| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ドリトル先生と悩める画家

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第九幕その四

「奇麗だね」
「一面銀世界になって」
「つららも連なっていてね」
「確かに奇麗だね」
「風情があるわ」
「日本の冬の中でもね」
 とりわけというのです。
「雪は奇麗だよ」
「余計に寒くなって動きにくくなるけれど」
「それでもだよね」
「やっぱり奇麗だね」
「そうだね」
「うん、観ていてね」 
 そうしていてとです、先生はしみじみとした口調で言うのでした。
「そう思うよ」
「奇麗なことは奇麗ね」
「絵になってるわ」
「観ていて飽きない」
「そんなものね」
 動物の皆もこう言います。
「それじゃあね」
「この雪景色は楽しむことね」
「今から」
「そうしましょう」
「それはいいことだよ。あとお家に帰ったら」
 先生はその時のこともお話しました。
「この雪を見ながら飲もうかな」
「あっ、雪見酒だね」
「そちらも楽しむんだ」
「そのつもりなんだね」
「日本人は昔からそうしたことも楽しんでいたんだ」
 先生はこのことはにこにことしてお話しました。
「雪景色を楽しんで和歌を詠んだり肴に飲んだりしてて」
「風流だね、それって」
「雅っていっていいね」
「四季の全てを楽しむ日本人らしいね」
「そうだよね」
「僕もそう思うよ。だからね」
 その日本にいるからというのです。
「今は雪景色を観て楽しんで」
「帰ったらだね」
「その景色にお酒も楽しむ」
「お家でも観て」
「そうするんだね」
「そうしよう。丁度日本酒もあるし」
 日本の楽しみを満喫するのならこちらのお酒だというのです。
「肴はお漬けものか梅干しにして」
「いいね、それじゃあ」
「そうしたものも食べながらね」
「お酒を飲むんだね」
「お家では」
「そうするつもりだよ。お酒はね」
 本当にというのでした。
「今から楽しみだよ」
「先生もすっかり日本に馴染んだね」
「雪見酒を楽しみにするなんて」
「四季の全てを楽しむ」
「そうした人になったね」
「こんなに四季の全てを楽しむ文化は」 
 それこそというのです。
「そうそうないんじゃないかな」
「四季自体がある国も限られてるしね」
「それじゃあね」
「日本みたいに楽しめる国も少ない」
「そうでもあるんだね」
「春夏秋冬とね」
 先生はこの四季の名前もそれぞれ挙げました。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