魔法少女リリカルなのはエトランゼ(異邦人) 再構築
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2部 P・T事件
1章 魔法少女登場
なのは魔法少女になる
[聞こえますか? 僕の声が聞こえますか?]
多分助けたフェレットが呼んでいる。
本当に平穏なときが終わったんだな
夕方よりも元気な声になっていたがまだまだ疲れてはいるみたいだった。
[聞いて下さい。僕の声が聞こえてる、
あなた。……お願いです、
僕に少しだけ力を貸してください!]
あ~なのはは必ず動くなこれは
俺だったらむしするのにきっとなのはは行く気がする
無視するわけにいかないかも
[お願い! 僕のところへ! 時間が……危険が……もう……]
イデアシード事件とは関係なさそうだ。
俺は最近製作したエルブンブーツとエルブンマントを着用して窓から外に出た。
これは物音がしないブーツと姿隠しのマントだった。
俺は窓から飛翔の呪文を使い
動物病院の方へ向かった。
付近についたころ、女の子が動物病院の入り口にいた。
あれなのはだ
多分
「グルルル……」
ここからでも野獣っぽいうめき声が聞こえる。
「怖いのは勘弁して欲しいのだけど」
なのははその声に怯えてしまうが、その恐怖心を何とか押さえつけ、少しだけそんなことを行っていた。
その時、目の前を助けたフェレットがこちらに逃げ込んできた。
そして、その後ろから"何か巨大な黒い獣"が
フェレットを追うようにすごい速さで突っ込んでいった。
「あ、危ないっ!?」
フェレットがその身のこなしを持って、
すばやくかわすが、黒い獣は慣性の法則で木へとぶつかり、簡単に壁が崩壊した。
黒い獣?
その衝撃でフェレットは吹き飛ばされ、なのはにぶつかってしまった。
「あっ!」
自然になのはの体は動き無意識的に優しく受け止める。
「きゃ!」
だが、なのははユーノフェレットを受け止めた拍子で尻餅を付いてしまった。
ちなみに俺は上空からなのはのところに向かって行っている状態だった。
飛翔の呪文ではなく上位の高速飛翔呪文レイ・ヴンにすればよかったと後悔をしている。
まさかどのようにして俺より先に来たのがわからないが明らかになのはの動きが早すぎる。
普通に考えたら俺の方が早く到着しているはずなのに・・・
俺はどうなっているのか知るために不可視の目を飛ばした。
この呪文はTVカメラの様にその場を見ることが出来る
もちろん音声込みで
「なに、なにっ!? いったい、なにっ!?」
その僅かな痛みと、なのはは恐怖をしてしまう。
でも激しく破壊された壁の方には、未だにそこから出ることの出来ない黒い獣が動き出していた。
腕の中にいるほうから声が聞こえた
「ありがとぅ きてくれて」
「わぁフェレットがしゃべった!?」
なのははわたわたしながらフェレットを大事に捕まえた
「フガァ・・ゴフ」
黒い獣が木材と瓦礫を取り払いこちらを見た。
「と、とりあえず、ここから離れよう!」
「っ!? うん!」
そして、なのははフェレットを抱えたまま立ち上がり、黒い獣から距離を取るため走り出した。
「そ、その、なにがなんだかよくわかんないけど、一体なんなのっ!? なにが起きてるのっ!?」
「君には資質がある。――お願い、僕に少しだけ力を貸してっ!」
「し、資質って……?」
その言葉になのはは訳がわからず首を傾げる。
「――僕はある探し物のために、ここではない世界から来ました。
でも、僕一人の力では想いを遂げられないかもしれない。
……だから、迷惑だと分かっているんですが、
資質を持った人に協力してほしくて……」
そう話すと、
フェレットは腕の中から飛び降りた。
「お礼はします!必ずします! 僕の持っている力を、あなたに使ってほしいんです。――僕の力を、魔法の力を!」
「ま、魔法……?」
なのははまだきょとんとしていた
その時、
先ほどの黒い獣が上空から襲い掛かってきた。
なのはは間一髪のところで、
近くにあった電柱に逃げ隠れた
そして黒い獣の攻撃をやり過ごす。
「お礼は必ずしますからっ!」
「お、お礼とかそんな場合じゃないでしょ!?」
ユーノフェレットがそう言ってくるが、なのははそう言葉を返す。
電柱から少しだけ顔を出し、黒い獣を確認する。
落ちてきた拍子に壁にめり込んだようで、
壁から出ようともがいていた。
「ど、どうすればいいのっ!?」
「これを!」
首輪につけていた紅玉を口にくわえなのはに渡す
「温かい……」
「それを手に、目を閉じ、心を澄ませて、
僕の言うとおりに繰り返して」
なのはは言われたとおりに行動をした。
「いい? いくよ!」
「……うん」
「我、使命を受けし者なり」
「我、使命を受けし者なり」
「契約のもと、その力を解き放て」
「ええと、契約のもと、その力を解き放て」
なのはが契約の言葉を発していると
赤玉が脈動しているのをなのはは感じていた。
「風は空に、星は天に」
「風は空に、星は天に」
どんどん紅玉は脈打っている。
「そして、不屈の心は」
「そして、不屈の心は」
――そして、二人の声が重なった。
「「この胸に!」」
「「この手に魔法を、
レイジングハート、
セットアップ!」」
『Stand by ready set up』
すると、
なのはが掲げて持っている宝石から光が立ち昇る。
「なんて、魔力だ……」
「ふえ~!? どうすればいいのっ!?」
「落ち着いてイメージしてっ!君の魔法を制御する、魔法の杖の姿を!
