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提督はBarにいる。

作者:ごません
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その発想は無かった!梅酒カクテル&梅料理特集・3

「うんうん、流石の腕前クマ。……さてと、クマはそろそろ帰るクマ」

「お、もう帰るのか?もう少し飲んでけよ」

「遠慮しとくクマ。遠征旗艦だから、クマまで寝坊したらシャレにならんクマ」

「……それもそうか。すまんかったな、引き留めて」

 勘定を済ませた球磨は、ホロ酔い気分で去っていった。さて、残されたこの2人をどうしたモンか……。

「てぇとくぅ、むちゅきはまだ飲めまひゅよ~?」

 一人はベロンベロンの泥酔状態、

「う~ん……にゅふふぅ♪」

 もう一人は気持ち良さそうに夢の中と来たもんだ。一体どうしろと。とりあえず、明日は再起不能になっていても大丈夫だと言質は取った。それならば完全に酔い潰して、酒の失敗と言う物を身に沁みさせてやるのも一興か。

「はぁ、んで睦月はまだ飲むんだな?」

「もちろんれしゅ!」

 そうかい、なら好きなだけ飲ませてやろうじゃねぇか。



《飲み過ぎ注意!梅コーラ》※分量は比率です

・梅酒:1

・好みのコーラ:1



 これもお手軽カクテルレシピ。氷を入れたグラスに梅酒とコーラを同量入れてステアすれば出来上がり。ただ、コーラの味が強くて梅酒の味が殺されなかねないので、一度作ってみて自分の舌に合わせた微調整をしてくれ。上手く自分なりの比率を見つけられれば、レモン風味やバニラ風味のコーラの様に、梅の香る梅風味のコーラという新しいドリンクが味わえるだろう。

「あ~、甘くてシュワシュワで美味しいのれしゅよ。しれぇかん、にゃにかおつまみも欲しいれす!」

 なら、シャキシャキとした歯応えと梅肉の風味を活かしたサラダを一品。


《シャキシャキ蓮根の梅マヨサラダ》※分量4人前

・蓮根:1節

・梅干し:大粒の奴1個

・大葉:5~6枚

・ポン酢:大さじ2

・マヨネーズ:大さじ3

・白いりごま:適量


 さて、作っていこう。蓮根は皮を剥いて2~3mmの厚さに刻んでいく。細い蓮根ならそのままでいいが、太い物は半月か銀杏にしてから薄切りにしよう。蓮根を刻んだら酢水に10分程浸けて置いて、灰汁抜きをするのを忘れずにな。

 大葉は半分に切ってから細切りに、梅干しは種を取り除いてから粗めに叩く。

 鍋に湯を沸かし、酢水から出して水気を切った蓮根を入れる。そのまま強火で加熱し、水が再び沸騰してきたらそのまま1~2分茹でる。レシピのタイトルにも付けた通り、蓮根のシャキシャキ感を味わうレシピだからな、茹ですぎには注意が必要だ。

 蓮根が茹で上がったらすぐにザルにあけ、しっかりと水気を切る。そして熱い内にボウルに入れたらポン酢を回しかけて、全体に馴染ませる。

 粗熱が取れたらマヨネーズを入れ、梅肉と大葉も加えて更に混ぜる。器に盛り付け、白ごまを散らしたら完成。今回は入れなかったが、塩昆布なんか入れても美味いぞ。塩昆布を入れる時は、ポン酢とマヨネーズの量を加減して、塩気の調整をしてくれ。



「ほらよ、『蓮根の梅マヨサラダ』だ」

 睦月は蓮根を口に放り込み、咀嚼する。シャキ、シャキ、シャキと小気味良い音が聞こえてくる。十分にその味を堪能した所に、梅コーラをグイッと流し込む。ポン酢と梅干しで酸味が残った口を、梅コーラの甘味でリセットしてやる。そうするとまた一口、と手を伸ばしやすくなる。

「ぷはぁ~、美味しいのですぅ♪」

 梅コーラを早々に飲み干した睦月は、こちらにズイッとグラスを突き出してきた。お代わりの要求だ。なら知り合いに出すと驚かれる梅酒カクテルを1つ。

《トロリと甘い!梅カルピス》※分量は比率です

梅酒:1

カルピス(原液):1



 コイツも割るだけお手軽カクテルだ。氷を入れたグラスに梅酒とカルピスを1:1で。氷を入れすぎると味が薄まってしまうので、出来るだけ少な目に。なので、梅酒とカルピスをキンキンに冷やす事をオススメする。

