恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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366部分:第二十九話 郭嘉、鼻血を出すのことその十七
第二十九話 郭嘉、鼻血を出すのことその十七
「あの破損していた城壁をか」
「盗賊達をか」
「はい、させて頂きました」
「これで宜しいでしょうか」
「ううむ、これは凄い」
「全くだ」
姉妹は曹操の両脇で思わず唸っていた。
「一体どの様にしたのだ」
「そうだな、それが知りたいのだが」
そしてどのようにしたのか興味も持った。
「よかったら教えてくれるか」
「これからの参考にしたい」
「はい、私はです」
最初に話してきたのは郭嘉であった。
「実際に作業に当たる者達を幾つかの班に分けました」
「班にか」
「つまり隊だな」
「そうです。そのうえでそれぞれの班に早く見事にできた班には特別に報償を弾むと伝えました」
そうしたというのである。
「そしてそれによってです」
「作業にあたる者達の士気をあげてか」
「三日でか」
「そうです。それによってです」
こう話すのであった。
「それで三日で終わらせました」
「ううむ、そうしたやり方があったとは」
「気付かなかったな」
夏侯惇も夏侯淵もまた唸った。
「よし、今度私もそうしてみよう」
「私もだ」
二人は郭嘉の話を聞き終えて意を決した顔になった。そうしてそのうえで、である。今度は程昱に対して詳しい話を聞くのであった。
「程昱だったな」
「貴殿からも話を聞きたい」
まずはこう切り出した。
「あの賊達をどうして捕らえた」
「随分と厄介な連中だったのだが」
「はい、まずはわざと財宝を置きました」
そうしたというのであった。
「まだ狙われていない商人の屋敷にです。見えるように財宝を昼に入れたのです」
「昼にだと?」
「賊が出て来るのは夜なのだが」
「ですが昼に前以って偵察をするものです」
程昱はこのことを指摘した。
「賊達が捕まらないのは彼等が慎重であらばこそでしたね」
「それで我等も苦労していたのだ」
「中々尻尾を出さなくてな」
「彼等はまず昼に下準備で偵察等を行い夜に来ます」
程昱はこう話す。
「ですから昼にあえて見せたのです」
「そうだったのか」
「それで昼なのか」
「はい、そして」
話は続く。
「その屋敷に腕利きの兵を何人も忍び込ませました」
「そして賊が来たところを」
「一気にか」
「そういうことです」
ここまで話した。
「それで捕まえました」
「まあ考えたのは俺だけれどな」
急に人形が話しだした。
「こいつは何もしてねえよ。俺の手柄だ」
「そうかも知れませんね」
程昱も自分の頭の上の人形を見上げて応える。
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