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マイ「艦これ」「みほ2ん」

作者:白飛騨
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第41話<タフガール再び>

 
前書き
無線で大淀艦隊の苦戦が伝わる中、夕立はある決断をする。一方、司令たちも敵の攻撃を受け日向が反撃する。
 

 
「こいつも、タフなやつ……」

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マイ「艦これ」「みほ2ん」
 第41話 <タフガール再び>(改)
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 軍用車は海岸道路(431号線)に乗った。無線機からは断片的に大淀艦隊の苦戦状況が伝わってくる。

ガリガリ
『あぁっ……あかんで……』

ザザザ
『……は沈みません……』

叫び声に合わせて入る爆音らしきノイズが痛々しい。

銃座で敵機を警戒している日向も時々悔しそうな表情を浮かべている。彼女は自前で無線を持っているから細かい内容が四六時中入っているのだ。

 美保鎮守府に赴任して間が無い私にとって、実は大淀艦隊8隻の駆逐艦の、ほとんどがまだ面識のない子ばかりだ。だから正直、声を聞いても誰が喋っているのか見当がつかない。

『ひえええ』
あぁ……良くも悪くも、これは比叡だと一発で分かる。

 昨日までの私なら彼女たちの無線も客観的に聴けたかもしれない。
だが今日の夕立や日向の戦う姿を間近で見た今となっては、とても他人事ではない。

 もちろん軍隊の指揮官としては兵士への同情は無用だ。

しかし今さらだが彼女たちに申し訳ない気持ちが湧く。以前より多少とも彼女たちの喜怒哀楽の世界に近づいたからだろう。

 艦娘だけの鎮守府という特殊な環境下での艦娘と指揮官(提督)の関係性は、果たしてどうあるべきか?

 今後の我が国の海軍を想えば小さいとはいえ美保鎮守府での『いち司令官』として試行錯誤がまだまだ続くのだろう。

すると急に強い口調の無線が入った。

『……です! 私も出るっぽい』
ザザザ

明らかにこの口調は夕立だと分かる。

『……めよ!あなたは怪我を……』
ガリガリ

『……秘書艦! お願いし……』
何をしようとしているのか?

『きゃあっ』
複数の悲鳴……駆逐艦か?

夕立が担架に乗っているから駆逐艦たちが敵の標的になっているのだ。

 一連の状況を察した日向が叫ぶ。
「海上の夕立が自分も戦列に加わると主張しています! 大淀は否定し本人から秘書艦に直訴を試みていますが」

彼女は不安定な現場無線に代わって鎮守府司令部へ無線を放った。

 ひょっとしたら敵の中にも義理堅い奴が居るのかも知れない。だがもともと人間とは違う深海棲艦だ。赤十字のような『救護』という考え方は、まったく通用しないだろう。

ザザザ
『……許可します。夕立、出撃し……』

直ぐに返ってきたのは祥高さんの声だった。

日向は早速、現場海域へ向けて司令部からの指示を伝えている。
「こちら日向、秘書艦より夕立出撃の許可が下りた。聞こえるか?」

『ぽいっ!』
直ぐに反応があった。

「思った以上に元気そうだな、夕立」
私は呟いた。

そのとき日向が叫ぶ。
「来ます!」

 既に軍用車は数百メートル南へ即ち鎮守府へ向けて走っていた。そこへ遥か前方に漂っていた敵機が軒並みこちらへ向かってくるのだ。

 日向は照準もソコソコに機銃を構えると射撃を開始した。

再びガガガという機銃の発射音。キンキンという音と共に無数の薬莢(やっきょう)が車体から路面へと、ばら撒かれた。

 艦娘仕様の機関銃が普通の機銃とは違う感じは、この軍用車のハンドルが、かなり振られるので分かる。

 恐らく威力があるから反動が大きい。つまり射撃するだけでも安定させるのが難しい。

 それを走行中に保持しつつ真っ直ぐに射撃する日向。路地での敵への蹴りも凄かったけど日向の足腰は半端ないな。

 同時に彼女は機銃本体の固有振動……つまり反動も考慮しながら銃の特性を加味し最も効果的なポイントを探りながら撃つ。

 そんな彼女独特の手綱捌(さば)きの感覚が伝わってくる。そこが夕立とは違う点だ。さすが戦艦クラスだ。

 私も、しっかりハンドルを固定する。だがアクセルは離さない。前方の敵機はチカッと一瞬、光ったかと思うと幾筋もの光の筋を放つ。

 ブーンという聴きなれない不自然な音を立てて通り抜ける光の筋。次の瞬間メリメリという音を立てながら車の左右の道路がめくれ上がっている。同時にアスファルトが宙を舞う。

信じられない光景だが私も日向も不思議と落ち着いている。戦場では常軌を逸したことが起こりがちだ。何が起きても不思議と気に留めないのだ。むしろ気にしていたら戦えない。

日向は、ひるまず真っ直ぐに撃ち続ける。上空で併走していた瑞雲も急加速して先行。それぞれに個別の敵を迎撃し始めている。

私は車体を直線に保ちつつ前方から来る敵の光線や、めくれたアスファルトの塊が私たちを直撃しないよう小刻みにハンドルを左右に振り続けた。

夕立なら『おえぇ』とか言いそうだ。しかし銃座という重心の高い不安定な場所に居ながら日向はビクともしない。さすがだ。

 彼女のパン○もチラチラするが、もはやそれを気にしている次元ではない。まぁこういう修羅場では些細なことは、お互い気にしないということだ。

 ……でも私の隣の深海棲艦(大井・仮)は意外に長い髪を後ろになびかせて最後のサンドイッチを片手で無言で食っている。神社の境内でのバテ振りが今は嘘のようだな。こいつもタフだということか。

「よし!」
日向が叫ぶ。立て続けに前方および側面の敵機がズゴンという激しい爆音を立てながら空中で分解していく。

 なぜかその光景がスローモーションに感じられ同時に私は彼女との不思議な一体感を感じていた。

 以心伝心(いしんでんしん)……とまでは行かないが、この感覚は久しぶりだ。かつて彼女と共に最前線を戦っていた頃の記憶か。

ふと気付くと海岸道路や松林には早くも敵機の攻撃や残骸でボコボコになっている。

やれやれ……境港の皆さんには本当に申し訳ないな。このお詫びは市民の安全を以って返すしかないか。

 
 

 
後書き
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
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PS:「みほ2ん」とは
「美保鎮守府:第二部」の略称です。

 
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