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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1745話

「はぁ? 本気で言ってるのか? ……それとも正気で言ってるのか? って聞いた方がいいのか?」

 中東連合のレジスタンスに対して補給物資を運んだりする日々をすごし、暫くが経つ。
 季節的にはそろそろ冬に足を踏み入れてもいいだろう時季になってきた。
 その間、俺達は最初にやったようにレジスタンスに協力してトレーズ派の基地を攻撃したりもしていた。
 ……おかげで、何気にMSがかなりの数入手出来たのは、俺にとっても嬉しい誤算だった。
 ともあれ、今日の依頼ではトレーズ派の基地を襲うような真似はせず、ただ物資を置いて戻ってきたのだが……そこで待ち構えていたかのようにサリィに連れていかれ、そうして案内されたのはノベンタの執務室だった。
 映像モニタには連合宇宙軍の本拠地D-120コロニーにいるセプテムや、シャドウミラーを実質的に動かしている凛、サンクキングダムのドーリアン、中東連合のカトル……といった面々も集まっている。
 まさに、連合軍を中心とした反トレーズ派の面々が集まっていると言ってもいい。
 そうして何かを話し合っていた場所に、俺が少し遅れてやってきた訳だ。
 ……別にこの会議は前々から決まっていたとか、そういう事ではないから遅刻したという訳でもない。
 ああ、それとロームフェラ財団のデルマイユは連合軍に軟禁されている。
 あの男には、どこにも居場所がないしな。
 ロームフェラ財団はトレーズに乗っ取られ、そうなれば当然デルマイユが持っていた屋敷や別荘といった場所にも手を回しているだろう。……それ以前に、結構な頻度で俺がデルマイユの屋敷や別荘を襲撃してたから、それも影響しているのかもしれないが。
 知り合いの下に身を寄せるという手段もないではなかっただろうが……デルマイユの性格を考えれば、本当の意味でデルマイユの味方をするような奴が何人いるのやら。
 デルマイユ自身もそれは分かっているのだろう。
 その結果が、連合軍に身を寄せて軟禁される……という手段だった。
 ただ、連合軍に身を寄せていても、この一連の戦乱が終われば当然のように戦争裁判のようなものが開かれる事になる。
 そうなれば、確実にデルマイユはそれに引っ立てられる事になり、罰を受けるんだろうが……その辺り、どう考えてるんだろうな。
 まぁ、トレーズは何だかんだと厳しい時は厳しい。
 今トレーズに見つかって死ぬよりも、戦争裁判で懲役刑を食らう方がマシだと考えたのかもしれない。
 デルマイユにある財産を考えれば、もしかしたら懲役ではなく罰金で済む可能性もあるし。
 ともあれ、デルマイユが何を考えているのかは分からないが……それはともかく。

「うむ。少なくてもトレーズ・クシュリナーダ自らの通信である以上、ある程度は信じてもいいだろう」

 ノベンタが俺の言葉にそう言ってくるが……もしそれが本当だとしたら、トレーズは一体何を考えている。
 俺がそう思ってしまうのも、仕方がないだろう。
 何故なら、トレーズは連合軍に対して正々堂々とした決闘を挑んできたのだから。
 勿論この場合の決闘というのは、1対1で戦うという事ではなく、正面から堂々と勢力同士として戦う事だ。
 民間人に被害を与えないように云々、兵士に余計な被害を与えない云々、経済的な損失云々……そして騎士道云々。
 まぁ、単刀直入に言えばこのまま戦いを長引かせるのはエレガントではないから、1回の戦いで勝負をつけようと、そういう事だ。
 その考えは分からないではない。
 それに、普通であればそんな馬鹿な事をと思ってしまうのは当然なのだが、今回の場合は相手がトレーズ本人だということもあり、不思議と納得してしまう。
 ただ、問題なのはトレーズ派がそれを守るのかという事。

『トレーズ・クシュリナーダ本人は信用出来る。だが、全員がその意志に従うとは有り得ないのではないか? 特に、奴の腹心のレディ・アンという女は、以前自分達の勝利の為にはバルジでコロニーを撃つと脅してきた相手だぞ? ……まぁ、そのバルジも結局はアクセルに奪われたみたいだが……』

