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ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版

作者:黒鐡
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課外授業のデイウォーカー
  神器無効化能力×対クリフォト&ドウター戦

全くコイツと来たら碌な人生送って無さそうだな。悪魔とドラゴンは悪役だろうと、使い方によっては正しい事になったり悪い事になったりする。コイツは邪龍使ってここと異世界で暴れ回って気に入らないもんをぶっ壊して、目障りなのを片っ端から殺す予定らしい。

現政権も新政権も和平やら停戦してるからか、たまに惑星ナイトメアから使者が来る事もある。コイツらがカテレア達と一緒に出来ない以上、グレモリー眷属はコイツらの冗談のような話を鵜呑みにして非常にご立腹の様子。そんでリゼヴィムを睨んだ祐斗だが、奴はそれを見て笑ってた。

「はっはっはーッ!嫌だねー!何だその眼!悪魔の眼じゃねーな。碌でもねーよ・・・・ソイツは『正義』の眼だ。ヒーロー様の眼だ。救えないねー。特に聖魔剣の小僧、何だその眼は、自分が何か分かってねえようだな。本来あり得ない現象を起こした聖魔剣を持つ『悪魔』だぜ?」

祐斗の神器は『聖剣創造』と『魔剣創造』の力を持ち、禁手化が亜種の聖魔剣を作り上げた。例え悪魔がそういう存在だろうとテロリストに降った悪魔を斬り捨てるのが『騎士』の役目。世界に混乱させたかもしれんが、それを修正させるのが俺達の役目かもしれんが祐斗は簡単な挑発に乗り聖魔剣を構える。

「俺を嫌悪するか?いいぜ来いよ、黒鐡のおじちゃんのお友達は大歓迎しなくちゃな」

不敵に祐斗を手招きするリゼヴィム。

「・・・・来いよ『騎士』君。おじさんでよければ相手してやるぜ?中二病をこじらせた精神年齢お子様のおじさんで大変申し訳ないけどよっ!」

「言ってろ、この僕が相手をしてやる!その聖杯を返してもらう!」

祐斗が飛び出して行き、手元に聖魔剣を取り出しての二刀流。アイツも超越者なのは知ってるし、何かしらの能力がある事も知っている。俺らは冷静に見てるから祐斗は二刀流で切り刻もうとしていた。

「木場待てッ!ソイツの能力は・・・・」

アザゼルが祐斗を制止させようとするが、既に遅くリゼヴィムに向けて二刀の剣を振るう。が、防御行動すらしなかったけど、剣が奴に当たろうとしたら剣が霧散していく。剣を見ると霧散していき、祐斗は後退していき結果に疑問を持ち始めた。その顔もリアスに向けるが本人も何故?と言う感じだった。

「・・・・いいか、ここにいる神器所有者達。無論一ちゃんにも関係あるが、ソイツの能力は悪魔の中で唯一の異能・・・・『神器無効化(セイクリッド・ギア・キャンセラー)』と言う。神器による如何なる特性、神器によって底上げされた全能力が効かないんだ・・・・ッ。一ちゃんとヴァーリ融合体の力や木場の聖魔剣の力も神器である以上、その男に一切ダメージを与える事ができない・・・・ッ!」

『・・・・ッッ!?』

アザゼルの説明を受けたCBとグレモリーは仰天してたが、実際仰天してたのはグレモリーとシトリーのみ。俺のみ黒の駒を更新させたのを知ってるし、ソフトウェアを更新する機能入れて正解だった。神器の力が効果ないなら、俺ら神滅具組も効果ないと言いたいのか。それがホントなら試す価値がありそうだ。

