転生とらぶる
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ガンダムW
1742話
レジスタンスのアジトにやって来た3機のエアリーズは、それこそものの数分と経たずに無力化された。
……いや、無力化って言うか全滅って方が正しいか。
それでもパイロットは3人中2人生き残ったのを考えれば、それなりに運が良かったのだろう。
もっとも、生き残ったパイロット達は何が起きたのか全く分からず、呆然としているが。
それでも逃げ出したりしなかったのは、自分達と俺達との能力差を弁えているから……ではなく、単純に何が起きたのかまだ理解出来ず、信じられなかったのだろう。
まぁ、それも分からないではない。
MSでの戦闘……それも、レジスタンスがMSを持っていない以上は、戦闘と呼ぶのも烏滸がましい、それこそ蹂躙するような戦いになると思っていたのだろうから。
それだけに、向こうにとって逆に一方的にやられる……それも、戦車とか対MS用の武器とかではなく、スライムや長刀といった存在でやられるというのは、完全に予想外だったに違いない。
そんな状況だけに、逃げ出すといった事にまで頭が向いていないのだろう。
綾子があっさりと2人の意識を奪ったのを見て、五飛に声を掛ける。
「五飛、レジスタンスの奴等に知らせろ。エアリーズは倒したから、恐らくこの近くにいるだろう派遣部隊を倒してこいと」
「……分かった」
何か言いたげだった五飛だが、結局は何も言わずに去っていく。
今の光景を見て、色々と思うところがあったのだろう。
……そう言えば、スライムを見せたのは初めてだったか。
魔法について知らせてからも、転移魔法とか空間倉庫、炎獣とかは見せたがスライムは今日が初めてだ。
五飛のような性格では、スライムとかの魔法というのは好まないんだろう。
もし五飛が本当の意味でシャドウミラーに入るつもりがあるのなら、魔法というのは必須技能なんだけどな。
その辺、後でしっかりと確認しておいた方がいいか。
もっとも、それ以前にホワイトスターと連絡を取る方が先なんだが。
綾子と適当に話をしながら待っていると、やがて五飛がレジスタンスの男達を連れて戻ってくる。
いや、この近くにいる派遣部隊を倒してこいって伝言は頼んだが、別にここに連れてこいとは言ってないんだけどな。
「うおおおっ! マジかこれ! 本当に生身でMSを倒してやがる!」
驚愕の声が周囲に響くが、それは1人が言ってるのではなく、他のレジスタンス達も同様だった。
「おい、こっちにパイロットがいるぞ! それも2人も生きてやがる!」
「何ぃっ!?」
綾子が意識を奪ったパイロットを見て、それでもまた騒ぎが一段と大きくなった。
トレーズ派のパイロットだけに、情報源としても使えるし、いざとなればトレーズ派との取引にも使える。
生きてるか死んでるかで言えば、生きてる方がいいのも間違いはない。
……もっとも、生きているという事はその人数分、食料や水を消費するって事でもあるし、このレジスタンスの中にはトレーズ派に強い恨みを抱いている奴もいる以上、そういう奴が妙な真似をしないように見張りを立てる必要もある。
完全にいい事だけって訳じゃないけどな。
「なぁ、アクセル。この捕虜はどうするんだ?」
「お前達で好きにしろ。そもそも大した情報も持ってないだろうし」
この場合、どういう情報を得るのかの目的が俺達とレジスタンス達では違う。
中東の奪還を希望するレジスタンスは、このパイロットが所属している基地を始めとした情報が欲しい。
だが、俺達――正確には連合軍――の場合は、トレーズ派その物を倒そうとしている。
そう考えた場合、中東連合に所属するパイロットの情報は……いや、待てよ?
確かにこのパイロットが持っている情報はそう多くないだろう。
だが、このパイロットが所属している基地にあるコンピュータなら、もしくはそこの基地司令とかなら……可能性はある、か?
