マイ「艦これ」「みほ2ん」
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第38話<偽善者>
前書き
司令たちは捕虜を連れて旧市街を出発した。そこで彼は意外なものを立て続けに見ることになる。
「優しくスルナ……偽善者メ」
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マイ「艦これ」「みほ2ん」
第38話 <偽善者>(改2)
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さて運転席に座ろうとした私は座席にサンドイッチが一人分、残っていたことに気づいた。
おもむろに、それを取ってから運転席に座ると助手席に座っている深海棲艦(大井・仮)に話しかけた。
「片手が塞がっていて食べ辛いと思うが」
そう言ってサンドイッチを彼女の目の前に差し出した。
「ナンダ、コレハ?」
「あ」
(サンドイッチを知らないのか?)
私は一瞬『やはりこいつは艦娘(大井・仮)ではないのだ』と納得せざるを得なかった。同時に、ちょっと残念な気持ちも起きた。
だがそれは私が勝手に思い込んでいるだけだ。事実は冷静に受け止めよう。
気を取り直して私は言った。
「食べ物だ。お前も、おなかが空いただろう?」
「……」
助手席の「彼女」は、ただ黙って見ている。
「安心しろ。別に毒なんか入れてない」
そう言いつつも後部の銃座からは日向が無言で観察してくる雰囲気(威圧感は無い)が伝わって来た。瑞雲も飛んでいるし……グズグズしている時間は無い。
私は『彼女』の反応を待たず、そのヒザの上に半ば強引にサンドイッチの包みを乗せた。
「出すぞ」
「ハッ」
後ろの日向の反応を受けつつクラッチを踏み込んだ私はシフトチェンジした。軍用車は独特のエンジン音を立て黒煙を吐きながら神社前を出発した。
「優しくスルナ……偽善者メ」
ふとエンジン音に紛れて、そんな台詞が聞こえたような気がした。
境港の旧市街は少々歪みながらも碁盤の目のように入り組んでいる。だから一区画を一周すれば大抵、元の道に戻る。私は路地を何度も曲がり続けて大通りを目指した。
ふと軍用無線が私の名を呼んだような気がした。だが運転中は応対出来ない。
直ぐに日向が代わりに無線を受けて後ろから大声で報告する。
「司令! 秘書艦より海沿いの幹線道路に出て下さいとの指示が出ました」
「海沿い? 431号線のことか」
この旧市街を出れば弓ヶ浜はどこも見通しが良く敵に見つかりやすい。
私は瞬間的に今回の敵襲を整理する。
彼らの目的は
1)撤収する大淀艦隊への攻撃
2)この捕虜を奪還するため
という可能性が極めて高い。
助手席に居る捕虜は別として敵の本体は私個人への怨恨なんて微塵もないだろう。そんな中を敢えて海岸通りに出れば余計、敵に見つかってしまう可能性が高い。ちょっと作戦に疑問を感じた。
しかし作戦指揮権を秘書艦である祥高さんに一任すると言った手前、司令といえども、まずは従うべきか。
「了解」
そう応えながら私はハンドルを切った。
軍用車は『水木しげるロード』と書かれた駅前の大通りに出た。いわゆるアーケード商店街だ。空襲警報が出ているから、ほとんど人通りは無い……と、左右を見て一瞬、ドキッとした。
隣の深海棲艦がボロボロと涙を流している。
(参ったな)
日向に蹴られた所が、どこかが痛むのだろうか? だが申し訳ないが今は構っていられない。
私は直ぐに妖怪のブロンズ像が立ち並ぶ通りを左折した。直ぐに正面に信号機とアーケードが見える。
本当はダメだが非常事態だ。陸軍も憲兵も文句は言うまい。私は赤信号を強行突破。さらに一方通行のアーケードをまた逆走する。
アーケードを出たところで上空を確認。瑞雲も2機、車に並走して飛行していた。
「そろそろ敵機が来ます!」
日向が後ろから叫ぶ。
「了解……」
そう言いながら私は何気なくバックミラーを見た。
「うっ!」
(……沈黙)
私は見てはいけないものを見てしまったようだ。頭に血が上る。
(ごめん、日向)
お前のズボンみたいなそれ、よく知らなかったが……一応スカートだったのか。
夕立もそうだったが艦娘の服装って、どうして『ミニ』が多いのかな。
(きっと、風が悪い)
そういうことにしておこう。
後書き
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
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PS:「みほ2ん」とは
「美保鎮守府:第二部」の略称です。
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