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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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31部分:第三話 関羽、趙雲と死地に赴くのことその六


第三話 関羽、趙雲と死地に赴くのことその六

「舞が言っていたな。アイヌの伝説にある戦士だったな」
「はい、私はアイヌの者ですが」
「おかしいな。確か二百年以上前の人だった筈だけれど」
 アンディもまた腕を組んで述べた。
「それが今どうして私達の前に」
「何かよくわからないが色々な人間が集まってきているみたいだな」
 関羽はそれを聞いてふと察した。
「今は」
「それでどうするんだ?」
 また言ってきたテリーだった。
「あんた達は俺達を雇ってくれるのか?どうなんだ?」
「お金の方は大して困ってないけれどね」
「山賊の奴等倒して手に入れてるしな。勿論殆どは村の人達に渡してるぜ」
「よし、わかった」
 公孫賛はここで決断を下した。
「なら宜しく頼む」
 こうして三人も山賊退治に加わることになった。張飛とナコルルは山賊のいる山の裏手に回り三人は入り口に潜伏することになった。そして関羽と趙雲が箱の中に入った。しかしであった。
「お、おい待て」
「どうしたのだ?」
 趙雲はその箱の中で関羽を抱きながら楽しそうに言ってきた。
「一体」
「足の間に腰を入れないでくれるか?」
 関羽は戸惑った声で言う。
「私は。そんな」
「そんな?」
「そうした趣味はないのだ」
「ふむ。どうやら」
 ここでさらに楽しげな声を出す趙雲だった。
「貴殿はまだそうしたことは知らないな」
「私はまだだ」
「安心しろ、それは私もだ」
 こうは言うが何故か楽しげな趙雲の声だった。
「しかしだ」
「しかし?」
「それは男とだけだ」
 これが彼女の言葉だった。
「女とはだ」
「ま、まさか貴殿は」
「女もいいものだ」
 声は暗い箱の中でさらに楽しげなものになる。
「そちらもな」
「まさかここで私を」
「安心しろ。そこまではしない」
 こうは言った。
「だが」
「だが?」
「この感触は楽しませてもらう」
「ううう・・・・・・」
 こうして二人は箱の中に潜んでいた。そしてその箱が少し進むと早速山賊達が出て来た。そうしてそのうえで箱は荷馬車ごと山賊のアジトに入れられた。
 箱はアジトの奥に入れられた。二人は気配が消えた時に出てだ。早速味との中に出たのだ。
「ふむ、こうなっているのか」
「洞窟をそのまま使っているな」
「そうだな」 
 アジトの中はわりかし入り組んでいて蝋燭で照らされている。そこを見回りながら話すのだった。
「だが山賊の気配はそれ程多くはないな」
「そうだな。数は多くないな」
「二百だ」
 趙雲は言った。
「それだけの数ならばだ」
「戦えるか?」
「やはり私一人でも充分だ」
 彼女は真面目な言葉で述べた。
「貴殿もそうではないのか?」
「武器があればな」
 ここで関羽はふと述べた。
「容易いが」
「拳で闘うことは不得手か」
「できることはできる」
 こうは言った。
「しかしそれでもだ」
「やはりあの巨大な得物が欲しいか」
「持って来れなかったのは残念だ」
「貴殿の胸が大きいからだ」
「それで箱の中に入れられなかったというのか」
「私も胸の大きさには自信がある」
 見れば趙雲の胸もかなりのものだ。谷間がはっきりとしていてハリもある。
 
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