そしてレジスタンスを強化し、トレーズ派を弱める為に俺が出来る事は……
魔法とかを秘密にしていた時なら無理な事でも、今の俺達なら可能な選択肢。
それを思いつき、レジスタンスのリーダーに声を掛ける。
「なぁ、こいつらが所属している基地……襲撃するつもりはないか?」
「はぁっ!? い、いきなり何を言ってるんだよ! そんな真似、出来る訳が……」
「俺達が協力すると言ってもか? 勿論現在の俺達はここにいない以上、MSを使っての協力じゃなくて、直接生身での戦いでの協力になるし、使えるMSにしても……そうだな、リーオーくらいならあると思うが」
「いや、けどよ。向こうは基地だぜ? それに、マグアナックも配備されてる筈だ」
「へぇ」
これはいい事を聞いた。
基本的にこの世界の量産型MSは全て入手していたが、残念ながら中東連合で使用しているマグアナックと、そのタンク型MSのオリファントは所有していない。
勿論なければないでも構わない。
リーオーより高性能なマグアナックといえど、結局はリーオーとかエアリーズとか、その辺りの機体と同列の機体なのだから。
だが、技術班に対する土産としては、やはりこのW世界のMSをコンプしておいた方がいいだろう。
少なくても、技術班は間違いなく喜ぶ。
ガンダムの開発者が設計したと思われるMSだし。
……まぁ、一通り調べたら倉庫に保管される事になりそうだが。
「だろ? だから、あまり無茶はせずに……」
どうやら俺の言葉を聞いて、怯んだと見たらしい。
「おいおい、何を勘違いしてるんだ? 俺は寧ろ余計やる気になったんだけどな」
「本気か?」
「ああ。マグアナック、それとオリファント。これはまだ俺も集めていない機体だからな。出来れば数機は入手しておきたい」
「……本気か?」
数秒前と同じ言葉を口にする男。
ただ、今度はその前に数秒の沈黙があったが。
「勿論本気だ。見て分かる通り、俺達の能力を使えばMSが相手でも問題はない。それ以前に、MSに乗る前ならそのまま俺の空間倉庫に収納出来る。補給物資を空間倉庫から取り出したのを見ただろ?」
「……MSも盗める、のか?」
「ああ、特に問題なくな。それどころか、戦車や戦闘ヘリ、戦闘機、潜水艦、飛行機、輸送機……何でもな。その上、今なら更におまけとして、俺の転移魔法で一気に敵の中枢まで送ってやろう。……どうだ? これでもまだ戦う気にはならないか?」
「ぐぅ……そ、それは……」
これ以上ない程の都合の良さに、男は頷くのを躊躇う。
普通に考えれば、これ以上ない程の好条件なのは事実だ。
だが、それだけに、向こうにとってはそれだけの好条件を出す俺をあっさりと信じられず……同時に、もし本当だったらこの絶好の機会を見逃すという事になりかねない。
そんな風に迷っているだろう男の背を押したのは、他のレジスタンスの面々だった。
「やろうぜ、ズイーグ! 魔法なんてのがあるなんてのは信じられなかったけど、この目で見てしまえば信じない訳にはいかないだろ! 折角の機会を逃すのか!?」
「そうだ、やろう! このままだと、どのみちジリ貧だったんだ。なら、シャドウミラーの……アクセルの協力を得られる内に一気にこっちの戦力を伸ばそうぜ」
「聞いた話だと、アクセルはトーラスカノンを片手で受け止める事も出来るらしいぜ? なら、MDが出て来てもどうにかなるだろ」
……いや、やって出来ない事はないだろうが……それでも、俺がそんな事をやった覚えはないぞ?
考えられるとしたら、トレーズがオペレーション・サンライズを宣言した時の戦いか?