そして、君の身を守る強い衣服の姿を!」
「そ、そんな、急に言われても……えっと……えっと」
「とりあえずこれで!」
すると、なのはが次に目を開けたら
イメージしていた衣服を着ており、
手には自分がイメージした杖が握られていた。
「成功だ!」
「え? え!? 嘘!?
ほんとにいろいろ変わってる!?」
なのはは状況を飲み込めずに目を丸くしておろおろしていた。
あの宝玉
どこかで見たことあると思ったらレイジングハートだ
登場シーンまで違うのかよ
これはとらハの舞台だけど完全なパラレルワールドってわけか
俺の知識は全く役に立たないな
これで納得した
士郎さんが生きていたり、とらハより一才年が上がっていたり、
アリサが幽霊じゃ無かったり完全に合点が言った
ここは別世界だということを
俺がそう確信したときに壁に埋まっていた黒い獣がその恐ろしい赤い目をなのはの方に向けていた。
なのはは恐怖を感じ取りあとづさりをしていた。
黒い獣はなのはに向かって突進してくる。
「きゃ!」
なのはは目を瞑り、来るべき衝撃に身を硬くする。
いつまでたってもなのはにその衝撃はやってこない。
「おまたせなのはこの獣凄い力ね。
おかげさまで今日新調したマントとブーツが壊れた」
なのはが目を開けると、そこには上半身シルクのシャツで身を包み
下半身は赤いショートのスカート
そして壊れたマントが新調になって白のマントを着た人がいた。
その女の子は右手を黒い魔物の方に突き出しており、黒い獣が何か壁のようなものに遮られるように、
動きを止めていた。
なのはの口から自然と声が漏れる。
「ふへぇ!!!」
なのははまるで何でいるのと
いうような間抜けな顔をしてこちらを見ていた。
「綾ちゃんなにその格好!?っていうかなんでいるの」
「格好についてはなのはも一緒。
なのはは意外と余裕だったかな詳しい話は後で」
ちっ!!ぶっ倒していいのだろうか
取りあえず聞いてみるか
「おい、そこの元凶フェレット」
「は、はいっ!?」
返事をする。
「この獣ぶち殺していいのか」
「い、いえ、封印をしなければいけません」
「どうするの」
「は、はいこの女の子にやってもらいますので」
「お前は?」
「今の僕にはそこまで回復していなくて・・・・」
「ちっなのは気をつけてね」
「うん。綾ちゃん任せて」
「なのは・・・」
そう呟いた瞬間
周囲に赤くて丸い球がいくつも現れた。
攻撃が来る前に
「メーノー・シルマン・ゲイオ・ブ・バビロン」
俺は力ある言葉を発する
『レイ・ボウ(魔弓閃光矢)』
古代神ブラック・モウの力による
魔法の光の矢を射る呪文で
光の矢はどんな物質も貫通し、
かならず目標を射抜く
同じエネルギーの矢でも
アンセムと比べると
50倍の威力を持っている。
「フュギャ~アアアアアアアアアアア」
圧倒的火力で相手を押さえつけていた
これで終わりかなと思ったら、まだ動き出そうとしている
「おいおい古代呪文を食らって生きてるの」
なのはは頭を振り、ユーノフェレットに話をした.
「で、どうすればいいの?」
「す・凄い・・・そ、そうですね。」
早く終わって欲しい。
魔力供給はスムーズだが
古代呪文だけあり消費が激しい
「簡単な呪文は心に浮かぶだけで魔法が使えます。
でも大きな力を必要とする魔法は呪文が必要なんです」
「呪文……?」
「心を澄ませて。心の中にあなたの呪文が浮かぶはずです」
なのはは目を閉じ、心を澄ませる。
「うん、いける!」
なのはの呪文が入る瞬間のシークエンスで俺はツーバックをして距離を置く
「リリカルマジカル」
「封印すべきは忌まわしき器、ジュエルシード!」
「ジュエルシード、封印!!」
『Sealing mode set up』
杖から声がした後、その杖の形状が変化する。
それはピンクの翼が出てその翼が黒い獣に襲い掛かり
ロープ上になり縛り付けた。
そして黒い獣の頭にXXIのマークが出た
『Stand by ready』
「リリカルマジカル。
ジュエルシードシリアルⅩⅩⅠ――封印っ!」
『Sealing』
杖から魔力の光が発射され、黒い獣に直撃すると、
黒い獣は消え去り、後に残ったのは綺麗な青い宝石だけとなった。
「それは……?」
「はい。これが、僕が探していたジュエルシードです。
レイジングハートで触れてもらえますか?」
「こ、こう……?」
なのはが杖を近づけると、ジュエルシードがレイジングハートに吸い込まれた。
『No.ⅩⅩⅠ』
そして、なのはの格好も私服へと戻り、レイジングハートも元の小さな宝石に戻った。
「――終わったの?」
「あなた方のおかげで、無事に封印できました。
ありがとう……ござい……ます」
お礼を言うと、フェレットが倒れてしまう。
「ちょっとまた倒れるなんてすずかみたいな令嬢の専売特許じゃないの?」
「ははは、綾ちゃん、ちょ、ちょっと大丈夫!?ねぇ!」
遠くからパトカーの音やら救急車の音が聞こえてくる
周りを見渡してみると、先ほどの戦闘でコンクリートに穴が開いていたり、
電柱が倒れ電線が切れていたりと、かなり激しいことになっていた。
「ずいぶんとなのは暴れたみたいね」
「なのはだけのせいではありませんってもしかして、わたし、ここにいたら大変あれなのでは……?」
「うん間違いなく警察沙汰かな。
サイレンの音も聞こえてきてるし」
「とりあえず。――ごめんなさ~い!」
なのははフェレットを抱えそう言いながら走って逃げ、俺はその横を並走した。
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