「それが本当に効かないか試してみるか、ヘラクレス。奴に三連衝撃拳をお見舞いしてやれ」

「いいのか?アザゼルの説明がホントなら俺の力も爆発しないぜ?」

「やってみろ、そうする事で己の力がホントに効くか証明できるからさ」

「一ちゃんは奴の能力を知りながら行かせるのか!自殺行為になるぞ」

「行け」

俺がそう告げると同時に、ヘラクレスは力溜めながらリゼヴィムに向かって行く。アザゼルが制止しようにも速度はあちらの方が早く、リゼヴィムの間合いに入ったヘラクレスは拳を腹に向けて殴った。効かないと分かっていて防御無しのリゼヴィム、半信半疑のヘラクレスが拳を振り上げるとどうなったか。

『ドカンッドカンッドッカーンッ!』

「ぐおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

拳振り上げたらリゼヴィムの腹に直撃コースに入り、奴は防御一切してなかったのか三連衝撃拳+爆破により衝撃が走った。奴が吹き飛び、それを見たアザゼルは信じられない顔してたし、先程まで余裕振りしてたリゼヴィムも焦りの顔しながらの吐血。

「な、何でヘラクレスの神器の力が発動したんだ?奴の能力は『神器無効化』のはずだ。だが、奴の腹に直撃後に起きた爆発は神器による爆発だ。ワケが分からないぜ!」

アザゼルもいい顔をするねぇ、そして立ち上がったリゼヴィムに対してヴァーリが神器を発動。奴に触れなくとも半減の効果が出るし、そしてこの場に鳴った音である『Divide』が響く。祐斗が改めて剣を振るっても当たる瞬間に霧散するので、それを見た俺は堪らず笑ってしまったよ。

「あはははははははっ!はー、こんなに大笑いしたのは久し振りだぜぇ。アザゼルの顔もリゼヴィムの野郎の顔もそういうのが見たかったんだよねぇ、あー可笑しい!」

「一ちゃん!どういう事だ?木場の神器は無効化されるが、ヘラクレスやヴァーリの神器は無効化されない!」

「はっはっはっ。あー可笑しいなぁ、アザゼルの質問に答えるとな。俺らCB側に入れてる黒の駒とハイブリッド・ピース&カードを入れた者達なら、無効化を無効する事が出来るのさ。いくら『神器無効化』に対抗しようとソフトウェアを最新にした事により、コイツが最初に出現した時に無効化を無効出来るようにしたからだ」

『・・・・ッ!』

この場にいる者全員が騒然とした、つまりグレモリー眷属の神器所有者は『神器無効化』によって無効化されるが、CB側の神器所有者が『神器無効化』を受けても無効化する事で『神器無効化』の効果が無くなる状態となる。だからヘラクレスの攻撃が通ったのもその力によって通ったという訳だ。

「一真はそれを知っててヘラクレスを行かせたのね!」

「それなら納得だ。その説明が無ければ俺でもちんぷんかんぷんだが、一ちゃんの説明により理解した。この騒動が終わった後でいいから、黒の駒を貸して『パシィィィィィィィィイン』ってぇぇぇぇ。冗談なのに何で叩かれるんだ、それ地味に痛ぇよ」

「うひょひょひょ、今のは効いたぜぇ。サーゼクス君がなぜ非神器所有者で構成されていたのを知ってたかのようだ『Divide!』やべぇ、俺の力がどんどん半減されていく」

「ヴァーリ、そろそろ止めておけ。本番は最後にしまっておくのが王道というもんだ」

立ち上がるリゼヴィムに力が使えるヴァーリ、神器の力が使えるんで曹操もジークも聖槍や魔帝剣を構えてた。余り調子に乗る行動しないようハリセン見せただけでの牽制だが、それだけで攻撃すんなと言うハンドサインみたいな。奴の言う通り、サーゼクスが非神器所有者ばかりの眷属悪魔も知ってた。奴に対抗する為だと思うが、この城で会った時に駒の更新により新たな力が開花した。