あの時、トーラスカノンのビームは、受け止めたんじゃなくて斬ったんだけどな。
しかも俺じゃなくてやったのは綾子だし。
どこからそんな話が伝わったのやら。
まぁ、何だかんだとあの戦いを自分の目で確認した奴は多い。
そうなれば、当然そこから話が伝わってもおかしくはないし、おまけにそれを聞いた者達が面白半分に話の内容を改変するというのも有り得る。
「分かった! 分かったから、少し静かにしろ!」
騒ぐレジスタンスの声が面倒になったのか、レジスタンスのリーダーが叫ぶ。
そう言えばこの男、ズイーグって名前だったんだな。
会ってからそれなりに経つのに、全く名前を聞いてなかった。
「……アクセル、じゃあ頼めるか?」
「ああ。……その前に、そうだな。俺達が本当に生身でどうにか出来るってのを見せておいた方がいいか?」
「へ? いや、それはこの光景を見れば分かるだろ?」
俺の言葉を聞いたズイーグは、何を言ってるんだと言いたげにエアリーズの残骸に視線を向ける。
ただし、残骸なのは俺がスライムを使って切断したエアリーズだけで、綾子がパイロットを降伏させた方のエアリーズは、動かそうと思えばすぐにでも動かす事は可能だろうが。
「まぁ、ついでだ。パフォーマンスと言ってもいい。こいつらが出撃してきた場所というか、派遣部隊の件はどうなっている? そっちにも人をやってるんだろ?」
「え? ああ、まぁ。もうすぐ襲撃を仕掛ける、もう戦闘が始まってる頃だと思うけど」
「そうか。……なら、ここにいる面子だけでいいか。ちょっと集まれ。正確な場所は分からないから、少し時間が掛かるかもしれないが……ともあれ、転移魔法を見せてやる」
その言葉に、物干し竿を持った綾子が真っ先に俺の方にやってくる。
そうして、少し遅れた五飛が……続けて他のレジスタンスの連中が。
全員が集まったところで、影のゲートを展開する。
その際、当然のように影のゲートを初めて体験するレジスタンス達からは驚愕の声が出たものの……次の瞬間にはズイーグから聞いた大体の場所に転移を完了していた。
そうして転移した先では、当然の事ながら既に戦闘が始まっている。
トレーズ派にとって、まさか自分達が攻撃を受けるとは思ってもいなかったのだろう。
ましてや、ここにいるレジスタンスはMSすら持ってないような弱小……と表現してもおかしくはない集団だ。
そうである以上、今回の討伐に関しても必要以上の戦力は持ってきておらず……結果として、奇襲を仕掛けたレジスタンス達が有利に戦っていた。
マシンガンの放たれる銃声、手榴弾の爆発する音、バズーカで破壊される車両。
勿論トレーズ派もやられっぱなしという訳ではない。
最初は奇襲を受けて被害を出したのだろうが、今は装甲車とかを盾にして反撃している。
……護衛としてリーオーとかでも残っていなかったのは運が良かったんだろうな。
いや、レジスタンスもMSが護衛に残っていれば、攻撃するような真似はしなかっただろうけど。
だからこそ、こうして闇雲な銃撃戦になっている訳だ。
「っ!? 皆、援護を!」
「待て」
咄嗟に命令を出そうとするズイーグの言葉を遮る。
そもそも、こうしてここに連れてきたのは転移魔法をその目で見て、体験させるというのもあったが、同時に俺達の……俺と綾子の実力を見せつけるというのもあった。
「何をっ!」
「俺達が出るから、お前達は俺達の力をしっかりと見ておけ。……綾子、いいな?」
「勿論」
「五飛、お前はこいつらの護衛だ」
「……ふん」
綾子は特に気負いもなく頷き、五飛は不承不承頷く。
そんな2人を見ながら、俺は足を踏み出す。
「よし、ならシャドウミラー出撃だ。ああ、そっちの気絶しているエアリーズのパイロットは逃がしたりするなよ」
その言葉と共に、一気に前に出る。
だが、トレーズ派の面々はそんな俺の姿を目にする事は出来なかっただろう。
瞬動を使った俺を捉える事が出来るのは、そもそもこのW世界に何人いるのやら。
ともあれ、一気に敵が盾にしている装甲車の前に到着すると、そのまま無造作に蹴る。
腰を入れてとか、捻りがどうとか、当てる場所がどうとか……そういう技術的なものは一切抜きにして、適当に蹴る。
だが、その蹴りがもたらした効果というのは、大きい。
何しろ、向こうが盾にしていた装甲車が10m近く上まで飛んでいったのだから。
そうして残ったのは、装甲車を盾にしていた筈が、いきなりその盾がなくなってしまったトレーズ派の兵士。
唖然と、何が起きたのか全く分かっていない様子の者達に対して、軽く拳を入れていく。
敵なら容赦なく殺した方がいいのかもしれないが、レジスタンス達にとっては情報的な意味だったり、人質的な意味で捕虜にした方がいい筈だ。
であれば、レジスタンスに恩を売るという意味でも、こっちの方がやりやすい。
そうして意識を失った者達を、そのまま持ってズイーグの方まで運び……その途中で綾子が戦車を開きにしている光景を目にしたりする。
それでいながらパイロットを殺していないのは、さすがと言うべきか。
ともあれ、俺と綾子の参加により戦闘は呆気なく終了するのだった。
そして結果として、俺が提案した基地の奇襲が決定したのも当然だったのだろう。
……俺が蹴り飛ばした装甲車の乗員が生きていたのは、半ば奇跡のようなものだったのだろうが。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1350
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1372
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