 最初はトレーズの申し出を怪しんでいたセプテムだったが、俺の方に微妙な視線を向けてくる。
 まぁ、バルジは今も俺の空間倉庫の中にあるんだし、そうなってしまってもおかしくはない。
 バルジか。……本当にどうしようもなくなったら、それこそバルジを使ってオペレーション・メテオの如くトレーズ派に落下させてやってもいいんだよな。
 いやまぁ、そうなれば地球環境が大きな影響を受けるし、何より勝利しても実行した俺……延いてはシャドウミラーを雇っていた連合軍が非難される事になってしまう。
 どうしてもこちらがピンチで、負ける寸前でもなければ、コロニー落とし……この場合は宇宙要塞落としか? そんな手段を取る事は出来ないだろう。

「ま、その件はともかくとしてだ。問題はトレーズからの挑戦を受けるのかどうかだな」
「……厄介な事に、向こうはこの映像を様々なメディアを通じて地球、そしてコロニーの者達にも知らせている。もしこの状況で戦いを避けた場合、周囲のこちらを見る目、兵士達の士気、それ以外にも様々な面で厄介な事になりかねん」
「なるほど」

 当然トレーズもそれは狙ったのだろう。
 これでこちらが応じなければ、連合軍はトレーズ派との戦いから逃げ出したというレッテルを貼られる訳だ。
 勿論戦争というのは、最終的に相手に勝てばいい。
 だが……それでも、トレーズにとっては自分達が優位に事を運ぶ為にこのような手段を選択したのだろう。
 エレガントに……か。
 もっとも、この作戦はかなり嫌らしい作戦だ。
 そう考えれば、実はこの作戦を考えたのはレディ・アンやアハト辺りでも驚きはしないが。

「それで……どうするんだ? 向こうの手に乗るのか?」
『それは、どうでしょう? 向こうがこうして挑発してくるのですから、当然向こうには勝機があるのだと思うのですが』

 映像モニタの向こう側で、カトルが心配そうに呟く。
 ちなみにサンクキングダムに亡命している中東連合の上層部だったが、ヒイロやドーリアンの映っている映像モニタとは別々の物だ。
 この辺り、一応別国家という体裁を整えているのだろう。

「罠、か。……けど、向こうに出来る罠なんか、それこそ数える程しかないと思うけどな」

 カトルの言葉に、そう呟く。
 MDを使えるのであればまだしも、トレーズがこうも堂々と宣言してきたという事は、恐らく……いや、間違いなくMDを大々的に使ってくるような事はしないだろう。
 勿論トレーズ以外の者……レディ・アンとかであれば、MDを使ってこっちを罠に嵌めようという風に考えても不思議ではないのだが。

『いっその事、アクセルがトレーズを捕らえてくるというのはどうだ? 魔法を使うアクセルなら、そのくらい出来るんじゃないか?』

 セプテムの言葉に、全員の視線が俺に向けられる。
 その中でも凛は感心しないといった視線だったが。
 ともあれ、俺はその言葉に対して首を横に振る。

「無理だな。……まず第一に、トレーズがどこにいるのかが分からない。向こうがどこにいるのか分からなければ、それこそどうやってトレーズを捕らえるのかという問題になる」
『それこそ、魔法か何かで……』
「残念だが、魔法はそこまで万能じゃないんだよ。いや、もしかしたらそういう魔法もあるのかもしれないけど、残念ながら俺はそういう魔法を使えない」

 もしくは、凛の魔術なら……そう思わないでもないが、それを口にすれば間違いなく凛は反対するだろう。
 この世界でも魔術は……神秘は秘匿されるべきものなのかどうかは分からないが、そもそも凛はそういう世界で育ってきたのだ。
 すぐにその価値観を変えるというのは、難しいだろう。
 これがホワイトスターにいるのであれば、それこそ幾らでも普通の魔法を使っている光景を見る事が出来るので、ある程度時間は掛かるだろうけど認識を変える事が出来るかもしれないが。

『そう、か。魔法というのも万能じゃないんだな』

 残念そうに呟くセプテムの言葉に、映像モニタに映し出されている他の面々も同意するように頷く。
 まぁ、本当にどうしようもなくなれば、その手段はないでもない。
 それこそ、トレーズ派の有している基地に行って、スライムを使って全て調べた後で暫く使い物にならないように破壊するなり、吸収するなりしてしまう。
 そうなれば、自然とトレーズ派の使える基地というのは少なくなっていき、いずれトレーズにも行き着く可能性はあるだろう。
 ……もっとも、どこか誰にも知られていない場所に秘密基地の類があれば、それもどうにもならないが。