「ふむ、半減の力がいつも通り使えるのは俺も驚いた」

「俺もだ。唯一知ってた一真だけは面白可笑しく笑ってるな」

「今まで更新されるとは知ってたけど、まさかアイツが出て来たところで更新されるとは」

「ですがグレモリー眷属の神器のみ使えないとなりますよね。聖剣は別ですが」

「黒の駒にはアスモデウスでも知らない隠し要素が入ってるのよ、だいたい創った張本人のみ知ってた要素なんだし」

と言われ放題だが、黒の駒はステータス底上げだから魔力・体力や神器の力も上がる事により亜種の禁手化も出来た。外史へ行き来する力も既に更新されたし、神器無効化を無効化できる力の三つ。

あとはお守り持たせてるから致命傷になるダメージは金色の守護結界発動される。最早チートな駒へとなったが、俺らの雑談中に聖杯を手元にある空間歪ませてしまう。奴は無効化により触れないらしいが聖杯奪取はまだいい。

「いくら『神器無効化』でも聖剣ならばいけるだろう!」

「そうね。神器以外なら効果あるかも」

ゼノヴィアにイリナがエクス・デュランダルとエクスカリバーを振り下ろして、聖なるオーラをリゼヴィムに飛ばすが直撃コースにリリスが簡単に防がれてしまう。イリナはセーブしてるし、余り力を見せない方がいいけど真正面から迎撃するオーラを弾きオーフィスによる魔弾を撃つ。流石のリリスでも防御有りなのに吹っ飛ぶ光景を見た。

「リリスちゃん、大丈夫かい?」

リゼヴィムの野郎は珍しく口調を変えて、リリスが吹っ飛んだ壁の方に向かった。リリスは元々オーフィスの力を吸い取って再形成された存在、ここにいるオーフィスは半分にされてないからリリスでも防御できてなさそうだ。ま、黒の駒入れてるし別外史からやって来たリリスでさえ攻撃可能な存在はまさに無限の龍神って感じ。

「リリスちゃんに怪我無さそうだし、それぐらいにして見せたいものがあるのよ」

指を鳴らすリゼヴィム。すると最下層の祭儀場の宙に立体映像が出現するけど、これは俺らが持っている投影型の映像を映す端末と変わらないようだな。外の風景を映し出したようだ。

「さて、あれがどこだか分かりますかねぇ?」

そう楽しそうに訊いてくるリゼヴィム、まだ口元が血で流れてるけどヘラクレスが放った三連衝撃拳はとある外史に居た人物の技を教え込んだ技。並大抵の者には使えんが、体術が使える凪も教えてるし、ヘラクレスぐらいの巨体ならアレ以上でも放てると思う。無限衝撃拳を使えるのは今のとこ俺だけだが、町らしきのが見えるようで中央に城が確認できる。

「ほう、あれはカーミラ側の城下町だな」

リゼヴィムは大いに頷いた。

「その通り、カーミラの城下町でございます!さて、これから起こるのは楽しい楽しいライブですぞ~俺が今から指を鳴らすと・・・・」

そう言いながら指を鳴らした。

「大変な事が起きます。予想できます?破壊?うーん、限りなく正解だけど、ちょっと違う!」

警戒するグレモリー眷属だが、俺はここで通信機をはめてからある事を伝えた。それと同時にCB側にも通信機はめた事により理解したが、グレモリー眷属とアザゼルだけは現状況が分かっていない。しばらく経つと雪の風景が見えてくるようで、黒いドラゴンみたいなのが出てくる。アレは邪龍量産型で、禍々しいオーラを放つドラゴンがカーミラの城下町に出現したようだ。

「謎の黒いドラゴンが大量に町に出現しました!ここからあの子達が大暴れしちゃいます!おっ、早速火を噴いた!ってえ?何で町に当たらないの?何かの間違い?」

『ゲオルグの禁手化ですか?』

『ああそうだ。第一の間に行く前に野暮用だと言ったが、あの時から霧のような結界をな』

リゼヴィムの予想通りなリアクション見ながら朱乃が確認してくるし、映像見る限り見た目が邪龍量産型が町に向けて攻撃を開始したとしても『霧の中の理想郷(ディメンション・クリエイト)』により結界装置を三つ創って駐屯地にある。奴の予想だと各城下町はドラゴンに襲撃される光景を見る予定らしい。邪龍量産型が城下町に入ろうとしても跳ね返されるが、アザゼルはリゼヴィムに問い質した。

