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ドリトル先生と悩める画家

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第十幕その三

「それが一番いいんだ、そしてね」
「そして?」
「そしてっていうと?」
「ホッキョクギツネ君だけれどね」
 先生は皆と一緒にホッキョクギツネのコーナーに戻りました。そして真っ白な毛の彼等を見て言うのでした。
「今は白いね」
「純白の毛が奇麗だね」
「シロクマさんみたいな毛ね」
「シロギツネさんっているけれど」
「また別の奇麗さがあるわ」
「うん、夏は青がかった灰色でね」
 先生はホッキョクギツネの毛の色をお話するのでした。
「冬はこうなるんだ」
「奇麗な純白に」
「雪みたいな白になるのね」
「北極の雪に合わせて」
「そうなるのね」
「そうだよ、この白さがいいね」
 先生は目を細めさせてこうも言いました。
「本当にね」
「北極には何度か行ったけれど」
「あそこのホッキョクギツネさんも奇麗だしね」
「雪の中で見分けにくいけれど」
「見事jな保護色でね」
「そう、シロクマ君達もそうだけれど保護色なんだ」
 その奇麗な白い毛はといううのです。
「獲物を捕まえやすくなるんだ」
「白くて獲物に見付かりにくい」
「だからなんだね」
「シロクマさん達も白い」
「そうなのね」
「そうだよ」
 こうしたことをお話するのでした、そしてです。
 先生はホッキョクギツネ達を見ているとでした、その隣に太田さんが来てこんなことを言ったのでした。
「奇麗な狐ですね」
「今日は動物園に来ているんだね」
「はい、生きものに雪の動物園を観て」
 そうしてというのです。
「スランプ脱出のインスピレーションを得ようと」
「そう思ってだね」
「それで観て回っています」
「成程ね」
「アルビノじゃないんですよね」 
 ホッキョクギツネ達を見たままです、太田さんは先生に尋ねました。
「この狐達は」
「保護色だよ」
「それでこんな色になるんですね」
「そうなんだ」
「北極だから」
「その地域によって生きものも変わるからね」
「そうですか、僕は生きものについては詳しくないですが」
 それでもとです、太田さんは先生にお話しました。
「観ていていいですね」
「感じるものがあるんだね」
「はい、ただそれがスランプの脱出につながるか」
「それはだね」
「わからないです」
「そうだね、けれどだね」
「先生が言われた通りにです」 
 こう先生に言うのでした。
「スランプを脱出した後のことも考えて」
「観ていくんだね」
「そうします、ここの生きもの達も」
「そして動物園もだね」
「観ています、この動物園も何回か来てますけれど」
「それでもだね」
「何か違いますね」
 こう言うのでした。 
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