなるか、という話だ。
当然、それは強くなる。
だがそれを行うのは言うほど楽じゃない。
何せ思い切り殴り打ち込み「押し貫く」のと、当てた状態から衝撃のみを「押し当てて叩く」の二つを同時にこなすのだから、筋力にかかる負担も計り知れないものだ。
それは二つの相反する事象の再現。
もはやそれは努力や才能でどうにかなるものではない。
それは「武術」の領域を越え、「魔術」へと至り、「魔法」と呼ばれるものに昇華される。
綺堂唯子は”no Name”の人間だ。
世界が結合しても、力の解放がなかったもの。
しかし、この力を発揮するにはそれではダメなのだ。
ならば、どうしたのか。
簡単である。
開かない扉は―――
「抉じ開けるッッ!!!」
キィィーーーーン!!という甲高い音がして、唯子の左手から光が漏れる。
そこに握られれているのは、一つの鍵。
我々も見た頃がある、あの鍵。
それはこの世界の主人公の力を開放し、幾度となく翼人を覚醒させたあの鍵である!!
「越えたいと、心から願った」
ブァアッ!!
「あなたにこの手が、届くように!!」
シュ・・・ゴッ!!
「そして、この鍵を手に入れた」
ギチィッッ!!!
「新しいわたしへの、解放の扉!!!」
その場に、唯子を中心に気力の粒子とオーラの膜が吹きすさぶ。
それはまるで妖精の踊り場のようであり、激しさは美しさへと直結する。
「真!!!」
その力が結集し、唯子の拳が翼刀の拳を粉砕する。
「パニッシャァーーーーーーーーー!!!!」
翼刀の拳がほどけ、指が押し退かされて開き
「パンチィィーーーーーー!!!!」
腕で受けきれなくなったその衝撃が、翼刀の顔面を正確にとらえる。
翼刀の目には、すべてがスローに見えた。
砕かれる拳
受けきれない想い
それはあまりにも彼にはまぶしかった。
その目の前の光を見て、つぶやいた。
「嗚呼・・・戦う君は・・・・・・美しい」
そして、視界が暗転する。
唯子の拳が、翼刀の体を跳ね飛ばした。
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「ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ・・・・・!!!」
両肩をダラリと下げ、唯子が滝のような汗に片目を閉じて先を見る。
目の前には、自分が拳と共に放った気力とオーラで瓦解した道路とビル群がある。
だがそれがはっきり見えるわけではなく、今だそこに残留する気力の粒子で霧のようになっている。
光が停滞している、という表現が正しいかもしれない。
この先には、おそらく翼刀がいるのだろう。
手応えからして死んではいないはず。
だが、いつまでたっても彼がやってくる気配はない。
いや、途中からわかっていた。
彼の気配そのものがそこにない。
『唯子さん、唯子さん!?』
「あ・・・はい・・・なんですか?」
そこで通信が入る。
相手はアリスだ。
『すごい息切れですよ!?何をしたんですか!?というかまさか・・・!!』
「えっと?」
『「鍵」です!!私が分からないと思いましたか!!まったく・・・あれは本来世界からの干渉があって初めて現れるものですよ!?それを個人が手に入れるなんて、聞いたことがないです!!!!』
「あ、すみません・・・・」
『・・・・しかし開けてしまったものはしょうがないです。今すぐ戻ってきてください』
「え?でも私これから・・・・」
『も ど り な さ い!!世界のバックアップのなしにそんなことして、体に異常がないかのチェックは当然です!!!』
「あ、はい・・・わかりました・・・・」
あまりの剣幕についヘコヘコと頭を下げてしまう唯子。
通信越しなのに。
そして、唯子が最後に光の方を見る。
そこには確実に、人の気配はなかった。
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ズル・・・・・
唯子・・・・お前がここまで・・・変わっちまうなんて・・・・
だけど・・・・そうか・・・おれは、オレの罪を・・・か・・・・
でも・・・さ・・・・・
じゃあ俺の罪は何処からなんだ・・・・・?
鉄翼刀は悩む。
背負うべきものは何か、と。
幼いころに、機関の言葉に乗ったことか
大きくなって、力にあこがれたことか
成長して、それでも夢を追ったことか
誰もが言うだろう。
それは不可抗力だ。
彼は利用されただけなのだから。
しかし、彼は自分に何かを課さねばならなかった。
そうでなければ、自分を維持できない。
鉄翼刀は静かに去る。
それを見つけ出すために。
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「ユキさん。唯子さんが戻ってきたらお願いしますね?」
「わかりました。ちゃんとお灸据えときます(グッ)」
「任せます」
空が白みだすころ、アリスが長岡に戻ってくるであろう唯子のことを頼んである一室に向かう。
扉のタグに書かれた文字は、「蒔風」
彼の私生活スペースだ。
腰に手を当て「よしっ」と意気込み。
アリスが、ドアノブを捻る。
起こさなければならない人間が、ここにいる。
to be continued
後書き
翼刀VS唯子はどうでしたでしょうか!!
作者の脳内でのBGMはなぜか「レーザーブレードのテーマ」と「光戦隊マスクマン」でした。
作中に出てきた「鍵」は、アリスの言うとおり世界からのバックアップ(WORLD LINK)で正常になるもので、個人が手に入れられるものじゃないんです。
そこに至るとはこの女、化け物か!!
あとあくまでも「鍵」は力の扉を開くモノで、開いたからと言って翼人になるわけではないのであしからず。
綺堂唯子は一直線すぎてどこまでも突き進むんですよね。
本当に原案から変わってしまったなぁ・・・・
そして、翼刀は答えを見つけるためにぶらつきます。
もちろん、彼に最後のピースをあてはめさせるのは、あの男しかいませんよね!!
さて、次回は蒔風編。
一体どうやって彼を立ち直らせるのか!!
アリスの呼んだ助っ人とは、荒療治とは何を言っているのか!!
次回をご期待ください!!
次回、蒔風・立ち上がり戦記
ではまた次回
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