「どういう事だ!?リゼヴィム!」

「カーミラにもな、ツェペシュの甘言・・・・弱点の無くなった体が欲しい吸血鬼は居るってね。ソイツらには裏でカーミラの情報を流すように契約しておいて、体を強化してあげた訳だ。・・・・けど、ここからがポイントッ!彼らは改造されまくりでな、俺が指を鳴らすと量産型の邪龍になれるような豪華特典付きだったのでぃすっ!」

「伝統と血を重んじる吸血鬼による成れの果てであり、奴の話に鵜呑みして強化だと思えばあのような姿になるまでは理解してないが。ま、吸血鬼が起こした問題は吸血鬼が話を収めるのが奴らの言い分。だが吸血鬼の町を壊しす役も吸血鬼にするのはイカレテる奴らだ」

との事を説明したが、あの邪龍量産型の元が吸血鬼であり結界を簡単に壊せないようにしている。今頃国連軍とソレスタルビーイングが対邪龍戦による攻撃態勢、グレモリー眷属とアザゼルは絶句してたが、その光景は何らかの結界により守られてた事までは理解してる様子。ここで地震が起きた、何だ?と思えば地上班からにより上でのドンパチが始まったようだ。

「な、何事!?」

リアスが天井を見上げる。リゼヴィムが思い出したかのように手をポンと鳴らした。

「あー、言うの忘れてたね。ごめんねー。俺が指を鳴らすとこっちでも豪華特典が発動するんでしたわー。でも今度は破壊されちゃうよー♪」

「・・・・っ。まさか、この揺れは・・・・っ!」

リアスが奴の発言でこの状況に思い当たる。グレモリー眷属とアザゼルは嫌な予感しかしないが、俺達は地上からの通信と共にCBに討伐命令を発布した。まだゲオルグが禁手化してる状態を知らないままだし、主にコイツらの驚愕した顔を見たいのが本望な俺。

「ああ、そういう事だ。ツェペシュ側の強化ヴァンパイア共が俺の合図と共に量産型邪龍君になって町で大暴れしていると思います♪」

この揺れは邪龍となってクーデター派の吸血鬼達が暴れ回る予定だが、リアス達は町破壊のビジョンが頭の中に過ぎる。リゼヴィムはもう一つの立体映像見せたが、そっちもカーミラ側と同じく結界張られて追い出されてから邪龍達が町破壊しようにも逆討伐されてた。

「な、何だぁっ!あの人型のわぁぁぁぁ!」

予想してた映像とは違う映像なのか、怒りに震えてるアザゼルもリアス達も何が起きてるのか分からず仕舞い。カーミラ側の城下町同様、炎上するはずが逆に討伐されていて遠くにトレミー3番艦が後方から迎撃をしている。

MS隊は主に近距離と遠距離に分かれて、インフィニットジャスティスとサバーニャが討伐していた。グラハムが乗るブレイヴ指揮官用試験機に龍殺しの剣を装備させてるから簡単に葬れる。

「それじゃ俺達は外の様子でも見に行こうか」

転移魔法によりヴァレリー以外の連中を一瞬にして外へ出た、転移完了と共に外の光景が見えると派手に壊滅してる最中のようだ。リアス達は目を開けると夜の光景と一緒にモビルスーツ達が大量の邪龍達を討伐中。

例え町に向けて火炎弾放ったとしても、霧の結界により守られて逆に討伐される。一応住民達の避難完了してる証拠に、全住民の姿がない。居るのは作戦行動中の部隊と地上と上空で邪龍達を倒す姿を。

