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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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376部分:第三十話 典韋、曹操に試されるのことその八


第三十話 典韋、曹操に試されるのことその八

 そして多くの食材に囲まれてだ。まずは梅をかじった。
 それからだった。こう一同に宣言する。
「それじゃあ美食の会をはじめるわよ」
「よし!」
「待ってました!」
 覇王丸達から歓声が起こる。
「食うぜ!」
「たっぷりとな!」
「そうよ。さあ関羽」
 曹操は微笑みを浮かべて関羽を見て言う。
「今日は私の料理を楽しんで頂戴ね」
「曹操殿かたじけない」
「劉備殿もね」
 彼女にも顔を向けた。
「堪能してね」
「は、はい」
「馬超」
 今度は馬超を見た。
「貴女もね」
「あ、ああ」
 因縁のあった二人だがだ。今は違った。誤解は解かれどちらかというとである。馬超の方が顔を赤らめさせていた。
 そうしてである。曹操が料理を作る間にだ。一同に酒が出された。
「曹操様が好物の蜜柑から作ったお酒です」
「あっ、お酒なのだ」
 張飛がその酒を見て笑顔になる。
「それじゃあ早速飲むのだ」
「では般若湯を飲むとしよう」
 双角はこう理由をつけていた。
「これは曹操殿が自ら作られたものだったな」
「左様、曹操殿が自分の足で蜜柑を踏んでそこから作りしもの」
 狂死郎が話す。
「葡萄の酒と同じであるな」
「ああ、曹操様が自ら作られたお酒」
「美味いな、この酒」
 荀彧がうっとりとしたところで覇王丸が一気飲みした。
「もう一杯」
「うむ、私もだ」
 夏侯惇も一気だった。
「もう一杯くれ」
「あのね、あんた達」
 荀彧はそんな二人に呆れながら注意を入れる。
「折角華琳様が自ら作られたお酒なのに味わって飲みなさいよ」
「んっ?酒ってこうやって飲むものだろ」
「違うのか?」
「違うわよ。全くあんた達は」
「もう一杯なのだ」
 それは張飛もだった。
「鈴々はお酒も幾らでもいけるのだ」
「全く、この面々は」
 荀彧はここで完全に呆れてしまった。
「無作法にも程があるわね。ズィーガー殿みたいに紳士的にね」
「何でしょうか」
 そのズィーガーが応えてきた。彼は穏やかに飲んでいる。
「曹操殿が作って頂いたこの蜜柑酒見事です」
「そういえばあんたあれじゃったな」
 中が彼に言う。
「ビール作りが趣味だったな」
「はい」
 笑顔はないが実に丁寧な返答である。
「そうです。ですからお酒のことはわかるつもりです」
「成程、そうなのじゃな」
「よし、それじゃあまずは」
 ここで曹操が言った。そうしてであった。
 どんどん料理が来る。
「西方から取り寄せたトリュフを焼いたものです」
「熊の手の刺身です」
「海亀の卵の似たものです」
「燕の巣の湯です」
 次々と運ばれてくる。荀彧は恍惚としている。しかしである。
 
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