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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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394部分:第三十二話 孔明、妹を得るのことその三


第三十二話 孔明、妹を得るのことその三

「どうやら」
「曹操殿」
 しかしだった。ここで小次郎の声が強くなった。
「そこから先は」
「そうなの」
「はい、そういうことで」
 こう言うのであった。
「御願いします」
「わかったわ。ただ」
「ただ?」
「その服を見ると」
 見ればその小次郎の着物は袖に独特の模様があった。その模様を見ての今の曹操の言葉である。
「貴方も鷲塚と同じなのね」
「鷲塚殿もここにですか」
「ええ、そうよ」
 こう小次郎に話すのだった。
「その通りよ。いるわ」
「左様ですか」
「今陳留に行っているわ」
 そこにいるというのだ。
「またすぐに会えるわ」
「鷲塚殿も」
「そうよ。どうやらね」
 ここでさらに話す曹操だった。
「貴方の知り合いの者も多いわね」
「左様ですか」
「そうよ。それじゃあ宜しくね」
 ここで微笑む曹操だった。
「貴方達三人共召抱えるわ」
「有り難き御言葉」
「それでは」
 こうしてだった。彼等も曹操の配下になった。そしてだ。
 小柄で八重歯のある金髪の少女だった。黒い半ズボンに緑の上着である。靴は青いブーツだ。
 そしてその手には斧がある。かなり大きな斧で槍の様な柄がある。
 その彼女がだ。こう名乗ってきたのだった。
「徐晃です」
「徐晃ね」
「はい、左様です」
 まだ幼い声で礼儀正しく話すのであった。
「この度荀攸殿の推挙により参りました」
「そう。貴女がね」
「宜しければ曹操様の軍の末席にお加え下さい」
 右膝をつき右手の平に左手の拳を当てて述べる。
「御願いします」
「ええ、それではね」
「早速武芸をお見せしますが」
「いえ、それはいいわ」
 いいと返す曹操だった。
「それはもう木花から聞いているから」
「左様ですか」
「あの娘と桂花の人選に間違いはないわ」
 二人の人物眼には絶対の信頼を置いていた。
「だからね」
「有り難き御言葉。それでは」
「さて、それでね」
「はい」
「貴女の真名を聞かせて」
 話はそこに至った。
「何というのかしら」
「歌です」
 徐晃は慎んだ声で曹操に述べた。
「それで御呼び下さい」
「わかったわ。では歌」
「はい」
「これから宜しくね」
 こう話してであった。曹操のところにまたあらたな人材が加わったのであった。
 劉備達は遂に水鏡先生のその屋敷に来た。するとだ。
 濃紫の大きな縁のとんがり帽子に同じ色のドレスを思わせる上着と白のワンピースの女の子がいた。ストッキングは白であり翡翠色の髪に弱い感じの緑の目を持っている。 
 表情は弱々しいがそれでもだ。整い可愛らしい感じである。
 
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