「どういう事だにゃーっ!この霧は一体どういう事だぁー!」

「まだ気付かないようだな、お前の策略などお見通しだ」

「この霧は・・・・ただの霧じゃないぞ!まさかこれって、一ちゃん!」

「アザゼルの言う通りで、これはただの霧じゃない。ゲオルグが持つ『絶霧』の禁手化『霧の中の理想郷(ディメンション・クリエイト)』を発動中。俺とゲオルグが野暮用だと言って外に行ったのもコレの為さ。各結界装置は三つの駐屯地に守護されてるし、吸血鬼から邪龍になれば強制的に追い出される仕組みさ。残念だったなぁ~リゼヴィム!」

あちらこちらに飛ぶ邪龍達が盛大に火炎を吐こうが、霧の結界により無駄に終わってからMS部隊による討伐任務。転移場所は城の庭であるが、リゼヴィムとリリスは逃げたようで飛んで行く様子を見たヴァーリ。

「ヴァーリ、神器が使えるんだ。奴と決着付けて来い!」

「ああ行ってくるよ、それと一真には驚きぱなっしだ。奴については任せろ、禁手化!」

『Vanishing Dragon Balance Breaker!!!!』

ヴァーリが行った所で、カーミラ側にはトレミー1番艦と2番艦からの通信により邪龍量産型は討伐完了したとの事。一応警戒態勢とした待機命令を言い、地上に居る国連軍と連携しながら警戒してるとドウター反応が出た。俺は早速情報開示し、指示を飛ばす。

「CB兼黒神とグレモリー眷属、今から一度しか言わんからよく聞け!ここにドウター反応があった、城下町に点々として出現したそうだが現在ここに配置されている国連軍の部隊が迎撃中。CBのチームを中心とし、グレモリー眷属はアグニ達と二チームのバックアップを頼む」

『了解!/はい!』

「一ちゃんはどうするんだ?」

「俺はある者と戦いに行ってくる、アザゼルも一暴れして来いよー。住民は既に避難完了してるから、残りはクーデター起こした残党がいるはずだ」

「そうさせてもらうが、ルシファーを中心に各チームの指示を飛ばしてくれ。朱乃と白音はCB側としてリアス達と共にな、俺は国連軍と一緒に暴れ回ってくる。今までの鬱憤を晴らす為に」

前四大魔王を中心にし、各チームの指示聞きながらグレモリー眷属はそれぞれのバックアップに入る。俺と戦う者が居るように、アザゼルも今までのストレス発散の為に邪龍とドウターを槍でのお片付け。で、俺は上空を飛び奴を探すと目の前に現れた。

「これはこれは織斑一真ではありませんか、こんな所でお会いするとは偶然ですかな」

「俺はお前を探してた。リゼヴィムが居るのならお前も居ると思ってな、しかしこの状況は実に傑作だ。弱点無くしたかった吸血鬼が、邪龍となって祖国を襲うはずが逆に討伐されるとは」

「私もこの結界が何であれ、破壊出来ない以上術者を探してましたが不可能だと思いましたよ。吸血鬼である誇りすら感じずに邪龍へなり、想定外な出来事が起きてから困惑状態でして。リゼヴィム様の『神器無効化』が効かない以上、未来予知でもしてたのでしょうか?」

神滅具ってのは一つの理、真理を根底から揺るがしてしまい、新たな選択肢を与えてしまう今風で言えばチャンスを与えてしまうみたいな。所有者や周囲一帯に居る者達にも選択肢を選べる状況へ進んでしまった。幸い、俺や俺周辺に居る者達も新たな選択肢を与えてしまったがある意味でちゃんとした使用してる。自分で言ってみても訳分からんとは思ったが。