「ほわあぁ~……甘くてとろけてしまいそうなのでしゅよぉ♪」

 睦月はホワホワしながらそんな事を言ってるが、確かにビックリする位甘い。甘いのが苦手、って奴にはちとキツいかもな。




「そういえば司令官、むちゅきは梅を使ったオツマミを頼んでますけど、本当は梅酒にはどんなオツマミが合うんです?」

「梅酒に合うツマミか……まぁ、個人的にはだが鶏肉とか味の濃い料理、生魚、揚げ物、辛い料理とかかな」

 梅酒は作った事がある奴なら解ると思うが、梅を漬け込む時に氷砂糖や黒砂糖を一緒に入れる。必然的に甘くなるんだが、梅の酸味が上手いことバランスを取って、あの独特の風味が生まれる訳だ。甘いけれどもサッパリしているので、口の中をリセットさせるのに適した酒だと言える。なので辛い料理や味の濃い料理に合わせるのに向いている。

「じゃあ、何かオススメのおツマミください!」

「あいよ」

 では、韓国の珍味『チャンジャ』をアレンジした酒肴をご紹介しよう。



《ピリッと辛旨!チャンジャポテサラ》

・ジャガイモ:300g位

・玉ねぎ:1/4個

・アボカド:1個

・パクチー:2株

・チャンジャ:80g

・酢:小さじ2

・マヨネーズ:大さじ3



 チャンジャってのは鱈の内蔵をキムチを漬けるのにも使う薬念(ヤンニョン)に漬けて発酵させたピリ辛の塩辛なんだが、これ単品でも美味いが今日はちっとばかしアレンジを効かせるぞ。

 玉ねぎはみじん切り、パクチーは2cm幅で刻む。アボカドは種を取り除いて皮を剥き、1cm角に刻んでおく。ジャガイモは皮を剥いて適当な大きさにカットしておく。今回は適当に残っていた野菜を突っ込んだが、サラダに入れたい野菜を入れてOKだ。ただし、パクチーは入っていた方が美味いと思うぞ。

 鍋に湯を沸かし、塩を少々(分量外)入れたらジャガイモを茹でていく。暫く茹でてジャガイモに竹串を刺してスッと入ったら、ザルにあける。ジャガイモを鍋に戻したら再び水を入れずに中火にかけ、粉ふきいもにする。イモの水分が飛んだら火を消し、温かい内に酢を回しかけてヘラ等で潰しておく。

 潰したイモの粗熱が取れたら、刻んでおいた野菜とチャンジャ、マヨネーズを加えて和えれば完成。チャンジャも手作りのを入れたかったが、如何せん材料が無かったんでな、仕込んでなかった。チャンジャ自体はコンビニやスーパーを探すと意外と売ってるから、作るのはそんなに難しくないハズだ。



「はいお待ち、『チャンジャポテサラ』だよ」

 ポテサラの味もさることながら、そこにアクセントとして加わるチャンジャの辛味と、ムニュムニュ、コリコリとした独特の食感が面白い。あぁ、そうそう。市販されているチャンジャだが、そのまま食っても美味いが、刻んだネギとごま油少々、そこに白ごまとちぎった韓国海苔を混ぜてやるとチャンジャの風味が一層際立ってくるから、更に美味しく食べられるぞ。〆の茶漬けにチャンジャを乗せてってのも美味いねぇ。




「ふえぇ……もうお腹一杯なのですよぉ」

「なら、そろそろお勘定にするか?」

「そうするのですぅ……」

 ノロノロとポケットから財布を取り出し、勘定を済ませた睦月は椅子から降りようとする。が、

「およ?およよ?上手く歩けないのでs……ふぎゃ!」

 飲みすぎて足に力が入っていないのか、盛大にずっこけて顔面を床に打ち付けた。

「仕方ねぇなぁ……早霜、店番頼む」

 留守を早霜に任せて、送り届けてやる事にしよう。俺は皐月を左肩に担ぎ上げると、まだ床に倒れたままの睦月を右肩に担ぎ上げた。

「うにゃああぁ!お~ろ~し~て~!」

「うるせぇ、部屋まで運んで貰えるだけありがたいと思え」

「それでも荷物扱いは勘弁してほしいのですよおぉ~っ!」

 スヤスヤと眠る皐月に対してニャアニャアと騒ぎながらジタバタ暴れる睦月。落としても知らんぞ……ったく。

 翌日、睦月と皐月は二日酔いになり、遠征には不参加。部屋の中からは死にそうな呻き声が聞こえてたって話だが……ま、自業自得だよな?
 
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