「そうだな。万能じゃないのは事実だ。それに……トレーズがこうも堂々と宣戦布告……というか、決闘の挑戦状を叩きつけてきたというのに、裏でトレーズを捕らえるなんて真似をすれば、間違いなく世間から色々と言われるぞ」

 勿論そうなっても、連合軍が主力となってこのW世界を統治するようになれば、表向きは黙らせる事は可能だろう。
 だが、トレーズ教の信者がいるこの世界でそのような真似をすればどうなるか……それこそ、世界中でテロが起きても不思議ではない。
 俺の話を聞いていた者達も、同じ結論に至ったのだろう。それぞれが苦渋に満ちた表情を浮かべていた。

「勢力的に見ればこちらが有利だというのに、結果として向こうに主導権を渡してしまったか。……厄介な男だな」

 しみじみとノベンタが呟く。
 実際、トレーズは既に連合軍とその友好勢力によりロームフェラ財団を降伏させ、残るのは勢力的にそう大きくはなトレーズ派のみ……といったところで、大どんでん返しをされたのだ。
 とてもではないが、それを許容するのは難しいのだろう。
 その後も色々と話し合ったが、結局はトレーズからの挑戦を受けるという事で、話は纏まった。
 大人しく向こうの挑戦を受けたのは、やはり俺達シャドウミラーの存在が大きいだろう。
 戦力的には、このW世界でも最精鋭……俺達に敵うだろう戦力の集団は存在しない。
 当然のようにニーズヘッグを使って欲しいと要望もされたが、それは却下しておいた。
 ホワイトスターと連絡が取れているのであればともかく、今の俺達だけの状況でニーズヘッグの能力を周囲に見せるのはなるべく避けた方がいいという考えからだ。
 まぁ、今までにも散々ニーズヘッグを使っている以上、今更な感じだが……
 ただ、今回の場合は全世界……いや、宇宙も含めてトレーズが俺達に対して挑戦状を送ってきている。
 つまり、それだけ今回の戦闘は注目されるという事だ。
 そうである以上、今までの戦闘とは根本的に違う。
 そんな場所でニーズヘッグを出そうものなら、有象無象が寄ってくるのは間違いない。
 当然その中にはどんな手段を使ってでもいいから、ニーズヘッグのデータや……ましてや、その本物を奪おうとする者もいるだろう。
 勿論そんな相手がいてもこっちが従うつもりは一切ないが、面倒臭い事態になるのは間違いない。
 そうならない為には、やっぱりニーズヘッグを表に出さない方が最善だろう。
 そもそもの話、ニーズヘッグより格段に性能は落ちるがウイングゼロだってこのW世界で見れば最強クラスのMSなのだ。
 エピオンを相手にするには、ウイングゼロの方が相応しいだろう。……原作的にも。
 ともあれ、そんな具合に話は纏まり……それぞれが準備を整える為に解散となった。
 そうして晴れて自由の身となった俺は……

「結局駄目、か」
「これがゲートなんだ。……コンテナかと思った」

 綾子と一緒にニューエドワーズ基地から多少離れた場所にある森の中にやって来ていた。
 そうして展開しているのは、綾子が口にした通り、ゲート。
 ニーズヘッグのシステムXNを使ってホワイトスターに連絡を取ろうとした時と同様、相変わらずホワイトスターとの連絡は繋がらない。

「向こうでもこっちを心配してると思うから、こっちで特に何か行動しなくても、そのうちひょっこりと顔を出すと思うんだけどな」
「……その時が楽しみなような、怖いような」

 レモン達に会う時の事を考えているのだろう。綾子が微妙な表情でそう呟く。
 だが、それでも綾子がレモン達と会いたくないと言わないのは……まぁ、そういう事なのだろう。
 それに凛や綾子の性格を考えれば、結構友好的な関係を築けると思ってるし。

「いつ向こうと連絡が取れるか分からないけど、それまではあたしと凛が一緒にいるから、寂しくないだろ?」
「……その言い方だと、ホワイトスターと連絡が取れれば別れる事になるって言ってるような気がするんだけどな」
「まさか。あたしをこんな女にしたんだ。アクセルにはきっちりとその責任を取って貰わないとね」

 俺の言葉に、綾子は笑みを浮かべながらそう告げるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1350
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1372 
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