「さてと、お前とはサシで勝負したかったんだ。隠し球でも持っているんだろ?」

「ええ、持っていますよ。出でよ『赤龍帝の籠手』ッ!」

ユーグリットの右腕に見知った籠手が出現すると同時に禁手化もしやがった。赤い閃光放ちながらユーグリットがオーラに包まれていき、そこには全身鎧着たレプリカ禁手化。本物との違いは所々に銀色が混じってるが、赤龍帝の鎧と同じだと思っても本物には勝てんと思う。

「それは俺と同じ赤龍帝の鎧だが、見た目でレプリカのようだが」

『レプリカだと!あり得ん、神器を複製するなど出来る訳がない!アザゼルですら不可能なのだぞ!?』

冷静に分析してるとドライグが興奮気味になっていて、驚愕と共に神滅具は唯一の代物で亜種でない限り二つも存在しない。ヴァレリーのは三個でワンセットってのは、流石の俺でも驚いたが。

『・・・・お前らの研究はそこまで行き着いたというのか!?いや、あり得んな。シャルロットの力すらも逸雑する行為だ!』

「ええ、その通りです。流石にゼロから作る事など出来ません。ただし元となる代物があれば話は別でしょう。織斑一真は気付いたようですがね」

『相棒、どういう事だ?』

「恐らく奴が指示を出したのだろうな、次元の狭間にて神殺しの毒で滅んだ。いや滅びかけてから龍門で召喚されたが、次元の狭間にて俺の肉体の欠片を回収して聖杯から赤龍帝の魂と神器の情報を両方抽出したのだろうな」

『何と!ではあそこにはもう一人の俺がいるのか?』

「その答えは外れですよ。流石にドライグの魂までは複製できませんでしたし、創造神の情報すらなかったです。あったのは赤龍帝の籠手のみでしたが、レプリカの鎧を形成ぐらいは可能でした。デメリットとして、この神器を動かすには毎回名だたるドラゴンの魂が数体分必要でした。強力な分コストは最悪に近いです。さあ、赤龍帝同士でやり合いましょうか。貴方の言うようにサシで勝負しましょう」

構えるユーグリットに答えるように俺も構える、そして先に飛び出したのは本物の俺である。残像を残しながら進んでいく俺、そして殴りかかろうとしたら相手側からよく聞く音声が鳴り響く。

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

「俺も使いたいとこだが、敢えて倍加無しで使ってみるとするか」

『本物とレプリカであっても、相棒は俺の力無しでも充分に強い。偽物野郎をブッ飛ばせ』

「始めっからそうするつもりだ」

ユーグリットのレプリカ神器からの音声が響き渡り、奴のオーラが飛躍的に増大しながら俺は倍加無しで真正面から受け止めた。倍加有りのユーグリットと倍加無しの俺が拳だが、当然吹っ飛ぶのはユーグリットの方で流石に倍加無しで吹っ飛ぶとは思わなかったらしい。何とか態勢整えてる間にユーグリットの腹部に拳を与えて鎧が半壊する程の威力となり、いくらレプリカだろうと本物に勝てる訳がない。

「・・・・これが本物の赤龍帝の力ですか。姉のグレイフィアと比べても自分の力が劣ったとは思ってもいませんでしたが、倍加無しでのその力は恐ろしいですね」

「当たり前だ、伊達に毎日鍛錬を劣っている訳ではないからな。それに禁手化無しでも倒せたが、たまに禁手化しないと何の為にある力なのだと思うから。所有者の力量が高ければ、赤龍帝の鎧は更に高まるとの事が今ここで証明された訳で。そちらは悪魔でこちらは神だ、力量が天と地の差だと何時気付くのやら」

倍加しながら突っ込んでいき、拳をラッシュしながら回し蹴りを放つ。鎧がボロボロになりかけてこちら側の必要最低限の倍加をストップし、モードDXにて月からのマイクロウェーブを照射後にツインサテライトドラゴンブラスターキャノンを放つ。対してユーグリットも倍加をしてドラゴンブラスター擬きを放つが、すぐに押されてからの直撃コースを喰らう羽目になる。

