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ストリートミュージシャン

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第一章

           ストリートミュージシャン
 力動未可子と六道奈津美は二人で音楽活動をしている。まだ高校生だが部活で楽しんでいる。
 未可子はやや茶色のショートヘアがよく似合うアーモンド型の二重の目を持つ奇麗な眉を持ち整った鼻と口を持っている如何にも女子高生といった顔立ちをしている。ちゃいりの背は一五九程ですらりとしている。
 奈津美は茶色の髪にウェーブをかけて伸ばしている、蒲鉾型の目に薄い整ったカーブの眉がトレードマークの穏やかな顔立ちで背は一六一程だ。
 二人共楽しんでいてだ、部活の合間にも仲良く談笑もしていた。その談笑の中で未可子は奈津美に言った。
「ねえ、今度路上ライブやらない?」
「それやるの?」
「そう、今度ね」
 こう奈津美に言うのだった。
「やらない?」
「路上って駅前とかで」
「そうそう、公園とかでね」
 そうした場所でとだ、未可子は奈津美に答えた。
「やらない?」
「そうね」
 未可子のその提案を聞いてだ、奈津美はまずは考える顔になってだ。そのうえで未可子に対して言った。
「いいわね」
「そう思うわよね」
「それじゃあ部長さんに許可取って」
「それでやってみましょう、どうしても学校の中だけだとね」
 そこでの軽音楽部での活動だけではというのだ。
「いつも同じ場所でギター弾いて歌って」
「それだけだからね」
「飽きるでしょ」
「実際飽きてきたわ」
 奈津美は最近感じていたことを未可子に話した。
「どうもね」
「だからいい刺激剤としてね」
「やってみるのね」
「そう、駅前でも公園でも」
「とにかくお外で」
「商店街でもいいし」 
 そこでやってもというのだ。
「いいでしょ、晴れていて人が多かったら」
「何処でもなのね」
「やってみましょう」
「随分大胆ね」
 奈津美は未可子の提案に頷きながら笑ってこうも言った。
「人前で歌うなんて」
「そうね、けれどお客さんはね」
「考えてみたら」
「そう、普通にね」
 それもというのだ。
「ライブもね」
「普通でしょ、お客さんがいるのは」
「ライブの基本でしょ、むしろね」
「お客さんいない方が」
「寂しいでしょ」
「それはね」 
 仮にも音楽をやっているのならだ、無人のライブ程寂しいものはない。人がいなくてもそれは同じだ。
「私も」
「そうでしょ、だから」
「路上で演奏して歌って」
「お客さんに聴いてもらいましょう」
「聴いてくれる人がお客さんで」
「そういうことでね」
 やっていこうとだ、二人で話してからだった。
 実際に部長に提案すると部長も快諾してくれてだ、そしてだった。 
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