『何か前より威力強くなってないか?』

「気の所為では?最も俺が倍加するとどうなるか分かってたんじゃないのか」

『最近使ってなかったからな。鎧化出来なくなった偽物野郎は血反吐吐きながら何とか飛んでるな』

「あちらはドラゴンブラスター擬きで、こちらはツインサテライトドラゴンブラスターキャノンだ。威力が全然違い過ぎる」

「まさか本当に上回るとは思いませんでした、これが赤龍帝の力なのですか!」

「先程の力は赤龍帝の力だけではない。月からのマイクロウェーブによりエネルギー照射後に撃ち込んだ。これについていくら聖杯で情報引き出そうとしても出来る訳がないし、そちら以上に真似不可な技だがこれも初お披露目にしてやる。来い、チビドラゴンズ」

小型魔法陣から出て来た白いチビドラゴンズ、試しに一発の魔力を放つと奴は回避するがリフレクタービットのように反射されて奴に当たる。本来なら白龍皇の力を移植したそうだが、俺らの場合は互いの力が使えるようにしといたからヴァーリも使えるはず。音声として『Reflect!』だが、別に鳴らさ無くとも良いが。

『相棒、コイツはアルビオンの力を感じるが今までに無い力だが何だ?』

「ドライグ、互いに使える事は知ってるがこれは今まで使わなかった力だ。『半減』・『半減した力を自らのものとする』・『反射』であり、今まで二つしか使わなかったが半減と反射の力を得たチビドラゴンズを創ってみた」

『なるほど。だからリフレクタービットのように使えるのか、ここで初お披露目はいい塩梅だ』

俺と相棒との会話中に攻撃して来ようと無駄に終わるだけだし、お役目ご苦労さんと言いながらチビドラゴンズを空間に入れる。あちらの魔力が膨れ上がったとしても無効化して終わり、倍加と半減使って最後の一撃を放とうとすると同じくボロボロの奴が来た。

「ユーグリットっ!」

肩慣らしに丁度いい相手だったが、こちらとしてはあくまで手加減してたのだから有難く思えと言いたい程だ。いくら『神器無効化』を持ってるリゼヴィム相手でも手加減無用なヴァーリ。決着する前に来たらしく、あちらさんにとって撤退するみたいだ。俺の隣に居るヴァーリも反射を使ったらしく、増々攻撃バリエーションが増えたとか。

「そろそろこちらは撤退じゃい、邪龍も使えなくなったし孫が本気で俺を殺しに来る。俺の力が効かない以上、ここは撤退するのみ。クロウ・クルワッハは?」

「彼はもうここにはいません、ガハッ!私もダメージを喰らいました。リゼヴィム様も相当ダメージありそうですね」

「いやー、自由だね。あの邪龍は、という事で俺らは撤退するわ。町もぶっ壊せないし、この霧の所為で邪龍量産型は討伐されるし。という訳で強制転移よろしく♪」

ユーグリットが素早く転移型の魔法陣を空中に展開させた。

「今回はお前達を逃がすが、今度現れたら容赦はしない」

「黒鐵のおじちゃんの情けかなー、まあいいや。こっちもなかなか予想外すぎて楽しかったよ、あと俺達の名は『クリフォト』で『生命の樹セフィロト』の逆位置を示すもんだから良い名だろ。セフィロトの名を冠する聖杯を悪用する、って事で名付けてみた。悪の勢力って意味合いもあるよん♪ちゃお☆」

リゼヴィム、ユーグリット、リリスは転移前に特大ダブルドラゴンブラスターを放った後に転移したが完全に防ぎ切れる訳がない。俺とヴァーリが放ったのだから、例え神器の力使って無効化されようとそれ自体を無効化する力を持つ俺らの敵ではない。三人共しばらく動けないだろうが、俺とヴァーリは残りの残党を片付けながら国連軍混合部隊と合流後、ドウターと邪龍と化した吸血鬼を駆逐していった。 
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